東京からモトモタさんがやって来た。
前回試乗に来られ、クリニック脚に感動し、その後すぐにストリート改の依頼が来たのだ。
とにかくリヤが軽い1028の為に、通常のストリート改よりもフロントの寸法を変更して組み上げてある。
これにより、軽量化で悪化した車両重量バランスを動的に改善。
リヤを踏ん張らせて踏めるマシンへとなる。
「うえしまクリニック ストリート改+みっどリンク」へ。
ここで改めて解説。
そもそもの組み合わせは、「純正脚を贅沢にしたバージョンアップ版」だ。
・乗り心地の代わりにボディが段差で揺れる純正アッパーを強化ゴムアッパーでガッチリとし、
・クネクネと動くが減衰力不足で物足りない感じのする純正ダンパーを、単筒式高圧ガス式ダンパーでガシッと支える。
・M2脚同等の強化スプリングかつ、車高前後バランスを是正したSTAGEさんの肝入りのバネ。
まとめて言えば、純正強化の「剛の脚」だ。
ワルくはない。ある意味「純正形状でなんとかする」レギュレーションなら、最良の部類の脚。
しかし、
純正形状だからこその「バンプラバー依存方式」や、「どうしてもリヤ車高が下がらなくトラクションが抜ける」癖は消えない。
ロードスターの癖はそのままなんだ。
・通常使用では、バンプタッチも伸びきりもさせない豊かなストロークで突き上げや接地ヌケ無し。
・頼りないほどしなやかに動く、短い複筒式ダンパーで乗り心地と低重心を実現。
・脚の動きに対するフリクションをなるべく低減させた、細心の組み付けでさらなる快適性と猫脚を実現。
・NBロードスター同様となる、ピロスタビリンクでスタビライザー稼働時のフリクションも低減し改善。
接地性とコントロール性重視の、現代のタイヤに合った21世紀型純正脚となる。
快適なのに、驚くほど自由で安心安定。気づくと妙に速い。
「周りのクルマが遅くなる」クリニック印のスタンダード脚だ。
ま、「柔よく剛を制す」となるかは、ジャッジするのはオーナーだけれども。
今回モトモタさんは、サスアームの偏心カムボルトも持ち込んで新調した。
後の10年に向けての気合いが見える。
・フルブッシュ1G締め直し
・現車合わせ減衰設定
・実走現車合わせアライメント調整
賞味期限の切れた古いハイグリタイヤと、左フロントのボールジョイントが怪しいので、
アライメントは、うえしま的には「まぁそこそこ」の完成度となったのがザンネンだが仕方ない。
またそこは次の機会にバリッとキメよう。
東京への道のりが楽しみだ。
・一度味わうと決して後戻り出来ないヤバいモノをやってる
・ヤバいくらいキク! キマると笑いが止まらなくなる!
・ガソリンとタイヤを減らしたくて仕方なくなる。
クリニックの「おクスリ」は、モトモタさんにもガンギマリしてしまったようだ。
また不具合箇所を治した後に、東京から現れる。
そんな確信をするうえしまであった。
おしまい。