オーストラリア森林火災

 ニュース等ではあまり報じられていないが、昨年9月にオーストラリア各地で発生した森林火災が未だに鎮火せず、それどころか更に被害が拡大しているらしい。

 この火災は、例年10月から3月の間、テルペンという引火性物質を代謝するユーカリの葉が、高温と乾燥に因って自然発火するというオーストラリア特有の気候メカニズムから発生し、ある意味では毎年恒例、日常茶飯事なのだという。

 しかし乍ら今回に限っては何時にも増して激しいようだ。これを単に「地球温暖化のせい」で片付けてしまうのは簡単だが、その原因につき、もう少し詳しく知る為には以下の説明が分かり易い。

  尚、「インド洋ダイポール現象」についてはこちら。

ja.wikipedia.org

 当該現象を強めた要因として「地球温暖化」が係わっている可能性は否めないが、何れにしてもこの火災により、これまでに525万ha(なんと四国の面積の約3倍に相当)を消失、23名が死亡し、数千人が避難を余儀なくされている。

 そして被害はこれだけに止まらず、カンガルーやコアラといったお馴染みの動物も大量焼死、コアラに至っては絶滅の危機と警鐘を鳴らす学者までいる程だ。

 ネット上には動物達の水をねだる愛らしい写真が溢れ、ともすればついつい「何としても助けなければ」と感情的になりがちだが、ここは冷静に「カワイイ」から大切なのではなく、それが現在豪州にしか生息しない希少な有袋類だからだと考えたい。

 さて、以下からはいつもの殆ど何の役にも立たない私見である。

 オーストラリアは今や環境問題で悪名高い化石燃料「石炭」の産出量が、世界第5位だという事はご高承の通りであるが、現オーストラリア政府は「地球温暖化」に否定的で更なる炭鉱開発を目指し、今回の災害はそれを選んだ国民の自業自得だと冷めた目で見る向きもある。

 片や世界第4位の石炭消費国である我が国にとって、オーストラリアは輸入先第1位、実に約63%も依存しているのも事実である。

 今後オーストラリアでは2月頃まで降雨が見込まれず、ニューキャッスルやヘイポイントといった石炭積出港が集中するNSW州の火災の被害が拡大し「フォースマジュール」でもディクレアしょうようものなら、日本の石炭火力発電所の稼働さえも危うくなるかも知れない。

 何はともあれ一日も早い鎮火が望まれるところである。

  尚、今回は、地球温暖化について語る意図は無く、また 偽善的に思えるので寄付の呼び掛けはしないが、一応オーストラリア赤十字等が受け付けている事だけ申し添える。

Disaster Relief and Recovery | Australian Red Cross 

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  • 森下礼 (id:iirei)

    ユーカリ、またその変種のティートゥリーは、アロマテラピーの分野では欠かせぬ樹木で、特に後者は、真菌(カビ)、細菌、ウイルスを殺菌する、汎用性のあるエッセンシャル・オイルです。その精油の樹木に含まれる豊富さが仇になるとは、とても口惜しいことです。

  • 風のかたみ (id:kaze_no_katami)

    森下礼 さん、こんにちは。
    決して肥沃では無く、高温、乾燥した土地で生き残って行く為、ユーカリは敢て燃えやすくなり、自ら焼き畑農業を行う仕組みを持った、という説もあるみたいです。
    コメントありがとうございます。

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