初投稿です。
5周年というなにかからなのか高まってしまった結果がこれです。
あと、グリマス内の「ゴールデンウィーク記念ドラマキャンペーン」の5日目をぜひ、聞いてください。
雨が強く、からだを打ち付ける。
ショウウィンドウに映る私を見る。
酷い姿だ。瞼は腫れ、洋服はびしょびしょ。
あの人に、こんな姿は見せられない。
あの日からどのくらい雨の降る夜が続いただろう。
どれだけ降っても雨が止むことはない。
そして、
私にカサを差してくれる人はもう、いない。
何の取り柄もない私に、虹色を塗ってくれたあの人、どんなに先が見えなくても、私の前を照らしてくれたあの人。
そんなあの人も、もういない。
歩いている道は同じなのに、独りだから、あの人がいないから、何かが、違う。
不意に、景色が見えてきた。海と街が見える。潮の香りも感じる。
静香ちゃんと翼の顔に、あの人の顔、ソースの匂いも思い出した。
そんな優しい思い出と、
あの日の、あの人の声が、聞こえてくる。
最後にあの人と話したことは、何だっただろう。
伝えたいことは胸の中に山ほどあるけど、
それだけが、思い出せない。
あの人と一緒に夢を追いかけた日々は、キセキは、今も、私の胸の中に輝いている。
歩いていこう。
あの人が信じてくれた道を。
たくさんの心残りもあるけれど、
どんな遠回りでも、行き止まりでも、前を向いていれば迷わないから。
私も、あの人が好きだと言ってくれた笑顔でいよう。
めそめそしていたって、トキメキは始まらないから。
胸にある素敵なキセキを歌に、そのときめきを歌おう。
奇跡も起こせるはずだから。
私のキセキが、あの人のところに届くように。
大空たかく虹を描ければきっと、届くはずだから。
―雨が上がればきっと、光射す。―