[PR]

 イラン国会は7日、同国のイスラム革命防衛隊のソレイマニ司令官(62)が米軍に殺害されたことへの報復として、米国防総省を「テロ組織」とし、殺害に関与した米兵らを「テロリスト」に指定する法案を可決した。国営メディアが報じた。ザリフ外相も7日、米CNNのインタビューで「イランへの武力攻撃となり、我々は報復する」と述べるなど、イランでは米国への報復論が強まっている。

 国営メディアによると、イラン国会はこの日、ソレイマニ司令官が率いていた革命防衛隊の「コッズ部隊」に対して、2億ユーロ(約242億円)の追加予算を承認する法案も可決した。

 同国の外交政策などを統括する最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長は同日、「最高指導者はすべての抵抗手段による報復を実行せよと命じている」と指摘。「現在、報復については13のシナリオが議題に挙がっている。一番弱い内容になったとしても米国に歴史的な悪夢をもたらすだろう」と語った。詳細は不明だが、標的として中東の米軍関連施設を念頭に置いている可能性がある。

 イランでは、7日もソレイマニ司令官の葬儀が生まれ故郷のケルマン州であり、国民の間で反米感情が強まっている。イランメディアによると、参列者が倒れ込み、少なくとも50人が死亡、213人が負傷したという。(テヘラン=杉崎慎弥