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戦国小町苦労譚 作者:夾竹桃

天正三年 哀惜の刻

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千五百七十六年 八月中旬

神体山騒動も落ち着き暦の月が変わった頃、静子の許へと八月の現場復帰要請が届いた。

長らく現場を空けていた為、職場復帰を前に確認しておかなければならないことが山積みとなり、例によって静子は忙殺されていた。


「あ! そう言えばこれの実地試験待ちだったのを忘れていた。どうしよう……上様に報告したら絶対乗りたいって言うだろうしなあ」


静子が頭を悩ませているのは熱気球による有人飛行実験に関する決裁だった。なんと言っても世界初のことであり、初物好きの信長が手を挙げない訳が無い。

熱気球の原理は非常に単純であり、熱された気体は膨脹するため体積が増えて密度が下がり軽くなる。

軽くなった空気が上方へと上がる際に押しのけた空気の量が、吊り下げる物体の重量を超えれば浮くというものだ。

押しのけた空気云々に関しては風呂に体を沈めた際に、自分の体で押しのけた水の体積に比例して浮力を受けるのと同じ原理であるため、比較的理解し易いのではないだろうか?

この熱気球は何も道楽で開発したものではない。並行して開発しているもう一つの技術と組み合わせることで、戦略を左右する兵器となる。


とは言え熱気球自体が自由自在に空を飛ぶという物ではなく、単に上空に浮いているだけという代物であるため、必用とされる技術レベルはそれほど高くない。

熱気球は乗員が乗り込むゴンドラ部分と、熱された気体を(はら)んで浮力を得る球皮(きゅうひ)(エンベロープ)と呼ばれる部分に分けられる。

熱気球の中でも最も大きな部分を占める球皮は、帆布(はんぷ)と呼ばれる特異な織り方をした布で構成される。

読んで字のごとく、帆船(はんせん)()に使用される布であり、とにかく丈夫さが要求される。

今回の場合は綿の糸を複数()り合わせた太い糸を使い、縦横の目を細かく編み上げたものを用いている。

この帆布の特徴として濡れても水が生地の目を詰まらせてしまい、内部まで水を浸透させにくいというものがある。

しかし、幾ら細かく編まれているとは言っても気体の分子サイズと比較すれば大きすぎる穴が開いており、通気性はむしろ良いため気密性を求められる球皮に適しているとは言い難い。


そこで静子はかねてより開発を進めていた麻と米から作るバイオプラスチックを帆布表面に塗布し、強度と気密性を高めることに成功した。

バーナーの火口付近に関してはバイオプラスチックの耐熱性が摂氏百度程度であるため素の帆布素材(綿の発火点は摂氏五百度付近)だが、大部分をこの樹脂塗布生地で構成した。

こうした帆布に樹脂を塗布する形式の素材は、現代に於いて消防ホースにも用いられている事からその防水性能と気密性の高さは明らかだ。

熱源にはアルコールバーナーを採用し、加圧したメタノールとエタノールの混合溶液を加熱した蒸気として噴出させて着火することで出力を上げている。

既に有人以外での飛行試験には何度も成功しているため、それほど危険とは言い難いのだが、それでも熱源装置の爆発や高所からの落下という命の危険が常に付き纏う。

何としてでも信長に乗船を諦めて貰おうと決意を新たにした静子だが、彼女の願いが叶う事は無かった。


「ほう! これが気球とやらか。このような(たこ)とも海月(くらげ)ともつかぬものが空を飛ぶとは実に愉快じゃ」


「上様、本当にお乗りになるんですか? 万全を期してはおりますが、御身に万が一のことがあれば……」


「くどい! 翼を持たぬ人の身で空を行くなどという大望をこの世で初めて叶えるというのに、わしが飛ばずしてどうする?」


静子と信長は山間(やまあい)に設けられた飛行場で、膨らみつつある気球を見上げていた。

過日に静子が懸念した通り、人類初の有人飛行試験と聞きつけた信長は公務に都合をつけると、最低限の共だけを連れてここまで駆けつけたのだ。

存在自体を秘匿(ひとく)される新兵器だけに、衆目に晒すわけにもいかず四方を山に囲まれた谷間での試験飛行と相成ったのだが、静子は生きた心地がしなかった。

せめてもの救いとしては、用途が観測気球に近いため、地上と係留ロープで常に結ばれていることだ。万が一の事が発生した際でも、確実性の低いパラシュート装置に賭けるという手段の他に、係留ロープにビレイデバイスと呼ばれる器具を掛けて懸垂下降で地上を目指すことも出来る。

そうこうしている内にも準備が整ってしまい、主任技術者の男性が静子に用意が出来たと告げてきた。尚も逡巡(しゅんじゅん)する静子に対して、信長は鷹揚(おうよう)(うなず)くと大股で気球の搭乗口へと歩んでいく。


「何をしておる静子! 貴様も来ぬか!」


「え!? わ、私もですか?」


「貴様が作り上げたものに、貴様が乗らずしてどうする? この世で初の快挙の栄誉に浴する資格は十分あるじゃろう」


最早何を言っても無駄だと悟った静子は、信長と共に気球のゴンドラへと乗り込んだ。

元より四人乗りで設計されているゴンドラは、信長と静子の他に操縦手として技術者の男が一人乗り込み、この三名が世界初の有人飛行をした者として名を残すことになる。

信長が興味深げにアルコールバーナーを操作する技術者を眺めるのを他所(よそ)に、静子と地上に残った技術者たちがゴンドラに括りつけられた砂の入った重り袋が結ばれた紐をいくつか解いて重量を調整した。

そうしている内に遂に決定的瞬間が訪れた。気球の浮力と重力が釣り合い、ゴンドラの下部が地面との摩擦を失って滑り始め、ついには完全に地面から離れて浮遊した。

一度地面を離れてしまえば、気球は見る見る空の高みへと上っていく。地上から百メートルほどの高みに達した時点で、係留ロープが伸びきって気球の上昇がガクンと止まった。


「はははっ! これが天から見る世界か! 見よ静子、地上の者どもが胡麻(ごま)粒のようだぞ!」


「はい。本番ではこれの五倍ほどの高みに至る予定です。ここですら随分と肌寒いと思いますが、更に上空は極寒の世界となります」


「それ程の高みに至れば確かに矢も鉄砲とて届かぬであろうな。天より地を見下ろし、こやつ(・・・)がその真価を発揮するという訳か」


「はい、その有用性と革新性は東国征伐に於いて実証致します。天の目を得た我らが武田に(おく)れを取るはずがありません」


そうしている内に技術者の男性がもう一つの機材の動作確認を終え、地上に戻る旨を告げてきた。

信長はゴンドラから四方の眺望を確認すると頷き、技術者の男性がリップラインと呼ばれるロープを強く引く。すると、球皮上部に設けられたリップパネルという弁が開いた。

熱された気体がそこから抜けることで徐々に気球が高度を落とし始める。その後は何事も無く気球の高度が下がり、技術者がバーナーを巧みに操作することで緩やかな着地を決めた。







静子の胃へ甚大なダメージを与えた有人飛行を終えた信長は、来た時と同様の唐突さで安土へと戻っていった。

まるで台風一過とでも言うような気分を味わっている静子を待っていたのは、尾張が国を挙げて取り組んでいる愛知用水に関する報告だった。


「知多半島への水の供給は順調か」


愛知用水とは現代に於けるそれと同じく尾張丘陵部から始まり、知多半島の南端まで続く幹線水路の総延長112キロメートルという途方もない規模を誇る用水路だ。

建築資材の調達が間に合わないため、護岸工事は後回しにしていたり、調整池の規模を当初の計画から縮小していたりと随所に史実に於ける愛知用水と比べて見劣りする点はあるものの、とにかく水を供給するというその一点に於いて異例の早さで実現をしている。

更には水深の問題もあった。農業用水兼上水道用という目的の他に、水上輸送にも用いることを念頭に置いて計画されていたのだが、船舶の通行を見込むなら水深1メートル程度を確保しなければならない。

しかし、水深を深くすればそれに伴って必要とされる工期は指数関数的に上昇してしまう。そこで静子は最初から水運を見込んだ用水路という計画を捨て、まず農業用水として利用できる最低限の深さに見直していた。


「ようやく水路の工事が一段落したから、導通試験を兼ねて木曽川から水を通したんだよね。支流水路は勿論、幹線水路すら十分とは言い難い品質だけど、一応は灌漑に使用できる水を供給するという目的は達成できたんだ」


完成形を知っているため、現在のそれとの差異に失意を隠せない静子だが、知多半島の住民たちにとってはその印象は全く異なっていた。

知多半島は土地が全般的に緩やかに傾斜しており、平地が少ない。更に大きな河川も無く、傾斜によって水はけが良すぎるため、常に水不足に悩まされている地域だ。

農業用水の確保はもっぱら雨水を溜めた貯水池頼みであり、半島という立地の影響からか井戸を掘っても海水混じりの水しか得られなかった。

静子が広めた経済政策によって農業以外の産業も成長しているとはいえ、やはり大部分の住民は農業に従事しており、生活の行方を左右するのは米の出来高となった。

そこへ静子が知多半島の南端まで用水路を通すという途方もない計画をぶち上げた。住民たちは当初、そんな夢物語のような計画を信じていなかった。


しかし、年を追うごとに着実に南下してくる用水路工事の様子を目の当たりにした住民は、徐々に期待を抱くようになった。

今までの為政者というのはただでさえ少ない収穫から年貢という名の税を取るばかりで、住民の生活改善にはそれほど寄与してくれない存在だった。

既に尾張の平野部が穀倉地帯としての地位を確固たるものにしている以上、莫大な費用をかけて知多半島まで水路を引く必要性が無いのだ。

それにもかかわらず信長と静子はその無謀とも言える計画の第一段階を成し遂げた。

当然ながら慈善事業ではあり得ず、信長と静子は将来それだけの食料生産量が必要になると見越して計画を推進している。

それは長くとも自分を含めた親子三代程度までしか理解の及ばない民と、百年後の日ノ本を思い描いて計画を立てる為政者との差ではある。


それでも住民たちにとって愛知用水の存在はいつしか希望となった。開通を優先しているがために流量も当初の計画から比べれば少ない上に、支流水路なども手つかずだ。

静子にとっては到底満足のゆく出来ではないが、住民にとっては命を紡ぐ希望の道として映っていた。今後も続く工事に関して南部の住民たちは血判状を作って協力すると申し出た。


「土木工事をする以上、常に人手は必要だから正直助かるね。自動車が実現出来ない以上、人の手による運搬も馬鹿にならないからね」


まだまだ計画の第一段階が完了しただけであり、幹線水路以外にも支線水路を広げて毛細血管のように張り巡らし、全ての住民たちが当たり前のように真水を飲むことができ、また農業用水に不安を抱くことがない状態まで持っていくには途方もない時間を要するだろう。


「それまで私が生きているかは……判らないか」


史実に於いてすら1957年着工、1961年完成という期間を要した大事業を、400年以上も前の段階で規模を縮小しているとは言え成し遂げられた要因として工事用機械の存在があった。

木製旋盤に始まり、製鉄を経て徐々に高度な工作機器を整備し、スターリングエンジンの実用化以降も工業化は逐次推進された結果として、自走こそ出来ないものの土木用重機の走りとでも言うべき存在が完成していた。

動力として蒸気機関を採用し、油圧シリンダーによる倍力機構を備えたパワーショベル『仁王(におう)参式』が導入された結果、土木工事の効率は飛躍的に高まった。

初代仁王の基部は完全に固定の土台にパワーショベルだけが付いた代物であり、弐式になって横方向への回転が出来るようになった。

更なる改良が加わった参式は、ついに土台を台車に載せて移動することが可能となったことにより、実際の土木工事へと投入する事が出来たのだ。


とは言え欠点がないわけではない。

巨大なアーム部分の重量が重心を狂わせるため、移動に際しては毎回分解して運ぶ必要があるし、金属フレームの土台付きの台車は重すぎて到底人力では動かす事が適わない。

設置する度に地面に固定用の杭を打ち込み、蒸気機関が立てる爆音は作業員同士の会話もままならない程の音量に達する。

それでも数百キロに達する岩を掘り起こし、動かせるという仁王の存在は掘削工事における革命となった。

実際に工事現場に投入された結果、仁王参式にも数々の不具合や損耗による故障なども続出した。

しかし、現場に簡易整備場を建ててサポートした技術者たちによって整備・改善が進められている。

こうして蓄積された情報が後継機となる仁王()式へと反映されることによって、更なる発展が続いていくことになる。


余談だが主要な機種名とその型式が数字で加算されていくという様式は、時代に則したネーミングセンスが欠如した静子の薫陶(くんとう)を受けた技術者によるものだ。

横文字が当たり前の時代に生きた静子は、油断すればドイツ語や英語由来の名前を付けようとするため、戦国時代の人々にはどうしても馴染まない。

少しでも自分達が生み出した機械が、それを利用する人々に愛され受け入れられて欲しいと願う技術者たちによる苦肉の策がこの命名規則であった。


「こうして仕事を再開すると、自分が居なくても世間はどんどん進んでいくのが判るなあ」


当然のことだが静子が立ち止まっていた間も、世間は着実に前進していく。

そうなるように種を撒いたのは他ならぬ静子であり、一度芽吹いた種は静子が居なくとも成長を止めることはない。

成長結果を予見して適切な世話をしてくれる人が居なくとも、成長速度の差はあれど生物は自分自身を成長させる力を持っているということを痛感させられた。


「私も置いていかれないよう、頑張って遅れを取り戻さないとね」


静子は一つ気合を入れると、まずはこれからだとでも言うように書類の山へと手を伸ばした。







勢いに乗って仕事をしている時に限って、妙な騒動に巻き込まれる。そんなジンクスが自分にはあるのでは? と静子が思うほどに現在の状況は混迷を極めていた。

彼女の前には荒縄で両手を後ろ手に拘束された少女が二人座らされていた。少女たちは腰縄を打たれ、その縄の先端は屈強な兵士が握って(にら)みを利かせている。

才蔵は静子の護衛を自認しているため常に傍に控えているが、騒動を聞きつけて野次馬しにきた長可と慶次も加わり、更には復帰前の静子の様子を見に来ていた足満までが揃い踏みしていた。

少女たちにとっては領主の前に引っ立てられたと言うだけでも恐慌に陥る寸前だと言うのに、更には四方から名立たる武人による無言の圧力を加えられ窒息しかけた金魚のように口をパクパクするだけの哀れな状況だ。


「えーと、状況を整理するね。そこの二人が物陰に隠れるようにして何かを取引していたため、ご禁制の品を持ち込んでいるかと踏み込んだところ、妙な文書が出てきたので連れてきたと?」


確認するように問い返す静子に対して、兵士たちは直立不動の姿勢で肯定する。そもそもご禁制の品が取引されていたとして、その処遇を巡ってわざわざ静子の判断を仰ぎに来ることなどあり得ない。

禁制品ごとに処置と量刑は定められており、本来ならば町奉行相当の役人の権限に於いて彼女達は取り調べを受けた上で処断されているはずだった。

それらを一気に跳び越えて領主たる静子の処まで事案が持ち込まれているのだから、出てきた文書とやらが相当に厄介な品物だと言うことが予測される。

静子としては本調子でないときに厄介ごとは勘弁して欲しいと思うのだが、間諜の可能性があると言われれば国防という観点からも見過ごすことはできなかった。


「没収した文書を詳細に調査しましたが、見た事もない様式で文字やら絵やらが羅列されておりました。何らかの情報を我が国から流出させんとする暗号かと推測しましたが、解読は依然として進んでおりません」


「そんな変わった様式の文書なんだ? なになに、墨で着色されてはいるが筆によるものではなく、鋭い何かで引っ掻いたような細かい文字が書かれていたと……」


現時点で最も流通している筆記用具は筆である。庶民たちが木片に墨で直接文字を書き付けることはあるものの、報告によればもっと繊細な線で描かれているとある。

暗号については暗部を担う足満自身が才ある者を集めて教育し、更には足満が知り得る限りの暗号方式を伝授した暗号取り扱い専門の部署ですら皆目見当がつかないという。

尤も暗号というのは当事者間同士で取り決めた約束事に従えば、意味が取り出せるという性質のものであるため、どうしても暗号作りと解析はいたちごっこの関係となる。

それでも同じ文化を共有する日本人である以上、突飛も無い暗号を作り出せる才能を持つ者は限られ、大抵は先人の作り出したセオリにー沿っているため解読の糸口ぐらいは掴めるものだった。


「そこまで内容が掴めない暗号ってのは気になるね。少し見せて貰えるかな?」


暗号と言えば狸のイラストが添えられた『た』抜き言葉や、栓抜きの『せん』抜き言葉など、なぞなぞの域を出ないものしか思い浮かばない静子が見たところで理解できるとは思えないが、話題の暗号を読んでみたいと思った。

静子の要望はすぐに叶えられ、(くだん)の暗号文書が彼女の前に差し出された。毒物検査などもされたようで、文書の一部が切り抜かれた後で貼り直された痕跡があった。

文書という言葉から何となく一枚の紙きれを想像していたのだが、目の前に置かれているのは装丁の施された和綴じの本であった。

確かに本となれば文章量が多くなり、必然的に解析に時間がかかるというのも頷ける。しかしそれだけにヒントとなる素材も多くなり、手掛かりは逆に多くなるのが自然だろう。

そして兵士たちが報告してきたように、筆とは異なる筆致による文字や絵が不規則に書き込まれているのが見て取れた。そしてその線は静子の知る万年筆による筆跡とよく似ていた。


「ふーむ……確かに特殊な筆記用具を使っているようだね。それで内容は……」


そうして静子が本格的に内容を読み始めると、周囲の男性たちも博識な静子ならばと期待を寄せた。

何かしら進展があるのでは無いかと皆が期待を抱いている中、拘束されている少女二人だけがこの世の終わりであるかのような表情を浮かべて天を仰いでいた。


「……」


戦国時代に身を置いて長く年月が経過し、文字は縦書きで右から左に読む習慣がすっかり定着していた静子だが、この文書はどうやら左から右へと読み進め、更に上から下へと読んでいくのだと言う法則に気が付いた。

本を最終頁から開き直して、その順序で読み進めていくと程なくして静子は己の失策に気が付いた。


(これは暗号じゃない。ただの十八禁同人誌だ。しかも両刀……)


この時代には珍しく大きめの挿絵が添えられた小説形式の内容であり、序盤を読んだ限りでは年若い武家の当主がお家断絶を機に家を離れ、気ままに日ノ本を旅するというものだ。

そこで目にした風物を楽しみ紀行文のような体裁で描かれているのだが、ひとたび宿場に着くなり色事へと内容が変わる。

行きずりの旅人と一夜を共にすることもあれば、茶屋の看板娘との熱いロマンスが描かれたり、屈強な牢人に組み伏せられたり、逆に美少年を組み伏せたりと……言った衆道的な展開までが拙いながらも凄まじい熱量を以て描かれていた。

盛大に肩透かしを食らった脱力感からため息を吐きそうになった静子だが、やはりその物語を紡いだ筆記用具が気になった。


「……この二人の持ち物にガラスか金属で出来た細長い棒状の物は無かったかな? 恐らく先端が尖っていて溝が刻まれていると思う。後は墨汁のようなものを入れた容器。それを探してきて」


「はっ」


静子はせめてもの情けとして同性である彩に二人の私物を探るよう命じた。程なくして彩が二人の荷物から、静子が指定した品物を探し出して持ってきた。

硬筆を知らない彩には何に使うのか想像できないようだが、静子から見れば一目瞭然の代物だった。一切の装飾が省かれた実用一点張りの無骨なデザインのガラスで出来たペンがそこにはあった。

先端が欠けないように配慮してか、布でぐるぐる巻きにされてはいたが、使用された痕跡が墨の跡から(うかが)える。


「二人とも、今から私が訊ねることに正直に答えるように」


「は、はい」


「先に言っておくと、私はこれが暗号では無くどういうものか理解しました。書物について咎めない事を約束した上で聞きます。質問に答えないのは自由だけれど、私という理解者が敵に回るということは覚悟しておいてね」


やや過剰に脅した上で二人の顔を見つめると、二人とも蒼白な顔色のままがくがくと何度も頷いた。

静子が先に明言した通り、文書自体には倫理的にはともかくとして問題はない。筆記用具として用いられたガラスペンの存在が大きな問題となるのだ。


「単刀直入に聞きます。これは何処で手に入れたの?」


質問を口にしながら静子は、ガラスペンを二人に見えるように突き付けた。

ガラスペンとは佐々木定次郎という風鈴職人が1902年に考案した筆記用具である。

ペン先に刻まれた溝によって毛細管現象が発生し、インク壺にペン先を浸せば自動的にインクが補充されるというものだ。

金属製のペン先を持つ万年筆とは異なり、上下左右のどの方向へもペンを走らせることが出来る等の利点もある画期的な発明品だ。

専用のインクというものも必要なく、墨汁や水彩絵の具など水溶液の(てい)をなしていれば何でも利用でき、ボールペンが普及するまでの間、日本に於いて事務用品として重宝された逸品だった。

素材にガラスを用いているため衝撃に弱く、先端が摩耗すれば修理も容易ではないという問題があるものの、その滑らかな書き味は素晴らしく、現代ではペン先を交換できる方式のものも存在する。


当然ながら静子はガラスペンの存在を知っていた。というよりもこれの製法を伝えたのは他ならぬ静子だ。

故にガラスペンの現物がここにあるのは別段不思議ではないのだが、ガラスペンは未だ市場に(・・・・・)流通していない(・・・・・・・)という状況を加味すると事情が変わる。

本を一冊書き上げてしまえる程の完成度の現物がありながら、市場に出回っていない理由。それはガラスペンの製造を伝えた職人が尾張ではなく長浜に拠点を構えているためだ。


「実家の遣いで今浜(現在の長浜)を訪れた折に、怪しげな露天商より買い求めました。怪しげな風体の商人だったのですが、まるで妖術のようにするすると文字が書ける様子と、それほど高価では無かったので……」


震えながら身を寄せ合っている二人の内、年かさの少女が口を開いて購入した経緯を明らかにした。

嫌な予感程良く当たるもので、彼女の証言を聞き終えた静子は目元を手のひらで覆って天を仰いだ。これは自分だけの裁量で済ませる範疇を越えてしまったと知って軽く頭痛がした。


「どうした静子? 禁制の品だと言うなら現物を取り上げ、流通にかかわった奴を皆殺しにすれば済む話じゃないのか?」


思い悩む静子の様子が気になった長可が乱暴な解決策を口にした。サラリと自分達も殺すと言われた二人は、青を通り越して蝋のような顔色になっている。

一つ重いため息を吐いた静子は、二人の少女を残して人払いするように命じた。二人の身柄を足満に引き渡した兵士たちが立ち去り、室内には側近だけという状況になった。

周囲から人気(ひとけ)が絶えた事を気配で察した才蔵が頷くのを待って、静子が口を開いた。


「良かったというべきか、悪かったというべきか。これは羽柴様が今浜の名産品として売り出そうとしておられるガラスペンの試作品だと思う」


「……」


静子から告げられた衝撃の事実に耐えきれなかったのか、少女二人は卒倒して倒れ込んでしまった。

すかさず二人の首筋に手を当てて脈拍を診ていた足満だが、呼吸に異常がないため二人をその場に寝かせると静子の方へと向き直った。


「ここしばらく羽柴様は不手際続きで、上様に良い報告が出来ていないんだよね。播磨では赤松氏の抵抗に手を焼いているし、今浜の経済状況も戦費が嵩む状況を考えると心もとない」


静子が言うように、近頃の秀吉は鳴かず飛ばずという状況が続いていた。播磨侵攻では功を焦ったが為に赤松一族の反乱を許し、摂津すら反織田の勢力に取り込まれてしまった。

一時は荒木(あらき)村重(むらしげ)も呼応するような怪しい動きを見せていたのだが、幸いにして彼が反旗を翻す事はなかった。

そこには石山本願寺が信長に屈したという状況の推移が多分にあり、秀吉の奮闘に依るものではない。


播磨侵攻に於いて何の成果も得られなかった秀吉は、彼の所領である今浜の経済状況をもひっ迫させてしまっていた。

元々借金経営をしていると言うのに、無理を押して戦費を捻出したため資金繰りに行き詰まっていたのだ。

静子が後押しするガラス製品が無ければ今浜は織田領の中でも最貧地域へと落ちてしまっていたかも知れないほどだ。


焦った秀吉は更なる失策を重ねてしまう。その最たるものが街道整備であった。領地の街道整備は織田家が推奨する事業であり、いずれ手を付けねばならない課題ではある。

街道整備といったインフラ事業は例外なく巨費を要するが、その投資効果が得られるようになるまで時間がかかる。

それにも拘わらず秀吉は東国征伐後の人々の移動を見込んで、東国から関ヶ原を通り今浜経由で京へと向かう主要ルートの整備に乗り出した。

ここだけならばそれほどの痛手とはならなかったのだが、関ヶ原から今浜へ向かう道と並行して関ヶ原から米原へと向かうルートにも手を付けてしまったことが致命傷となった。


秀吉の目論見では米原から長浜へと北上する人の流れが生まれるはずであった。関ヶ原から米原へと道が繋がった途端に、今浜を経由せずに直接安土へと南下するような流れが出来上がってしまったのだ。

大金を費やした挙句に領地に落ちる金を少なくしてしまうという大失態を演じた秀吉は、秀長を通じて静子へと再び相談を持ち掛けた。

何か即効性のある施策を講じねば年を越せないまでに追い詰められた秀吉に静子が授けたのがガラスペンだった。

既に今浜はガラス製品を手掛ける工房が多くあり、高級品のガラス製品は京でも好評を博している。その技術力を活かせる画期的な商品がガラスペンだ。

情報管理の重要性を理解している信長が手にする報告書の多くは未だに毛筆によって記述されている。

しかし、毛筆ではどうしても記録面積に対する一文字辺りが占有する領域が多くなり報告書の枚数が嵩むのだ。

情報を記録して長期間保存できるだけの質を保った紙は高価であることを考慮すれば、潜在的な需要はどれ程になるか計り知れない。


「そこで実用品としてのガラスペンと、芸術品として最高級のガラスペンを上様に献上し、それを織田領内に大々的に流通させることで経済の復活を図ろうとされていたの。そこに来て試作品が流出してしまったらどうなるかな? 日ノ本一番がお好きな上様は他人の手垢が付いた商品を欲しがるかしら? まあ、実用品の方に関しては実利を取られるでしょうけども」


憐憫(れんびん)を含んだ視線を未だ意識を取り戻さない二人に向ける静子に対し、そんなことはあり得ないと言える者はいなかった。

既に背水の陣状態の秀吉にとって、このガラスペンは失敗することの出来ない商品だ。それだけに試作品が流出してしまった等という不祥事は何が何でも認めることが出来ない。

最悪の場合は二人を亡き者にしてでも口封じを図り、協力者たる静子に対しても沈黙を保つよう要請するだろうことは想像に難くない。


「このままだと私には二人を庇うだけの名分がない。引き渡しを求められれば、応じる以外に手がないよね」


「……」


「可哀想だけど知らなかったでは済まされない。実際に試作品が横流しされたというのは、羽柴様の不手際でありこの二人には何の落ち度もないけれど、人の口に戸を立てられない以上は……」


静子が語る二人の行く末はどう考えても愉快なものとはなり得なかった。身なりも小綺麗なうら若い少女が無為に命を散らす様など静子でなくとも人の情を持つ者ならば見たくはあるまい。

当の二人は気を失っているし、その二人を哀れに思う者は二人を救う手立てが思い浮かばず暗い表情を浮かべていた。

皆が押し黙ってしまい重い空気が満ちた処で、静子が大きく柏手を打った。


「とまあ最悪の状況としてはそうなるんだけれど、見た事もない商品に価値を見出し使いこなして見せた才女をむざむざ死なせるのは惜しいよね。何とか出来そうな手立てがあるんだけど、皆一枚噛まない?」


どん詰まりの状況を打開すると言う静子の秘策を遮ろうと言うものはこの場に居なかった。


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  • 最終掲載日:2019/11/23 07:00
淡海乃海 水面が揺れる時

戦国時代、近江の国人領主家に男子が生まれた。名前は竹若丸。そして二歳で父を失う。その時から竹若丸の戦国サバイバルが始まった。竹若丸は生き残れるのか? 家を大きく//

  • 歴史〔文芸〕
  • 連載(全252部分)
  • 10489 user
  • 最終掲載日:2019/11/10 00:12
薬屋のひとりごと

薬草を取りに出かけたら、後宮の女官狩りに遭いました。 花街で薬師をやっていた猫猫は、そんなわけで雅なる場所で下女などやっている。現状に不満を抱きつつも、奉公が//

  • 推理〔文芸〕
  • 連載(全229部分)
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  • 最終掲載日:2019/09/12 07:54
私、能力は平均値でって言ったよね!

アスカム子爵家長女、アデル・フォン・アスカムは、10歳になったある日、強烈な頭痛と共に全てを思い出した。  自分が以前、栗原海里(くりはらみさと)という名の18//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全440部分)
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  • 最終掲載日:2020/01/07 00:00
ありふれた職業で世界最強

クラスごと異世界に召喚され、他のクラスメイトがチートなスペックと“天職”を有する中、一人平凡を地で行く主人公南雲ハジメ。彼の“天職”は“錬成師”、言い換えればた//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全370部分)
  • 11164 user
  • 最終掲載日:2020/01/04 18:00
謙虚、堅実をモットーに生きております!

小学校お受験を控えたある日の事。私はここが前世に愛読していた少女マンガ『君は僕のdolce』の世界で、私はその中の登場人物になっている事に気が付いた。 私に割り//

  • 現実世界〔恋愛〕
  • 連載(全299部分)
  • 13209 user
  • 最終掲載日:2017/10/20 18:39
とんでもスキルで異世界放浪メシ

■2020年1月25日に書籍8巻発売決定! ドラマCD第2弾付き特装版も同時発売! 本編コミック5巻と外伝コミック3巻も同日発売。■ 《オーバーラップノベルス様//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全502部分)
  • 14961 user
  • 最終掲載日:2020/01/06 23:55
八男って、それはないでしょう! 

平凡な若手商社員である一宮信吾二十五歳は、明日も仕事だと思いながらベッドに入る。だが、目が覚めるとそこは自宅マンションの寝室ではなくて……。僻地に領地を持つ貧乏//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 完結済(全205部分)
  • 14229 user
  • 最終掲載日:2017/03/25 10:00
蜘蛛ですが、なにか?

勇者と魔王が争い続ける世界。勇者と魔王の壮絶な魔法は、世界を超えてとある高校の教室で爆発してしまう。その爆発で死んでしまった生徒たちは、異世界で転生することにな//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全555部分)
  • 14213 user
  • 最終掲載日:2018/11/25 01:03
転生したらスライムだった件

突然路上で通り魔に刺されて死んでしまった、37歳のナイスガイ。意識が戻って自分の身体を確かめたら、スライムになっていた! え?…え?何でスライムなんだよ!!!な//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 完結済(全303部分)
  • 14710 user
  • 最終掲載日:2016/01/01 00:00
異世界のんびり農家

●KADOKAWA/エンターブレイン様より書籍化されました。  【書籍六巻 2019/09/30 発売中!】 ●コミックウォーカー様、ドラゴンエイジ様でコミカラ//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全595部分)
  • 12257 user
  • 最終掲載日:2019/12/31 17:33
生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい

エンダルジア王国は、「魔の森」のスタンピードによって滅びた。 錬金術師のマリエラは、『仮死の魔法陣』のおかげで難を逃れるが、ちょっとしたうっかりから、目覚めたの//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 完結済(全221部分)
  • 10462 user
  • 最終掲載日:2018/12/29 20:00
Knight's & Magic

メカヲタ社会人が異世界に転生。 その世界に存在する巨大な魔導兵器の乗り手となるべく、彼は情熱と怨念と執念で全力疾走を開始する……。 *お知らせ* ヒーロー文庫//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全161部分)
  • 11750 user
  • 最終掲載日:2019/08/19 12:59
無職転生 - 異世界行ったら本気だす -

34歳職歴無し住所不定無職童貞のニートは、ある日家を追い出され、人生を後悔している間にトラックに轢かれて死んでしまう。目覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。どうや//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 完結済(全286部分)
  • 11643 user
  • 最終掲載日:2015/04/03 23:00
人狼への転生、魔王の副官

人狼の魔術師に転生した主人公ヴァイトは、魔王軍第三師団の副師団長。辺境の交易都市を占領し、支配と防衛を任されている。 元人間で今は魔物の彼には、人間の気持ちも魔//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 完結済(全415部分)
  • 11118 user
  • 最終掲載日:2017/06/30 09:00
賢者の孫

 あらゆる魔法を極め、幾度も人類を災禍から救い、世界中から『賢者』と呼ばれる老人に拾われた、前世の記憶を持つ少年シン。  世俗を離れ隠居生活を送っていた賢者に孫//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全163部分)
  • 9557 user
  • 最終掲載日:2020/01/05 11:11
聖女の魔力は万能です

二十代のOL、小鳥遊 聖は【聖女召喚の儀】により異世界に召喚された。 だがしかし、彼女は【聖女】とは認識されなかった。 召喚された部屋に現れた第一王子は、聖と一//

  • 異世界〔恋愛〕
  • 連載(全104部分)
  • 9735 user
  • 最終掲載日:2020/01/01 00:00
デスマーチからはじまる異世界狂想曲( web版 )

◆カドカワBOOKSより、書籍版18巻+EX巻、コミカライズ版9巻+EX巻発売中! アニメBDは6巻まで発売中。 【【【書籍版およびアニメ版の感想は活動報告の方//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全659部分)
  • 12436 user
  • 最終掲載日:2020/01/05 18:00
異世界居酒屋「のぶ」

古都の路地裏に一風変わった店がある。 居酒屋「のぶ」 これは、一軒の居酒屋を巡る、小さな物語である。

  • ローファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全219部分)
  • 9711 user
  • 最終掲載日:2019/10/16 20:38
公爵令嬢の嗜み

公爵令嬢に転生したものの、記憶を取り戻した時には既にエンディングを迎えてしまっていた…。私は婚約を破棄され、設定通りであれば教会に幽閉コース。私の明るい未来はど//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 完結済(全265部分)
  • 12827 user
  • 最終掲載日:2017/09/03 21:29
おかしな転生

 貧しい領地の貧乏貴族の下に、一人の少年が生まれる。次期領主となるべきその少年の名はペイストリー。類まれな才能を持つペイストリーの前世は、将来を約束された菓子職//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全267部分)
  • 11593 user
  • 最終掲載日:2020/01/07 07:00
骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中

 オンラインゲームのプレイ中に寝落ちした主人公。  しかし、気付いた時には見知らぬ異世界にゲームキャラの恰好で放り出されていた。装備していた最強クラスの武器防具//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 完結済(全200部分)
  • 9385 user
  • 最終掲載日:2018/07/16 23:00
異世界薬局

研究一筋だった日本の若き薬学者は、過労死をして中世ヨーロッパ風異世界に転生してしまう。 高名な宮廷薬師を父に持つ十歳の薬師見習いの少年として転生した彼は、疾患透//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全113部分)
  • 11030 user
  • 最終掲載日:2019/09/16 14:33
転生して田舎でスローライフをおくりたい

働き過ぎて気付けばトラックにひかれてしまう主人公、伊中雄二。 「あー、こんなに働くんじゃなかった。次はのんびり田舎で暮らすんだ……」そんな雄二の願いが通じたのか//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全426部分)
  • 9646 user
  • 最終掲載日:2020/01/01 12:00