在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物の競売で、22億1000万円で落札した不動産投資業「マルナカホールディングス」(高松市)。今回の落札で一気に名が知られるようになったが、一体どんな会社なのか。
同社は、食品スーパーの多店舗展開で「瀬戸内の暴れん坊」の異名を取った地域経済の雄として知られる。
民間信用調査機関によると、マルナカホールディングスは73年設立で、年商は24億円規模(2011年6月期)。中国、四国地方を地盤に200店舗超の食品スーパー「マルナカ」を展開していたが、スーパー事業は11年秋にスーパー大手のイオンに約450億円で売却した。マルナカホールディングスは現在、投資業に特化してゴルフ場、ホテル、商業ビルなど不動産を中心に事業を展開している。
「マルナカ」の名は中国、四国地方で広く知れ渡っている。大正年間に中山政市氏が始めた青果問屋が源流。60年代にスーパー事業へ参入し、奉公からのたたき上げで養子になり、社長に就任した芳彦氏が岡山県への進出を果たした。芳彦氏は四国と本州を自家用ヘリコプターで往来して指揮をとり、急成長したマルナカは「瀬戸内の暴れん坊」として恐れられた。
現在の社長は芳彦氏の長男、明憲氏(56)。慶応義塾大卒業後に米国の大学院で経営学を学び、スーパーのライフコーポレーション勤務を経てマルナカ入り。28歳で社長に就任している。
関係者は「即断即決の人。柔道で鍛えた貫禄ある体格で、ブルドーザーのような迫力がある」とその人物像を語る。
同社の顧問弁護士は「所有権取得後は明け渡しの申し入れを行う」と強調。暴れん坊のDNAを受け継いだ同社の対応が注目される。