書評

【書評】何が問題?宮口 幸治『ケーキの切れない非行少年たち』

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今回紹介する本はこんな人にオススメ!

●子どもの将来に不安がある人

●教育関係の仕事に就いている人

●非行少年たちがなぜ非行に走るのか興味がある人

紹介する本はこちら!

新潮新書 宮口 幸治『ケーキの切れない非行少年たち』(2019年)

この本を読めば、非行少年たちの持つ課題と非行に走る背景、学校教育の抱える課題について知ることができます

この記事では本書の内容を紹介し、非行少年たちをどうやったら救うことができるのかについて引用し、解説します。

伝えたいことは3つです。

『ケーキの切れない非行少年たち』の内容について

なぜ「ケーキが切れないこと」が問題なのか

非行少年たちを救うには

『ケーキの切れない非行少年たち』の内容

本書に書かれている内容

●なぜ「ケーキが切れないこと」が問題なのか

●非行少年たちの救い方

この本には、非行少年たちが抱える課題について書かれています。また、現在の特別支援教育や学校教育の課題についても書かれています。

犯罪は決して許されることではありません。だからこそ、私たち大人には今以上に少年たちが非行に走ったり、再犯したりしないようにする努めがあるのです。大人として、本書は一度読んでおく必要があるでしょう。

「ケーキが切れない」と何が問題なの?

「ケーキを切れないこと」自体は問題ではない。

著者である宮口さんが非行少年たちに紙に書かれたケーキを三等分するように指示を出したところ、ほとんどの少年が三等分することができませんでした。そのことの何が問題なのでしょうか?

問題なのは、このような切り方をしているのが強盗、強姦、凶悪犯罪を起こしている中学生・高校生の年齢の非行少年たちだ、ということです。

33ページより引用

言ってしまえば、小学生でもできるような簡単な問題です。それをできなかった彼らが、これまでの人生でどれだけ多くの挫折をし、この社会がどれだけ生きにくかったことかが分かるのです。

非行少年を救うには?

認知機能を高める

非行少年たちは総じて認知機能が弱いのです。認知機能とは、見たり聞いたり想像したりする力のことです。

認知機能を高めるためには「コグトレ」と呼ばれる認知機能向上トレーニングが有効です。道具がなくてもできるものもありますし、手軽に作れる道具でできるものもあります。どちらにしても短時間で簡単にできるトレーニングが多いのが魅力です。

自己評価を高める

また、非行少年たちは「自己評価が低い」傾向もあります。自己評価を高めるには人に問題を出したり、教えたりするなど、人の役に立つことが大切です。

しかしながら、非行少年たちは同学年の中では能力が低い子どもが多いのです。こういった子どもたちを活躍させるためには、年齢で学年を区切る現在の教育システムではなく、モンテッソーリ教育イエナプラン教育を導入するべきなのかもしれません。

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まとめ

 

●「ケーキを等分できない」能力の少年たちは、これまで挫折を多く経験し、社会でも生きづらいことがわかる。

●非行に走る少年たちは総じて認知機能や自己評価が低い。

本書では、上記の内容以外にも

・非行少年は反省できるのか

・教育の敗北とは

・褒める教育の問題点

・目標と努力

・非行少年の特徴5セット

などなど、非行少年たちや教育について改めて考えるきっかけとなる情報が満載です。

子どもの将来に不安がある人、教育関係の仕事に就いている人、非行少年たちがなぜ非行に走るのか興味がある人にオススメの1冊です!

気になった方は、ぜひ本書を購入して読んでみてください。

ヤマムカ
ヤマムカ
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