海水魚飼育に最適な海水とは? 海水の種類・作り方・濃度・海水販売紹介

   

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海水魚飼育に最適な海水

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人工海水と天然海水

海水の中を泳ぐ熱帯魚

海水魚飼育において使用される海水には大きく分けて人工海水と天然海水があり、人工海水とは販売メーカーが海水の成分を分析し自然の海水に近づけた人工的に作られた海水で使用の際には粉末を水に溶かして使用します。

逆に天然海水とは天然の海水を採取し殺菌して販売している海水でそのまま使用できる製品があります。やはり天然に勝るものはないでしょうが簡単に手に入れることができ、使用方法や管理面でも勝手の良い人工海水を使用される方が多いようです。

海水の作り方

人工海水には多くの種類が販売されていますが、飼育スタイルや使い勝手、価格などを参考に自分にあったものを選ばれるといいとおもいます。

昔の人工海水はひどいものもありましたが、最近の人口海水は質の悪いものはほとんどなくなり、どれもさほど差はなくなってきていますので海水魚ショップで販売されている人工海水であればどれを使っても海水魚の飼育にあたっては問題ありません。

ただサンゴ飼育など水質に敏感な生態の飼育にあたっては価格の高めなサンゴ専用の人工海水を使用されることをお勧めいたします。

人工海水を作る際にはバケツを利用して作り、水槽内に少しづつ投入していくスタイルが理想ですので専用バケツなども用意されるといいでしょう。


海水の比重測定と塩分濃度

比重計

人工海水を使用する際には比重計で測定を行い、天然の海水の比重にあわせてあげる必要があります。

天然海水の比重は1.020~1.024程度とされていますので水槽内の海水濃度が正しいかどうかを比重計を使用して確かめることが海水魚飼育においては必要不可欠な作業となります。

比重計の種類にはポインタ式とボーメー式がありポインタ式比重計は正確に測定ができるのでより正確さを求める方にはポインタ式をお勧めいたします。

この比重は海水魚などの生態に非常に重要な要素で比重が濃い薄いは海水魚の体内の水分調整をする機能である浸透圧調整に影響を与えてしまいます。

比重が濃すぎると海水魚は体内の水分を確保するのが難しくなり、逆に薄いとその反対の状態になってしまいます。

サンゴは海水魚より一般的に比重に敏感とされており1.021~1.023が理想で特に比重の低い海水には弱い面がありますので注意してください。

海水魚の種類や状態にも左右されますが、比重が1.027を超えると海水魚は生きられなくなり、1.016以下でも体調を崩しやすくなってしまいますので足し水の際や換水の際の比重測定は欠かさず行うようにしてください。


食塩で海水は作れるか?

食卓塩

海水を作るのに食塩をいれればいいのでは?という疑問を誰しも一度はもったことがあるとおもいますが、天然海水とは塩分だけでなくさまざまな成分が溶け込んでおり、カルシウムやマグネシウムなど数十種類のミネラルが含まれています。

その栄養分を海水魚やサンゴ達は吸収し健康な状態を保っています。よって必要な栄養分が不足してしまう食塩では海水魚の飼育はできないのです。

海で汲んできた海水は使えるか?

天然の海水を汲んでくる際にも注意点があります。海で汲んできた海水はゴミや油膜が混ざっていなければ使用は可能ですが、濁りや黄ばみがある場合は使用を避けたほうがいいとおもわれます。

また海の水には目に見えないさまざまな生物が含まれていますので海水魚が病気になるリスクがあるのも事実ですので市販されているものは殺菌処理をおこなって販売されています。

この辺のリスクを理解されたうえで使用する分には天然の海水は非常にミネラル豊富で、なにより新鮮であることがサンゴや海水魚にいい影響を与えることは間違いありません。

水槽内の海水の交換目安と頻度

海水魚水槽でも淡水魚飼育と同じように水換え作業はつきものです。

閉鎖的空間の水槽の中では自然の海のように人の手を借りなくても自然のサイクルによって水質が安定していく事は難しく、どうしても人の手による水質管理が必要となってきます。

どんなに高品質な人工海水を使用してもやはり定期的な水換えをサボってしまっては海水魚に最適な海水とは言えません。良いものを常に良い状態に保つのも海水魚を長生きさせる秘訣ではないでしょうか。

それではどの位の周期で海水を交換したら良いのでしょうか?2週間に一回、3週間に一回?どの位のタイミングでどの位の量の水換えをしたら良いのかは意外と掴みにくいものです。

ましてや水槽立ち上げ初期などは全てが手探り状態で毎日不安と喜びが入り混じりながら海水魚の世話をしているものです。

水換えのタイミングは水槽の大きさや中に入っている生態の数や大きさ、ろ過能力など様々要因によって変わってくるのでひとくちにどの大きさの水槽でどれだけ水換えをすれば大丈夫と言い切るのは非常に難しいのです。

ただある程度の基準は欲しいものでもありますので大まかな基準として考えると60cmより小さい小型水槽では2週間に一度の割合で1/3〜1/2位の水換えを行い、60cm以上の水槽であれば1ヶ月に一度、1/4〜1/2程度の水換えをすればいいでしょう。

小さい水槽は水量が少ない為にどうしても水は汚れやすくなりますので短いスパンでの水換えが必要となり、水槽が大きくなるに連れ、水量も増えますので水質は変化しにくくなり水換えの周期も長くなるのです。

これはあくまでも目安であり水槽のサイズに対して海水魚が少なければ水換えの量やペースを落としても大丈夫ですし、逆に海水魚の数が多ければ水換えのペースは早くなります。

よって自分の水槽の状態を観察しながらどの位のペースや量で水換えをしていくことが適正なのかを早く掴むことが海水魚飼育を成功させるコツでもあります。



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