『男はつらいよ』の山田洋次監督の横尾忠則氏のアイディア盗作疑惑。
もし事実だとすれば、アイディア盗用に法的問題はあるのでしょうか?
山田洋次監督の盗用疑惑の内容
横尾忠則氏のインタビューによれば新作の男はつらいよは、横尾氏の提案が数多く使用されていたということです。
「過去49本の寅さんの映画から抜粋、引用してコラージュすればいい」と提案
「さくらや博、満男にリリーも現役だし、現在の彼らを出演させたらいいですよ。ゲストに『家族はつらいよ』のキャストも出せば面白い。寅さんは幽霊にしたらいいんじゃないですか」というアイディアも山田さんに出したんですけどね。
作品は僕が彼に提案したように、現役の浅丘さんたちが出ているし、『家族はつらいよ』の橋爪功さんや小林稔侍さんも登場しています。CGで寅さんの幻影(幽霊)を表現するのも僕の提案通りでした。
(引用:https://www.news-postseven.com/archives/20200104_1517067.html)
「渥美さんなしに寅さんは撮れない」と考えていた山田洋次氏にとって、横尾忠雄氏の提案が大きな影響となり新作の寅さん制作につながったようです。
山田洋次の横尾忠則アイディア盗用に法的問題は?
盗作とは、「盗作」とは,「他人の作品の一部または全部を自分の作品として発表すること」(出典:Yahoo!辞書/大辞林)です。
しかし盗作が即、著作権侵害にあたるわけではないようです。
登場人物の性格付けやハイライトシーンの場面設定が似ているとか,
作品の中核となるキーフレーズが共通して使われているといったレベルの 「盗作」 になってくると, いささか状況が異なってきます。 (引用:https://gihyo.jp/design/serial/01/copyright/0004?page=1)
アイデアの盗用は著作権侵害に当たらない
アイデアやコンセプトレベルで共通しても、それは著作権侵害にはあたらないとされています。
著作権によって保護されるのは,あくまで「(具体的な)表現」に限られ,その背景にある「アイデア」や「コンセプト」そのものは保護されない。
著作権法は,
「著作物」 を創作した者 (著作者) に複製や公衆送信といった権利を専属させることによって, 他人が 「著作物」 を無断で利用することを原則として禁じており, そのようなルールの背景には, 創作の正当な見返りを与えることで著作者に新しい 「著作物」 の創作を促し, ひいては文化の発展を促進する, という目的がある。 しかし,
「ひとたび 『著作物』 が創作された後はいかなる態様, 方法であっても, 著作者の許諾を得ない限りそれを利用できない」 ということになれば, かえって新たな創作を妨げ, 文化の発展を阻害することにもなりかねない。 そこで,
著作権法は, 著作権によって 「表現」 を保護する代わりに, その 「表現」 の後ろにある 「アイデア」 等については自由に利用する余地を残すことによって, 後発創作者の 「思想・ 表現の自由」 の保護と著作者 (著作権者) の保護の両立を図り, 「文化の発展」 という法目的を達成しようとした。 (引用:https://gihyo.jp/design/serial/01/copyright/0004?page=1)
人間としてのあり方が問題
今回の横尾忠則氏の山田洋次監督のアイデア盗作の告発は、法的闘争するためではなく、山田監督の人としてのあり方について憤りを表現しているようです。
加えてアーティスト同士という感情以上に、山田さんに年上の友人として敬意を抱いていましたしね。僕は友情を踏みにじられたとも感じています。
(中略)
一言、「あなたのアイディアを使うけれども、製作は任せてくれ」と断わってほしかった
(引用:https://www.news-postseven.com/archives/20200104_1517067.html)
インタビューによれば、山田洋次監督の横尾忠則氏は映画製作に携われること自体を喜びにしていたようです。
友情を基本として、名誉や利益を超えた純粋な喜びでアイデアの提案をしていたにもかかわらず、横尾氏を外した形で映画製作が進められていたことに憤りを感じているようです。