カクレクマノミの飼育は金魚を飼育するより簡単と私は考えています。
各メーカーの技術革新により、海水魚飼育セットや各飼育設備が充実したことで、コツさせ掴めば簡単にカクレクマノミを飼育することができるようになりました。
わたしがおすすめするこれさえあれば飼育できる最低限の飼育用品を解説していきます。
カクレクマノミをペアで飼育する場合、最低30センチ以上の水槽を用意しましょう。
イソギンチャクとの共生を楽しみたいたい方は、ろ過能力の高いオーバーフロー水槽を選ぶことをおすすめします。
水槽に合わせた推奨台を選びましょう。
外部ろ過器や水槽用クーラーを水槽台内に収納する際は、機器設置スペースとクーラーの換気を考慮し選定しましょう。
また、水槽台でなく下駄箱の上やラックの上に置くと耐荷重により扉の開閉に支障がでてしまったり、水槽に破損トラブルなど発生した際は、水槽メーカーの保証範囲外となりますので注意しましょう。
オーバーフローシステム
カクレクマノミだけでなく、海水魚飼育ではオーバーフローシステムが最もおすすめです。
ろ過能力が高いこと、カスタマイズがしやすいため。カクレクマノミだけでなくあらゆる海水魚を飼育することができます。当然水族館もオーバーフローシステムです。
外部ろ過システム
オーバーフローろ過システムの次におすすめなのが、外部ろ過器を使用したろ過システムです。
外部ろ過システムはろ過能力もそれなりにありますが、簡単に水槽クーラーや殺菌灯などの機材と接続できることが最大の特徴です。
外掛けフィルター
外掛けフィルター、またはワンタッチフィルターという名前のろ過システムです。
最大の特徴はコストが安価なことです。
ただし、ろ過能力が弱いためイソギンチャクなど強いろ過能力が必要な水槽には不向きです。
また、水槽用クーラーや殺菌灯をを接続することができないため別にポンプが必要です。
少々コストアップしますが、プロテインスキマーが内蔵された外掛けフィルターを使用すればろ過能力の問題はクリアできます。
なるべく、夏場は室温をエアコン管理して水温上昇を抑制しましょう。
1日8~10時間程度点灯させましょう。
照明の色合いですが、海を意識したブルーが混じるブルーホワイトか、カクレクマノミの体色が引き立つレッド色がおすすめです。
イソギンチャクを飼育する場合メーカーの商品特徴に、サンゴ育成可能と書いてある照明にしましょう。
昨今の夏場の暑さを乗り越えるには海水魚飼育の必需品である、水槽用クーラー。
予算が許すなら水槽用クーラーを導入することを強くおすすめします。
とくに、イソギンチャクやサンゴは高水温に弱いため、無脊椎動物を飼育する上では、ぜひ水槽用クーラーを導入しましょう。
弊社のおすすめは、ゼンスイ株式会社の水槽用クーラーです。
理由は、アフターフォローサービスが非常に良くその上価格もリーズナブルです。
ゼンスイ株式会社様のHPにクーラー選定計算式がありますので、それを利用して必要なクーラーをお探しください。
弊社にてクーラー選定から販売・取り付けまで対応可能です。
砂
海水魚専用サンゴ砂のなかでも、とくに細かいパウダーサイズをおすすめします。
砂を敷かないベアタンクでも飼育可能ですが、砂を敷くことで南国らしい雰囲気を演出することができるだけでなく、ベラやハゼなど砂を好む魚にとっても有意義でおすすめです。
ろ過材
ろ過材は、目詰まりが少ない粗め粒のサンゴ砂がおすすめです。
サンゴろ過材の特徴として、水質をアルカリ性に保ちやすい特徴を持っています。
酸性化しやすい水槽管理の中で、アルカリ性に戻してくれるサンゴろ過材は重宝できます。
人工海水
おすすめはナプコリミテッド社のリーフクリスタルです。
同メーカーからインスタントオーシャンも発売されておりますが、リーフクリスタルをおすすめします。使用していて、ライブロックに付着する石灰藻の量が全く違います。
設置だけでなく、水換え頻度も考慮し余裕を持って購入しましょう。
比重計
水槽の比重を計測する海水用品です。
はじめて海水魚を飼育する方は、簡易比重計を使用することをおすすめします。
安価ですが、問題なく海水魚を飼育できますしわたしは今でもこちらを使用しています。
予算的に余裕がある場合は、アタゴ社のデジタル比重計をおすすめします。
※下にスクロールしていただければ、海水魚・サンゴ水槽飼育管理の肝ともいえる、比重と塩分濃度についてやさしく解説しています。
水換え道具
水換えは、ホースとバケツがあれば問題ありません。
ホースは、アクアリウム専用の水換えホースを購入すると便利です。
バケツは、ホームセンターで水を入れやすいと思うバケツをいくつか購入しておけば、その後の水槽管理もスムーズにできます。
わたしは、イノマタ工業のなるほどバケツを愛用しています。
海水魚水槽やサンゴ水槽を管理する上で、比重を正しく管理し続けることはマストです。
比重を守るなんて初歩的な話とおもわれがちですが、比重を適正値で管理し続けることは意外にも難しいものです。
その証拠に、ハイレベルのサンゴや魚を管理しているベテランアクアリストで、サンゴの調子が今一つの場合、じつは比重が狂っていたというのはあるある話なのです。
ここでは、海水水槽の基本である比重について徹底的に解説していきます。
比重と塩分濃度は同じと認識されている方もいるかと思いますが、正確に言えば比重と塩分濃度は異なるものです。
比重とは一言で言えば人工海水の濃度、つまり塩の濃さと認識されている方が多いかとおもいます。
しかし、それは誤りです。
海水水槽における比重とは、水槽の水に溶け込んでいる成分量を指します。
つまり、カルシウムやマグネシウム、ストロンチウムなどの塩分以外のすべて成分が含まれるのです。
つまり、比重が低いということはカルシウムやマグネシウムなどの成分も低いことになり、魚やサンゴが調子を崩すこととなります。
比重が薄いと、カルシウムなどの添加剤を使用したところで全体の成分が低いので効果は発揮されません。
塩分濃度は1キロの水にどのくらい塩が溶け込んでいるかを、パーミル(‰)という値で表します。
天然海水の塩分濃度は、約30~35‰と言われています。
これを人工海水に換算すると、1ℓに対し30~35gの塩を融解させれば理論上自然界と同じ塩分濃度ができるということになります。
比重は水温によって変化するのをご存じでしょうか。
水温が低いと比重は高くなり、水温が高くなるにつれ比重は下がります。
この理屈を頭の片隅で覚えておき、水換えをする場合は水換えする水槽と同じ水温で人工海水を溶かして作るようにしましょう。
海水魚を中心として飼育する場合、比重は1,022~1,023程度を目安で構いません。
比重を平均値のなかでもやや下げ気味にすることで、水槽内の溶存酸素量が上がり好気性バクテリアも活性化します。
ただし、経験上比重を1.022以下まで落としてしまうと海水魚の体色が薄くなったり、エビやギンポ類は衰弱しやすいため注意しましょう。
高くなりすぎるのも要注意で、1,027以上となると餌を食べても痩せるなどと言った症状が顕著にでるため要注意です。
サンゴは、1,025~1,026がベスト比重です。
筆者の経験上、海水魚やサンゴが健全に成長できる比重範囲で一番高い値が1,026となります。
比重が高いとカルシウムなどのサンゴが育成に必要な成分が多くなるため、できるだけ高く維持すべきです。
一説には、サンゴが健全に育っている自然界の比重は1.027程度あるそうですが、水槽内で1,027をキープし続けるのは難しいです。
海水が蒸発することで、水槽内の比重が濃くなるからです。
このことから、1,025~1,026をキープすることが成功の肝と言えるでしょう。
予算が許すならRO水を使うことを推奨しますが、水道水でも管理できるというのが結論です。
一般的に水道水はリン酸やケイ酸などのコケの素が含まれていると言われており、ミドリイシなどの水質に敏感なサンゴを管理する場合はRO水を使用することが推奨されています。
しかし、日本の水道水レベルは非常に高く地域によってはほとんど検出されない場所もあるでしょう。
RO水の導入前に一度水換えに使用する水道のリン酸塩やケイ酸の値を確認し、検出されなければそこまでRO水に拘らなくても良いかとおもいます。
また、RO水の浄水器に使用するカーボンフィルターの一部はリン酸を生み出す恐れもあるのでよく確認してから購入しましょう。
大量換水する場合、水槽設置時だけRO水を使用するというのも有効な手段かとおもいます。
比重を適正にキープすることが成功の秘訣です
海水水槽の比重について解説しました。
筆者も海水魚やサンゴを飼育してもうすぐ20年を経過しようとしていますが、いまだに比重が狂うことがあります。
とくに、小型水槽の場合は水量が少ないことで蒸発による比重変化が大きいので、細かく確認する必要があります。
比重で失敗しないためには、ここで解説したことを遵守していただくと同時に、日々の比重チェックと水槽内の生物が元気にしているか観察することが大切です。
また、比重を計測する計測器がいつのまにか壊れているなんてケースも考えられますので、魚やサンゴが調子悪いけど比重は適正、他は何も問題ない場合でも、比重計が壊れている可能性も視野にいれておくようにしましょう。
もし、ここまで読んでも不安な方は、アクアレンタリウムの水槽レンタルサービスや、メンテナンスサービス、スポットメンテナンスサービスをご利用ください!
ご相談無料です。
それでは、楽しいマリンアクアライフをお過ごしください!!
アクアレンタリウム代表木下の・・・
日々のできごとから、ここでしか言わない㊙話まで!
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