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2020年の新企画として始めました。
私りこぴんDが好きなジャンルの中から勝手に興味を持った方たちに、突撃インタビューで根掘り葉掘り聞いたことを記事にする対談企画。
今回が2回目。
インタビューさせて頂くのは、ユーチューブで歌のチャンネルも運営している
“歌って登れる”ママハイカー
『ゆかりさん』
小学1年生にして、マップの等高線や危険箇所のマークを理解している息子さん。
その息子さんと親子ハイクを楽しまれているママハイカーさんです。
今回はそんな
未来はアルピニストのお母さん
になりそうな『ゆかりさん』に
登山の素晴らしさや備え、そして親子ハイクについて。
思う存分、経験や考えを語って頂きました。
“歌って登れる”ママハイカー『ゆかりさん』のYAMAPアカウントはこちらです!
登山歴を教えてください
1年3ヶ月です!
まだまだ初心者です笑
最初に山登りしようと思ったキッカケは?
息子の影響です。
年長さんの遠足で、日和田山に登ったことがきっかけです。
息子は山登りがとても楽しかったらしく「今度僕が、みんなを連れてってあげる!」と、家族をさそってくれました。
そこで「登山ってこんなに気持ちいいんだー!」と、私もハマってしまいました笑
あと、私、精神疾患があるのですが、そちらの病気にもとても効果的で、治療のひとつとしても続けています。
とても良いエピソード!息子さん発信ということですが、大人は最初登る時、体力面とかいろいろ不安になりませんでしたか?
はじめは正直なりました。
体力も自信ないし、山自体に魅力を感じてなかったので、面倒くさいなーという気持ちでした笑
でも、終わってみたら、どんどん引き込まれていきました!
やっぱりそうですよね!初めて親子で登ったのはどこの山ですか?
息子が行った日和田山です!
遠足と全く同じ工程で、地元の駅から西武池袋線の高麗駅まで電車で行きました。
日和田山に登ったあとは、巾着田と河原で遊びました!
日和田山は標高305mの山ですね。その時は装備(ギア)を気にしたり、備えて行ったりはしたんでしょうか?
装備は全くの普段着でした笑
日和田山の時は、そんなに困った感じもなかったのですが、高尾山に登った時に、物凄く汗冷えして、風邪を引きました。
最初はユニクロのヒートテックとか、ライトダウンがあれば、全然大丈夫でしょ!と思ってました。
でも、そういった経験を経て装備を揃え始めました。
登山歴でいうと、3ヶ月目くらいからですかね?
未だに、あれが欲しい、これが欲しいが尽きません笑
登れば登るほど、必要だと思うものが増えます。
登る山や時期にもよるかと思いますが、初めて登山する人に最低限これは必要だとオススメしたい装備は?
シューズと、インナーと、ザックは必需だと思います!
冬でも山に登れば、必ず汗はかくじゃないですか?
そうすると、やっぱり速乾性の高いものが必要だと思います!
私はめちゃくちゃ寒い思いをしました笑
あと、シューズは、特に下山の時に斜面が滑るので、スニーカーではちょっと危ないですよね。
トレッキングシューズだと滑り止めがきいて、割と楽に下れます。
しかし、スニーカーだと変な力が入って、膝や腰を痛める原因になるんじゃないかと思います。
ザックも、普通のリュックでもいいと思いがちですが、バックルが付いていることでフィットするし、背中の部分が固く作られていて、中に物を詰めても、背中に当たらなくていいですよね!
それに通気性も考えられているから、私は必要だと思います。
あと、個人的にはグローブもあったほうが良いと思います。
子供は特に足の長さも力もないので、手を使う場面がとても多いんです!
大人なら簡単に跨げてしまうような岩や階段でも、子供は、枝とか、根っことかに手をかけます。
ささくれているところが刺さったり、有毒植物に意図せず触れてしまう心配もないので、うちでは必ずグローブはさせています!
厚手のものだと、岩を掴む感覚が鈍るので、必ず薄手のグローブをしています。
これはめちゃくちゃ助かるアドバイスです!その他に息子さんの装備や山行について特に気にしていることはありますか?
うちの子は特に下山が苦手で、まずは登れるかどうかというよりも、下りれるかどうかを判断して山を決めています。
実際に行ってみたら結構な急登で、下りれなそうだね、と判断して、折り返した時もありました。
あとはたとえ簡単な岩場でも、ヘルメットはなるべく着けています。
滑落だけではなくて、小さな落石もあります。
せりでている木の枝に頭をぶつけることとか、ちゃんと上を見てなかったら、よいしょっと登った瞬間に岩に頭をぶつけるとか、あるじゃないですか?笑
大人の方でも「大した岩場じゃないから」と、帽子も被らない方をたまに見かけます。
でも、少しでもリスクを回避するために、その備えはあったほうがいいんじゃないかな?と、個人的には思います。
あと、事前に調べるルートタイムは子供にはあてはまらないので、あくまでも目安で考えています。
登りよりも下りのほうがルートタイムを大幅にオーバーするし、疲れてグズるので笑
そこはいつも多めに時間を見ています!
そして、子供の場合は、特に休憩が大事だと思うので、トイレの場所と、おやつ(行動食)は必需です!
登山計画を立てる上で必ず下調べをすると思うんですが、活用しているツールなどあれば教えてください
私はYAMAPと、JTBが出版している大人の遠足BOOKを活用しています!
YAMAPでは、みなさんの活動日記を見たり、自身のページで登山計画をしっかりたてて登るようにしています!
あと、大人の遠足BOOKは、「大人」とかいてありますが、「親子で登る〇〇」とかの本は、低山しか載っていませんし、距離も短いものしかありません。
参考にならないわけではないのですが、登山というよりピクニック寄りな書籍ですね。
なので、あくまで親子登山を楽しみたい方は登山本を買われたほうが、より多くの情報があって良いと思います!
地図の見方など、わからないことは、好日山荘のスタッフさんに、買い物もせずにお話だけ聞きに行っています笑
とても親切に、ルートマップなどを広げて説明してくださるので、とても助かります!
登山装備を揃える上でオススメしたいブランドやショップを教えてください
オススメブランドは
我が家はmont-bellです!
好日山荘には置いてないのですが笑
子供は成長が早いので
コスパの良いmont-bellをよく利用しています。
ベースレイヤーは
Milletのドライナミックです。
冬でも必ずベースに着ます。
汗をかいても他のレイヤーに汗移りしないので、冷えません。
子供にはメンズのXSサイズを着せていますが、身長120センチで全く問題ありません!
こういうのも経験した人しかわからないめちゃくちゃ良い情報ですね!モンベルを買う時はネットショップも使いますか?
ネットショッピングも利用しますが、うちは三井アウトレットパークか、イオンモールで購入することが多いです。
実際に手にとって見ないと、山の物はチョイスが難しいので、お店で買うようにしています。
着たことのある素材や同じモデルのものは、ネットで購入したりもします。
こういった登山に関する知識はどのようにつけていったんでしょうか?
私は、たまたま担当の美容師さんが登山ガールで、もう歴20年位のアルプスとかも行っちゃってる人なんですよ!
なので、その方に髪の毛やってもらってる間に、ずっと質問攻めです笑
mont-bellを勧めてくれたのも、大菩薩嶺を勧めてくれたのも、そこの美容師さんです。
あとは、好日山荘の方に色々聞いたり、YAMA HACKというサイトで、オススメのブランドの記事を読んだりもします。
YAMA HACKは私も購読しています!親子登山でこれまで何座登られてますか?また、その中で1番高い標高の山は?
いままで、18座の30回くらいですかね?
1番標高が高いのは、2,057mの大菩薩嶺です!
ちなみに、息子が何気に1番大変だったのは、秩父にある破風山・大前山・天狗山の皆野アルプス三山縦走らしいです笑
ヤセ尾根と急勾配の繰り返しが大変だったと言っています笑
お子さんいくつでしたっけ?これまでの経験から現在のお子さんの年齢で登れそうな山は?
小学一年生の、7歳です!
周りに山登りする子がいないのでなんとも言えませんが、息子は同じ年齢の子に比べると体力と気力はあるほうだと思うので、今年の夏シーズンは、燧ヶ岳、甲斐駒ケ岳、天狗岳、富士山に挑戦したいと思っています!
一般的には、どうなんでしょうかね?
登山入門としては、日和田山、天覧山から物見山などが、適度な岩場や鎖場があって、楽しいと思いますよ!
あとは、何気に大菩薩嶺は登りやすくて、景色も抜群なので、息子は昨年3回登りました笑
御岳山までケーブルカー、そして大岳山へロックガーデン経由で行くコースも子供は楽しいと思います!
山登りの時、いつも昼食はどうされてますか?
最近はめっきりカップ麺です!
息子の大のお気に入り笑
小1の子にカップ麺はいいのか微妙ですが…。
バーナーは持っていないので、魔法ビンにお湯を入れて持っていきます!
ですが、重いし保温性が乏しいので、山専ボトルがほしいです。
普通の魔法ビンだと冷めてしまいます。
でも、子供にはちょうどいい温度みたいです。
あと、SOTOのウインドマスターもほしいです笑
山頂で食べるカップ麺は最高ですからね!ゆかりさん自身は初めて登った時、なんで山にハマれたと思いますか?
私は緑の中を歩いたあとの、山頂付近からのキレイな景色と、家族で達成できた喜びです!
日和田山は、下の子は抱っこ紐でしたが家族4人で行けたので、それがとても嬉しかったです!
病気自体のことをたくさんの人に知って頂きたいので、ぜひ包み隠さず取り上げて欲しいのですが、私には双極性障害という持病があります。
家に籠もることが多かったので、山で外の楽しさとか、美しさとか、そういうのにすごく感動した覚えがありますし、精神疾患のある方に、山登りはとても効果があるそうです。
私が実際そうでしたし、自律神経の専門医の方もTVで仰ってました!
私も心が風邪をひかないように走ったり登ったりしているのでわかります。やはり登ると精神的な安定を得られますか?
りこぴんさんも、そういうご経験があるんですね。
共感していただけて、とても嬉しいです!
Instagramで、このことについて投稿した時も、共感のお声をたくさん頂きました。
実際に今現在、苦しんでいるという方も多くいらっしゃいました。
登山で、癒しや、安定は、すごく得られます!
まず、外に出ることで、余計なことを考えなくなります。
そして、日を浴びることで、セロトニンが出るらしいのですが、日差しだけではなく、緑も脳に良い効果があるらしいです!
あと、水だったかな?
水の流れの音とかも、自律神経を整える効果があるそうですよ!
その辺はあまり詳しくないのですが、すみません…。
順天堂大学の自律神経の専門の先生が、テレビや雑誌でお話されてました!
ママ目線で親子ハイクの醍醐味って何でしょうか?
子供が自分の力で達成できることと、親子の大切なコミュニケーションです!
息子もお母さん独り占めできるので、それも嬉しいみたいですよ笑
登山ですから気をつけないといけないことはたくさんあると思いますが、中でも親子ハイクする上で気をつけてること、鉄則にしてることはありますか?
登ったら絶対に下りれる!という確信を持てない限り、その山には登らないというのが我が家の約束です!
当たり前なんですがね笑
どうしても、子供はイケイケドンドンになってしまうので、自分のレベルに見合わない山も希望してきます。
実際に燧ヶ岳も、年長さんの頃からずっと挑みたいと言い続けていました。
1泊2日で28kmの工程に挑もうとしていたので、まずは少し長めの全工程で10kmから12kmくらいの山を歩かせて、「燧ヶ岳はもっと高低差があって、もっと歩くんだよー」と毎回言い聞かせてます。
車で走ってるときも、「燧ヶ岳だと、この距離を山登りするんだよ」と説明すると、すごく大変なんだと理解してくれます。
自慢みたいになっちゃいますが、うちの子は数字や空間把握が得意なので、数値で示してあげると、楽しく理解してくれます。
なので、絶対に無理をしない事を子供には言い聞かせています。
あとは、にっぽん百名山というBSの番組を録画して、歩き方の基本や注意点を自分で学ばせてます。
本でもマップは自分で読めるようにして、等高線が詰まってるからここは急だね!とか、ここは危険箇所のマークがあるね!と、これも自身で理解できるようにしました。
YAMAPのGPSとモバイルバッテリーを必ず持ち歩いて、分岐になった時に、「どっちが計画ルートかな?」とクイズ風に聞いたりもします。
好きこそものの上手なれですね!
あとは、行動中にモチベーションを下げるようなことは禁句にしています。
「こんなとこも歩けないの?」とか「疲れたとか言わないで!」とか、はじめは言っちゃったりしてたんですけど、いまは褒めることしかしないです。
岩場では「さすが!いいルートだよ!」とか「文句1つ言わずに、カッコいい!」とか、べた褒めしてます笑
親バカです…笑
息子さんの将来は田中陽希さんみたいになれそうですね!ゆかりさんが好きな山を3つだけ挙げるとしたら?
大菩薩嶺、棒ノ折山、日和田山です!
大菩薩嶺は、親子登山できるレベルでは稜線歩きが最高に気持ち良いです。
棒ノ折山は、我が家ではネイチャーアスレチックと呼んでいるほどの、登山の醍醐味が詰まったお山です!
そして、日和田山は、低山ながらもニノ鳥居からの眺めは何度行っても気持ち良くて、もう我が家の定番です!
日和田山なら、もちろんアシストしないといけませんが、もうすぐ3歳の息子も登れるくらいの山なので、親子登山にはぴったりです!
2020年の登山における目標は?
燧ヶ岳登頂です!
初の山小屋泊、2泊3日で夏シーズンに挑みます!
そして、もちろん無事に帰宅すること!
これから登山を始める人、親子登山を始める人に何かメッセージをお願いします
登山は、始める前は面倒だと感じるかもしれませんが、登りきった時の達成感と絶景、そして、静寂な自然を体で、心で体感できる素晴らしい場です。
そして親子登山は、共に、同じ目線で目標を達成できる、最高のコミュニケーションだと思います!
安全第一で、楽しく、自然との触れ合いを楽しみましょう!
ですかね笑
なんか、恥ずかしいですけど笑
りこぴんDのまとめ
ものすごくボリューミーなインタビューになりました。
ゆかりさん、お忙しい中、長時間のインタビューにご協力頂き、本当にありがとうございました。
実は私がこのブログで登山初心者の方向けに書こうとしていたことの多くが、このインタビューの中に凝縮されました。
特に下調べの話は、基本ソロ登山が多い私は自分の体力を過信しているところもあって、あまり傾斜とか気にしたことないので、すごく勉強になりました。
自分は良くても、子供はもちろんのこと、自分よりも不慣れな人と登る時には、そういったところまでしっかり下調べした上で計画しないとですね。
さっそく今後の登山計画に反映させたいと思います。
そして、興味深いのが精神疾患と山登りの関係性。
私自身も10年前に仕事でバーンアウトしたことで、自分の中に潜む鬱っぽい兆候を知り、今はそれと向き合って生きています。
私にとっても、実はランニングや登山は、自分の心を制御するために取り入れた活動と言えます。
あれこれ悩んでばかりで行動に移せない人、なんとなく人間関係に生きづらさを感じている人。
心の悩みを抱えている方には、私も特に登山はオススメしたいと思います。
ただ歩くだけでも効果はありますし、素晴らしい緑や展望を眺めていると、自分の小ささに気づく時が絶対にあります。
悩みや不安の大きさは自分の中では絶対評価に値するもの、でも自分の小ささを知ることでそれが相対評価へと変わります。
小さな自分が抱える悩みなんて小さいことだ
こう思えると、気持ち的にはかなり楽になると思いますよ。
それにしても、すごいと思ったのがゆかりさんの息子さん。
小学1年生でマップが読めるとか、燧ヶ岳に登りたいとか。
私なんて大人になって登山やるまでは地図読み怪しかったですし、子供の頃は高尾山しか知りませんでした。
ぜひ今のままの英才教育で、未来は立派なアドベンチャーレーサーにでもなって頂きたいというのが私の願望です!笑
この記事を読んで少しでも親子登山に興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思いますし、ゆかりさんのInstagramを貼っておきますので、何か登山のことで相談したい方はフォローした上でコメントしてみてください!
私はりこぴんDは1回しか小学生と一緒に登ったことはないので、親子登山に関する細かい相談には乗れません。
知識面でのご相談は是非ゆかりさんに!笑
ゆかりさんのInstagram
あと、冒頭で“歌って登れる”ママハイカーと書いた通り、お歌のYouTubeチャンネルも持っているゆかりさん。
聞いてみたらめちゃくちゃ上手でした!
まだ開設したばかりなので、こちらも是非チャンネル登録よろしくお願いします!