タイトル未定

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世界最高のアンチコメントを受理した


こんにちは、福山です。

 

2020年の幕が開けて4日が経ち、世間の盛り上がりも次第に落ち着いてきたが、僕はどうしても浮ついた気持ちが収まらない。なので、正月気分が抜けないことを証明してきた

 

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新年早々醜い顔面で皆様の眼球にダメージ、神経に損傷、脳にストレスを与えてしまい申し訳ない

 

そう言えば、この前のドーナツブログの反響を受けて、株式会社はてな様から直々にオファーを頂き、インタビューを受けてきた

 

「ミスタードーナツを救え」は“悔しさ”から生まれた。話題のブログを書いた大学生sora.Fさんに聞く、書くことへの熱いこだわり - 週刊はてなブログ

 

 

インタビューには僕の顔面も掲載されているので、先程の顔面テロで身体に損傷を受けた方は30年後にご覧下さい

 

 

そのドーナツブログが少しバズった後、僕の質問箱にこのようなコメントが寄せられた

 

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質問箱とは、匿名でフォロワーから質問を募集するサービスのことである。その質問箱に寄せられた福山の人生初アンチコメント

 

 

 

「顔面偏差値は48くらいで安心した」

 

 

 

何だろう、この妙にリアルな数字は

 

 

 

 

48

 

それは格別に低くもなく、かと言って平均に届くことはない絶妙なスコア

 

 

「15」や「22」ぐらいの、実際の偏差値として有り得ない数字ならまだ「チンパンジーが受けた模試かよ」もしくは「それ何進数?」ぐらいのツッコミをすることが出来ただろう

 

 

しかし無念かな、48という微妙な数字は全てのリアクションスキルを無化する効果を持つ。そう、例えるならそれはおみくじの末吉。それを引いたら最後、大抵の人間は「リアクション困るわ〜……!」と上ずった声を上げることしかできない

 

ふと横を見ると凶を引いた人間が「うわぁ凶!マジ無いわァ!マジで無いわァ!」と笑顔で叫び散らしている。嘘をつくなこのホラ吹き貝が。絶対内心オイシイと思ってるだろ

 

大体、大きな声で同じことを2回繰り返す時点で反対の感情持ってることがアピールされちゃってるわけ。もうダチョウ倶楽部の「押すなよォ!押すなよォ!」のフリと同じなんだよ。語尾が半角カナになってるんだよ

 

 

もういっそ、凶の方が良かったとまで思える。そんなリアクション殺しの末吉と同様、48も、相手の反応を封殺する恐ろしきマジカルナンバーだ。本当に不吉な数字は4でも13でも666でもない。48だ

 

 

 

 

 

「顔面偏差値は48くらいで安心した」

 

 

「顔面偏差値」と「48」という2つの概念を皿にのせ、リアリティという天秤が驚異的なバランスで釣り合っている。まさに神業

 

「ブサイクw」や「顔面キモw」といったボキャブラリーの乏しい単純な揶揄ではなく、「顔面偏差値」という明確な指標によって簡潔に定義された評価。それはもはや根拠の無い空虚な悪口というよりは実質を伴った批評に近い。もうアンチコメンテーターという専門的職業があっても良いのではないか。そう思わざるを得ない。上沼恵美子も震えて眠るだろう

 

 

 

 

「顔面偏差値は48くらいで安心した」

 

 

正直なところ、僕はブサイクであることを自覚しながらすこやかに育った。そのため、このコメントからは特に精神的なダメージは受けていない。自分の顔面には慣れてしまった。お正月の証明写真を撮った時もそうだ。何回撮影しても画面には「リュックサックの下の方でぐちゃぐちゃに押し潰されたメロンパン」みたいな顔面が表示されるので、そういうバグかと思ったほどだ

 

 

 

そんな醜態に見慣れた僕がアンチコメントに対して苦し紛れに出した回答がこれだ

 

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面白くない

 

 

絶望的に、面白くない

 

 

 

これがIPPONグランプリだったら恐らく出禁

何なら、全面黄色の部屋に閉じ込められ、テテテテテテン♪というリズムに合わせて迫ってくる壁で圧死させられる刑罰を受けるかもしれない

 

 

何がGHT48だ

 

そもそも「偏差値」はローマ字表記だと「HENSACHI」、すなわちGHC48になるはずだ。齢21にして余りにも初歩的な間違い。「チンパンジーが受けた模試の回答か?」あるいは「年齢21って何進数?」。そう尋ねたくなる。こうして面白くないだけでなく、知能指数が低いことも暴かれてしまった

 

相手を巧妙に殺傷するだけでなく、無傷の相手の浅薄さや無教養をも露呈させて自滅を誘う。圧倒的な力の差。偉大なアンチコメントの前では人は皆、無力

 

 

 

だが、このアンチコメントの特異な点は、思春期の男子高校生ぐらい異常発達したその攻撃性だけではない

 

 

 

 

 

「顔面偏差値は48くらいで安心した」

 

 

 

 

「安心した」

 

 

そう、このアンチコメントの鍵となるのは、「安心」という単語

 

単に相手の容貌を貶そうとする場合、「安心」という表現は生まれない。「顔面偏差値48ぐらいだな」。それで終わりだろう

 

では、「安心」という感情はどこから生まれたのか?

 

 

 

ブログだ

 

 

 

冒頭で、このコメントはミスドのブログがバズった後に寄せられた、と説明した

 

これは僕の推測だが、恐らくコメント主は、ミスドのブログを読んでその文章を評価した上で、「これでイケメンだったら嫌だな」と僕のプロフィールを覗いたのだろう。そして案の定ブサイクなのを確認した上で「顔面偏差値は48くらいで安心した」と質問箱にコメントをしてきたのだ。文章と顔面のギャップがもたらした、「安心」

 

すなわち、顔面を酷評する一方で、ブログは評価したという肯定の意が「安心」という単語によって暗に示されている。何という巧妙なアメとムチ。この閉塞した現代日本に、ここまでハイレベルな技術をもった女王様が存在しているという事実に、驚きを隠せない

 

この女帝に僕のアンチコメント童貞を奪われたことを、筆下ろし、もといキーボード下ろしされたことを、今後の人生で悔いる日は無いと、今ここで誓おう

 

 

さらに付け加えると、僕が最後にツイートで質問に答えたのは5月。Twitterのプロフィールに載せていた質問箱のリンクも削除していたため、コメントするためには少なくとも5月までツイートを遡る必要があった

 

つまり、コメント主は5ヶ月分のツイートをわざわざ遡って閲覧してくれたのである。愛。この世の全てを許す愛。48+5=53 。原子番号53の元素はヨウ素元素記号は I。そう、アイ

 

 

何というツンデレ。非常に鋭利なツンと、その背後に隠された壮大で寛容なデレ。僕はこのアンチコメントの背後に無限に広がるデレの宇宙を見た。それは全てを包み込む、デレギャラクシーだ

 

 

 

 

「顔面偏差値は48くらいで安心した」

 

 

そう。この一文には、リアリティを喚起する多彩かつ巧みな攻撃表現のみならず、アメとムチや隠しツンデレという技法までもが盛り込まれているのだ。もうこれは変則型の和歌として小倉百人一首の1つにカウントしても差し支えないだろう

 

 

          安     48     顔

          心     く     面

          し     ら     偏

          た     い     差

             で     値 

                   は

 

 

 

 

 

名文

 

世代を超えて語り継ぐべき名文が、僕の質問箱で産声を上げた。質問箱という助産師の助けを借りて、コメント主と僕のブログが出産したアンチコメント。父になったという実感はまだありません

 

 

 

 

もう株式会社アンチコメントを設立してはどうか。ノーベルアンチコメント賞という新たな部門を創始してはどうか。アンチコメン党という政党を結成してはどうか。他人の精神を、ぶっ壊す♪  そう感じさせてくれる、新進気鋭の表現であった

 

アンチコメントの可能性を、未来を垣間見た歴史的瞬間であった

 

 

 

僕はこのコメント主と食事に行きたい。そして言いたい。人類史上最高のアンチコメントをありがとう、と。大きな拍手を送りたい。日本の未来を託したい。アンチコメントの未来に、乾杯!

 

 

 

 

…え?報復が怖い?

 

いや僕はアンチコメントを言われたからって、別に怒ったりはしないよ!安心して!

 

うん、絶対怒らないよォ!僕は絶対に怒らないからねェ!