「教育熱心」な親は馬鹿が多い
それからあの手この手で息子が勉強に向かうよう手を尽くした。息子のゲームをしている姿を見守ってあげたり、時には厳しく叱って宿題が終わってからゲームをやるよう言い聞かせることもやった。
しかし、そのどれもが上手く行かないのである。息子に親の気持ちがわかるようにと、こちらも息子の宿題を手伝うこともあったし解らない問題に対しても『なぜ解らないのか?』と親身に2時間でも3時間でも子どもの宿題に付き合うこともやった。
それなのに息子の表情は全くやる気の無さそうな顔をしているからこちらも段々と焦ってしまい『もし宿題終わってもいないのに遊んでいたらゲームは没収だからな。』と子どもに対するしつけもひどくなってしまう。
そしてその日は遂にやって来た。息子が私を見かけるとまるで逃げるかのように自身の部屋に閉じこもるようになってしまったのである。そして息子の部屋に入ると、息子は私に隠れてゲームをやっていたことが分かった。
その態度に私はついに息子の持っていたゲームを取り上げ、息子が買って読んでいた漫画雑誌を目の前で破り捨てて見せた。
それからというもの、息子の私に対する態度は明らかなものとなり全く近づこうとも話しかけることも無くなった。私が家に帰るといつも自分の部屋にいることがほとんどとなり、こちらから気を向かせようと休日にはドライブに誘ったりおいしい食べ物を食べさせようと声をかけるのだが「行かない。」「いらない。」と素っ気ない言葉で返されるのが当たり前にまでなってしまった。
そしてある日私が家に帰ると息子がなんと親の貯金箱に手をかける姿を見てしまったのである。」と、ここまで長い話を話した後に「私の何処が間違っていたのでしょうか?」と最後に呟かれたのである。
このような教育熱心に自身の子どもを育てあげようとする親は何かと多い。塾や習い事、教室に通わせようとする親の姿が20年以上くらい前からほとんど変わっていないのが見てわかるだろう。ましてや「今は国際性が重要である。」からと英語の教材を自身の子どもに買い与えようとする親までもがいる。
これらの姿は一見、親の立場からしてみるとそのどれもが間違えているとは思えないものばかりだろう。しかしその愛情が子どもの心に響けば良いのだが、、、現実はなかなか上手くはいかないようである。
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