[バグダッド 3日 ロイター] - 米国防総省は、イラクの首都バグダッドの空港で現地時間3日未明、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官らを乗せた車列を空爆し、同司令官を殺害したと発表した。
声明で「大統領の指示により、米軍は海外に駐留する米職員を守るため、ソレイマニ司令官を殺害することで断固とした防衛措置を講じた」と表明。イランによる将来の攻撃計画を抑止することが狙いと説明した。
複数の米当局者によると、ソレイマニ司令官はバグダッドで無人機による攻撃で殺害された。イラン革命防衛隊は、米国のヘリコプターから攻撃を受けたとしていた。
イランの国営テレビは3日、最高指導者ハメネイ師の声明を発表。この中でハメネイ師は、ソレイマニ司令官を殺害した「犯罪者」には厳しい報復が待っており、米国とイスラエルに対する抵抗の機運が倍増すると警告した。
イラン革命防衛隊もソレイマニ司令官の死亡を確認する声明を出した。
イランが支援する民兵組織を統括するイラクの「人民動員隊」(PMF)の報道官は、民兵組織幹部のアブ・マハディ・アル・ムハンディス氏も空爆で死亡したと明らかにした。そのうえで、2人の死亡について「米国とイスラエルに責任がある」と非難した。
イラクの民兵組織は、バグダッド国際空港に3発のロケット弾が撃ち込まれ、民兵組織の5人と2人の「ゲスト」が死亡したと明らかにした。
ロケット弾は貨物ターミナル付近に着弾し、2台の車両が炎上した。
民兵組織の関係者はロイターに対し、ソレイマニ司令官とアル・ムハンディス氏は同じ車に乗っており、米国のヘリコプターから発射された2発の誘導ミサイルが車両に当たったと述べた。もう1台の車には護衛官らが乗っており、ロケット弾1発が当たったとした。
イランと米国の関係を巡っては昨年末、米国がイラクのイスラム教シーア派武装組織の拠点数カ所を空爆したことに反発して、バグダッドの米国大使館をデモ隊が襲撃するなど、緊張が高まっている。ソレイマニ司令官の殺害はイランにとって大きな打撃になるとみられる。
コッズ部隊は革命防衛隊の対外工作を担い、ソレイマニ司令官はシリアやイラクでの戦闘で重要な役割を果たした。
*内容を追加しました。