青学・原監督「強いチームは指示待ちしない」

2年ぶり王座奪還、名将が作ってきた強い組織

第96回箱根駅伝、2年ぶりに総合優勝を果たした青山学院大学(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
96回目を迎えたお正月恒例の箱根駅伝。青山学院大学陸上競技部(以下、青学陸上競技部)が2年ぶり5度目の総合優勝に輝きました。
昨年こそ東海大学に敗れ5連覇を逃したものの、王座に返り咲き。青山学院大学の強さがいまだ健在であることを示しました。かつては箱根駅伝の予選会さえ通過できない弱小チームをここまでに強くし、さらに勝ち続ける集団へと育ててきたのが、原晋監督です。著書『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』にも記されている常勝チームのつくり方を明かします。

選手を成長させていくことが役割

2年ぶりに箱根駅伝の優勝を果たすことができました。青山学院大学陸上競技部(以下、青学陸上競技部)が、大学駅伝の歴史にまたひとつ大きな足跡を残せたのではないかと思っています。

しかし、私が青学陸上競技部の監督に就任した2004年当時は、箱根駅伝の予選会さえ通過できない弱いチームでした。ようやくチームが結果を出し始めたのは、2008年です。33年ぶりに予選会を突破し、2009年1月の箱根駅伝本選に出場しました。翌年の本選では、8位に入賞してシード権を獲得したことが思い出されます。

選手たちは自信を持ってレースに挑み、笑顔で走り切って、結果を出してくれました。私は、彼らがこれからの日本陸上界を支える貴重な人材になったり、企業に就職してその会社を支える有益な人材になってくれると思っています。そのために、箱根駅伝や陸上競技を通して彼らを成長させていくことが私の役割だと思っています。

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  • 安吾a0bef95dddf4
    自主性と自由を履き違えた組織、あるあるですね、
    でも、自主性の醸成、ホント難しい!
    up7
    down2
    2020/1/3 23:44
  • リリにおまかせ23df59a8ee94
    山の神と言われた東洋大の柏原が卒業後、まったく成績を残せず、身体を壊して引退したのが記憶に新しい。

    日本以外で全く相手にされないうえ、選手生命を奪うこんな競技をいつまで続けるつもり?
    up3
    down0
    2020/1/4 09:23
  • NoNAMEa075b50280a5
    ちゃんと調べなきゃ。
    印象操作になってしまう。
    『ここで知っておきたいのが、「監督車」とも呼ばれる運営管理車の助手席にドーンと構える、監督からの声かけポイントだ。

     どこでも指示を出せるわけではなく、6区の下りでは残り1キロポイントの1回のみ。他の9区間は7回のチャンスがある。スタートから1、3、5、10、15キロ地点と残り1キロ地点、さらに2、9、10区は20キロ地点、他の6区間は残り3キロ地点と細かく分かれている。

    交通事情によっては見送られるケースもあるが、この地点をチェックすれば、新たな「名言」を聞く機会があるかも。』
    監督からの指示も戦略のひとつになってきている。
    選手への指示が競合大学への情報になってしまったこともあった。
    -----------------
    運営管理車がないと、救護や給水の指示が出せない。
    何年か前に、暑さで数名の途中棄権者が出た。選手に触るとアウトだし。
    up7
    down6
    2020/1/3 22:14
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