⒉ 米軍はこれまで標的殺害によってビン・ラーディン、アル=バグダーディーを殺害してきたが、両ケースは特殊部隊によるもので、アルカイダにしてもイスラム国にしても主権国家ではなかったものの、事実上交戦状態にあった。
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⒊ ドローンによる標的殺害については、オバマ大統領も随分とそれに依存してきた経緯がある。米軍の増派に消極的だったオバマにしてみると、とりうる数少ない軍事オプションだった。
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⒋ オバマは、自省の念からか、政権末期にはドローン攻撃に対する規制を強化し、透明性を高めて政権を去ったが、トランプ大統領はそれを大分緩和した。(このあたりの経緯については、https://www.lawfareblog.com/topic/targeted-killing-drones … を参照。)
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⒌ ビン・ラーディン、アル=バグダーディー殺害の場合とは異なり、ソレイマニ殺害の場合は敵対的な関係にはあったものの、交戦状態にはなかった主権国家の軍高官である。比較は難しいが米軍でいうなら中央軍司令官(もしくは統合参謀本部議長?)が殺害されたほどのインパクトがあるだろうか。
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⒍ そう考えるとイランは事実上の宣戦布告と受け止めざるをない(つまりなにもしないというオプションは考えにくい)。ドローンによる殺害と、特殊部隊による殺害だと印象は大分違うが、今回のケースは実質的には、第三国で米国が軍事力を行使して他国の軍高官を殺害したということにつきる。
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⒎ 他方、米国は急迫する米国に対する攻撃を未然に防ぐことにあったという理由を根拠としている。議論の分かれ目は、この急迫性、さらにソレイマニ殺害と予定されていた(と米国が主張する)米国に対する攻撃とがどれほど直線的に繋がっているかという点になるだろう。
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⒏とはいえ、これまでのソレイマニの反米的はスタンスを考えると、さらに、米兵殺害に関わっていたことを考えると、この点を米国内で争点化することは難しいだろう。
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⒐ 三つのケースの共通項は他の主権国家の領域内で、その領域内の当局に通知せず、米国独自で作戦行動を行ったことである。米国では暗殺は違法なので、それをグレーゾーンに持っていくために標的殺害という婉曲語法が用いられる。
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⒑ 「標的殺害≒暗殺」は議会に事前通告すれば「軍事行動」になり、米国国内法的には「暗殺」ではなくなる。
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11. ビン・ラディン、アル=バグダーディー殺害の場合は米国はアルカイダとイスラム国と交戦状態にあったため、議会への事前通知は不要だったが(この点についても実はかなりグレーゾーンなのだが…)、
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12. ソレイマニ殺害はイランに対する新たな軍事力行使のため本来なら議会への事前通知が必要であるにもかかわらず、それを行わずに作戦実施に踏み切った。なお、事前通知とはいっても、当然のことながら議会の全構成員に対して行うのではなく、両党指導部のみに通知することが想定されている。
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13. この点について民主党はそこを責めてくるだろうが、情報漏洩の懸念からそれを行わなかったということで逃げ切れるだろう。しかし、その他の点については、ビン・ラディン、アル=バグダーディー殺害のケースと比べてもその根拠とそのインパクトは遥かに危なっかしい。
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14. 自分も含めて多くの人がトランプ大統領は最終的には「引き金を弾けない大統領」だと読んでいた。イランもそこを読み誤ったということだろう。ソレイマニもまさか米国が行動に踏み切るとは想定していなかったのだろう。彼の行動はおそらくあまりに無防備すぎた。
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15. 今回の作戦がどのように評価されるかは、偏にイランがどのような行動の連鎖に出るかにかかっている。それにしても今回、作戦決行に踏み切った内部の経緯についてはやく知りたい。ただこれが”Trump at War” by Woodwardみたいな形に帰結しないといいのだが。
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