『駆除人10巻~変わりゆく異世界篇~』発売します!

2019年 05月24日 (金) 21:17

『駆除人10巻~変わりゆく異世界篇~』発売します!

最終巻です!
作者としてはよくこんなに出たなぁ、という感じです。
読者の皆さんと、出版社の方たちには感謝しかありません。
とはいえ、買ってください!

書き始めた2015年当初、日本の作品て、なぜか社会とか環境をすっ飛ばして個人と世界の話が多いな、と思ってました。今でも政治的なことは個人的なことなので、別に話すようなことでもない、というのが主流な気がします。
芸能界のあれこれの方が目についちゃいますよね。
自分の会社のことや人間関係で悩む人も多いけど、「やめれば」と「頑張れ」というだけです。それじゃあ、あんまり救えないですよね。別に、救いたいとか思ってないですが。

で、ネット小説を読んでいるのが、3、40代の所謂、就職氷河期の世代というのが耳にしたんですね。てことは、読者は童貞や処女ではないだろうことは予測できたんで、ネットで小説書くなら、ターゲットはそういう層を狙おうと思ってました。
誰と誰がカップリングして「谷間最高!」「太ももの絶対領域!」とひたすら言い続ければ、自分たちの社会とか環境を考えなくて済むし、人生楽じゃないですか。
ただ、なんか知らないうちに、取り巻く環境とか田舎のヤバさとかが漏れ出してきているのは気づきますよね。
さらに、無農薬を推進している人たちから「駆除」という言葉を使わないようにしよう、とか言うのも目にしました。
大人の事情があるのだろうな、という目で見ていましたが、害獣や害虫の被害にあっている農家さんがある中で、よくそんなこと言えるな、という気分にはなります。大人の事情ってなんだよと思って調べると、農協や天下り先が出てきますしね。(この話で自然農法とかも出てきますが、できるだけリアリティのあることを書いたつもりです。ノーフォーク農法だけじゃなくて、遺伝子組み換えをしているからとか、無農薬だからとかでもなくて、よくバカにされている「意識高い系」の本をよく読み、有識者に会いに行ったり、講演を聞いたり、調べながら書いていたので、時間がかかりました。土については結構、調べた気がします。)

で、誰かそういうのを書かないのかな、と思ってました。
本のランキングとか見てると、社長本と占いと、アイドル本が売れているので、社会とか環境の話とか興味なんてないですよね。
でも、まぁ、誰も書かないなら、自分が書くかと思って、流行ってる異世界系と絡めて書くことにしたんです。
異世界ですから、RPGゲーム、つまりデータとの違いをいかに描くかを考えたんですよ。そうするとセックスがあって突然変異と新種に行きつきますよね。ここらへんで設定が固まっていった気がします。童貞には伝わらないでしょうが、狙ってないので、経験値の設定はこうなりますよね。
単純に自分の作品が流行らなくても、誰かが主人公の名前を調べたときにちゃんとした社会学者に行きつくように、という思いを込めて、主人公の名前は付けました。
で、現状で駆除という言葉をなくそうとかいうのも、ヤバいなと思って、『駆除人』というタイトルにしました。鹿が増えすぎるとアメリカの南西部みたいなことになりかねないのにマジかよ、と思ってます。あと、自然保護の観点からとか言って、間伐しないで地滑り起こしてるのもヤバいので、頭の悪い奴に権力持たせるなよ、と思ってます。データ改ざんしている見栄っ張りばっかりじゃ、本当に困るじゃないですか。
長いタイトルが多いので、逆張りで短いタイトルがいいだろうと、あえて付けました。もちろん、猫を虐待して殺している駆除人とかいう人たちも調べましたが、そんな人たちのせいで駆除業者の印象が悪くなると困るし、ペット業界の闇も含めて伝わる人に伝わるように、という思いを込めましたね。

一巻部分でネタフリを終えて、あとは好きに書いていきました。
30歳を超えているような人たちに向けていますから、絶対悪よりも善人面してヤバいことしている人たちを敵にした方が身に染みるんじゃないかと思って、精霊を敵にしたのはよかったなと思います。名前とか権威に騙されて崇めててもしょうがないですからね。
途中、現代におけるヒーロー像を探ったりもしていました。
インフルエンサーたちの周辺がなぜか新興宗教っぽくなるのは見ていて気持ちのいいものじゃないので、カッコよさとかよりも、ダメなんだけどやることやる人の方があってるな、と思います。あと、主人公はアラサーなので、お金の大切さと汚さを知っていた方がいいだろう、とか考えてました。あんまり汚い使い方はしなかったですね。作者の器が足りないのだと思います。

2巻で道路公団を使ったのは、小室直樹が田中角栄を擁護していたのと繋がって個人的にはよかったです。
あと、農家をやっている読者さんたちの感想には、救われました。

最後の方、どんでん返しで世界樹で亡くなったエルフのお兄さんが主人公を殺しにくるような話とかセスが裏切る話とかも考えたのですが、アイルとか闇の精霊とかが暗躍して主人公の知らないところで解決しちゃって、主人公まで辿り着かないので止めました。最後まで主人公が見えている景色しか書きませんでしたね。

だいたい、そんな感じです~。

あ、新しく
『魔境生活』https://ncode.syosetu.com/n7171ey/
『レベルアップの音が聞こえない』https://ncode.syosetu.com/n5296cv/
も書いています。

今年は、あと二、三作書かないとタイムスケジュール的にいろいろ間に合わないので、頑張ります。
とりあえず、『駆除人』が終わってよかったです。
コミック版もよろしくお願いいたします!

コメント

すごく面白かったです。展開の速さと話の多彩さ、あとリアルな人間関係にすごく惹かれました
環境の話とか知らないことが多かったです、あと勇者のあり方やその結果が様々で読んでて飽きなかったです
漫画を買わせてもらったんですけど、やっぱり小説の方が好きでした
私自身は20代ですねけどめっちゃ刺さりました
みね  [ 2019/12/24 22:59 ]
そういうことだったんですね。環境のバランスやら農業のあり方やら勉強になるなーと思って読んでいました。
みーこです  [ 2019/11/24 12:53 ]
いやあ面白かった。とても構成が練られていてストーリーのテンポも心地良く、社会問題にも鋭く切り込んでましたね。
因みに作者さんの思惑通りのアラサーですわw
groovy16  [ 2019/10/01 06:18 ]
簡潔おめでとうございます。最後までテンポがよい作品で飽きず、大変面白く拝読いたしました。
書籍の方もチェックいたします。
さいもん  [ 2019/07/12 00:20 ]
お疲れさまでした
大好きな作品に出会えてよかったです
他の作品も楽しみにしております
bikkusu  [ 2019/06/03 17:01 ]
完走おめでとうございます。
10巻に「完結」の文字がなかったので、「もしかして・・・」と思ってましたが、webと同じところでちゃんと終わるんですね。

1巻から読み続けてきましたが、一番印象的なところは話の展開の速さです。
 場面展開が早く、内容の濃さを感じながら読めました。読んでいて気持ちがよかったです。また、10巻という区切りもいい。飽きる前に読み切れる。
 コミカライズのほうはどこまでついていけるかわかりませんが、他作品では引き続き追っかけさせていただきますので、これからもよろしくお願いします。
 
ガマ仙人  [ 2019/06/01 20:12 ]
一気に読み終えてしまいました。非常に良い。大人向け。また読み返します。
groovy16  [ 2019/05/26 13:53 ]
駆除人お疲れ様でした(^^)!
面白い小説が多く、読みが追いついていませんが、他のも読みたいと思います( ^ω^ )
執筆頑張って下さい!٩( 'ω' )و
星健  [ 2019/05/25 19:55 ]
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