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カナル型イヤホンの特性測定を試みる

これまでヘッドホンの測定をいろいろとやってきましたが,カナル型イヤホンの測定もやってみました。イヤホンの測定には規格準拠のカプラーを使いたいところですが,やはり個人で手が出せるものではありませんので,今回もホームセンターで仕入れた部材で試作しています。

ヘッドホンの測定でも使用したPanasonicのエレクトレットコンデンサーマイクWM-61Aをシリコンチューブに取り付けて簡易的なカプラーを作成しています。Webで検索すると,やはり同じようなカプラーを作成されている例が多く見つかりますので,だいたい皆さんこのような方法を採られるようです。

今回は耳道を模したチューブ口径が異なる2種類のカプラーを試しました。

1つめは,WM-61Aに内径5mmのシリコンチューブをかぶせ,内径7mmのシリコンチューブで耳道を模した筒を構成したものです。

earphone-mic-a.jpg
図1 内径7mmのシリコンチューブカプラー


イヤホンを取り付けると次の写真のようになります。イヤホンはオーディオテクニカATH-CK9でイヤーチップはソニーの小さめのもの(取り付けるところが赤色)を使っています。

earphone-mic-b.jpg
図2 内径10mmのシリコンチューブカプラー


2つめは,WM-61Aに内径6mmのシリコンチューブをかぶせ,さらにもう一重内径8mmの透明のチューブをかぶせ,最後に内径10mmのシリコンチューブで耳道を模した筒を構成したものです。

earphone-mic-a_ath-ck9.jpg
図3 内径7mmのカプラーにATH-CK9を装着したところ


イヤホンを取り付けると次の写真のようになります。イヤーチップはソニーの中くらいのもの(取り付けるところが緑色)を使っています。

earphone-mic-b_ath-ck9.jpg
図4 内径10mmのカプラーにATH-CK9を装着したところ


問題は筒の長さですが,筒の長さが変わると測定結果がどう変わるかを確認しました。内径7mmのカプラーで30mm(青), 25mm(赤), 20mm(橙), 15mm(黄緑)で測定してみたのが次の図です。

test_earphone_mic_a_length_ath-ck9.png
図5 内径7mmのカプラーの長さを変えたときの特性
30mm(青), 25mm(赤), 20mm(橙), 15mm(黄緑)


長さによって高域の特性が大きく変わります。耳道の長さは人それぞれですので同じイヤホンを聴いていても人によって全然違う音で聞こえている可能性があることが考えられます。長さ次第で測定結果が大きく変わり,しかも何が正解かということも決められませんが,結局のところある長さに決めて相対的に見ていくしかないのかなと思います。

結局のところ,Web上で長さ21mmのシリコンチューブで測定されている例(→こちら)がありましたので,それに合わせて21mmとすることにしました。また,シリコンチューブカプラーでは実耳に対して音響インピーダンスの差から補正が必要ということを書いておられるかたもいらっしゃいましたが(→こちら)なかなかそこまでやってられないので,そのままのデータで示すことにします。

別エントリーで測定結果を載せていきたいと思います。

タグ: [ヘッドホン] 

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