FP3級は高合格率・低難易度、独学で十分合格できる国家資格です
2019年10月12日更新
FP3級はお金の知識入門に最適で、とても合格しやすい国家資格です。
この記事ではFP3級独学合格を目指す方へ、FP3級合格率・難易度・受験概要、次回試験日、体験に基づいた独学勉強方法について紹介します。
- FP3級は高合格率・低難度、お金の知識入門にうってつけの国家資格
- FP3級試験の受験資格
- FP3級試験の実施団体・試験方式・受験手数料
- FP3級技能検定・次回試験日・手続き日程
- FP3級用テキスト・問題集・電卓
- FP3級試験の合格率
- FP3級の難易度
- FP3級の勉強方法
- FP3級、そして2級合格のため得意分野を2つもしくは3つ作る
- 当日の試験会場
FP3級は高合格率・低難度、お金の知識入門にうってつけの国家資格
FP3級とは
「FP」という用語もずいぶん定着してきたと思います。
FPとはファイナンシャル・プランニングのことです。
ファイナンシャル・プランニングとは、「人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法」のことです(日本FP協会HPより)。
「資金計画」「経済的側面」とあるように、ファイナンシャル・プランニングにはお金の知識が不可欠です。
ファイナンシャル・プランニングで必要なお金の知識は次の6分野です。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
こう聞くと小難しく思えるかもしれませんが、ひらたく言えば次の通り。
- 誰もが避けて通れない年金、健康保険、生命保険・損害保険に税金関係
- お金を増やす上で気になる投資や不動産
- やがて直面する相続、経営者にとっては悩ましい事業継承
つまり、生活する上で欠かせないお金にまつわる知識に他なりません。
ファイナンシャル・プランニングの知識について一定レベルに達しているかどうかを問うのがFP試験です。
FP試験は易しい順に3級、2級、1級があり、FP3級は入門編の資格となります。
入門編と言えど、FP3級は立派な国家資格です。
そして、FP3級は合格率60%(もしくは80%)以上と、極めて高い合格率を誇ります。
FP3級とは数ある国家資格の中でも突出して合格しやすい狙い目の資格なのです。
FP3級試験の受験資格
FP3級の受験資格は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」(きんざい・日本FP協会で共通)とはなっていますが、実際は誰でもFP3級を受験できます。
FP資格を仕事に生かすには最低でも2級は欲しいところですが、FP2級を受験するには次の4つのうちどれかが必要です。
- FP3級合格
- AFP認定研修修了
- 実務経験
- 厚労省認定金融渉外技能審査3級合格
これらのうち、もっとも手軽なのがFP3級合格です。
AFP認定研修修了するとFP3級合格せずともFP2級を受験できます。ただし、AFP認定研修は認定機関での研修が必須です。
AFP認定研修はたいていFP2級受験講座とセットになっています。
価格面で選ぶならAFP認定研修とFP2級講座のセットで2万3,000円ほどと最安のアーティスが良いかもしれません。
→AFP認定研修(基本課程)
FP3級試験の実施団体・試験方式・受験手数料
FP3級試験は一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会が実施しています。
FP3級試験は学科試験(10:00〜12:00)と実技試験(13:30〜14:30)の2つがあります。
試験方式は次の通りです。
- 学科試験は120分60問。そのうち30問が正誤判定(○×)、30問が3肢択一のマークシート方式。きんざい・日本FP協会で同一です。詳しくは「FP3級の難易度」のセクションをご覧ください。
- 実技試験はすべて60分3肢択一。ただし試験実施団体によって科目が異なります(下の欄を参照)。
以上をまとめます。
- 学科試験は120分60問のマークシート方式、きんざい・日本FP協会で同一
- 実技試験は60分3肢択一
- きんざいの実技試験には個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務の2つがある
- 日本FP協会の実技試験は資産設計提案業務の1つだけ
ブログ管理人はきんざいで受験しました(と言うより、当時は日本FP協会の存在を知りませんでした)。
どちらの団体で受験しても、学科・実技ともに合格すれば3級FP技能士を名乗れます。
FP3級受験手数料はきんざい・日本FP協会ともに6000円(学科3,000円、実技3,000円、どちらも非課税)+事務手数料です。
FP3級の合格点・合格ライン
きんざい・日本FP協会ともにFP3級試験は6割とれれば合格します。
- 学科試験は60問出題され、6割の36点が合格ライン
- 実技試験は、きんざいだと50点中6割の30点、日本FP協会は100点中6割の60点が合格ライン
FP3級技能検定・次回試験日・手続き日程
// <![CDATA[
// ※指定日を設定※
var targetDay2 = new Date(2020,1,26);
targetDay2.setMonth(targetDay2.getMonth() -1);
//現在日付を取得
var today = new Date();
// 開催日までの日数を算出
remainDay = Math.floor((targetDay2 – today) / (24*60*60*1000));
remainDay++;
//表示
remainDayDisp='‘+remainDay+’‘;
msg = “次回FP3級試験(2019年9月8日)まで”+remainDayDisp+”日”;
document.getElementById(“RealtimeCountdownArea2”).innerHTML = msg;
// ]]>
2020年1月試験(2019年11月13日より受付開始)
- 受検申請請求期間:2019年10月1日〜11月26日
- 受検申請受付期間:2019年11月13日〜12月3日
- 試験日:2020年1月8日(日)
- 合格発表日(予定):2020年3月6日(金)
◆受験手続き
- きんざいはこちら→受検手続について | 一般社団法人 金融財政事情研究会
- 日本FP協会はこちら→2級FP技能検定に申請する | 日本FP協会
きんざいと日本FP協会のどちらを受験するか迷っている方に
FP3級受験にあたってきんざいと日本FP協会のどちらを受験しようか迷っている方がいらっしゃると思います。
学科試験についてはどちらも同じ問題が課されますので迷う必要はありません。
悩むのは実技試験です。両団体で実技試験の問題が異なります。
きんざいのFP3級実技試験は2種類あります。
- 個人資産相談業務
- 保険顧客資産相談業務
保険顧客資産相談業務には生命保険分野の大問1〜2題が課される一方で不動産分野は出題されません。
業務に必要な資格を取得する、あるいは得意分野での合格を考えているのであればきんざいでの受験が良いです。
一方、日本FP協会の実技試験は資産設計提案業務だけです。
受験を迷うとすれば、日本FP協会の資産設計提案業務にするか、きんざいの個人資産相談業務にするかでしょう。
どちらも選択肢から正解を選ぶ3肢択一式です。違いは、きんざいが15問、日本FP協会が20問です。
どちらもそう大差ありませんが、強いて言えば問題数が少ないきんざいのほうが1問のミスが大きく影響しやすいです。
きんざいのFP2級試験は実技試験が4つになります。特に保険顧客資産相談業務は生保と損保にわかれます。それらの受験を考えている方はきんざいでFP3級を受験してもよいかもしれません。
一方、FP2級を日本FP協会で受験しようと考えているならFP3級もそうしておいたほうがよいでしょう。
FP3級を受けると決めたら、申し込む前に実技試験の過去問を3回分見比べておくことをおすすめします。それだけでも出題パターンがなんとなく見えてきます。あとは解答しやすいと感じたほうで受験すると良いかもしれません。
- きんざいのFP3級実技試験過去問題(2019年5月実施分)
→個人資産相談業務
→保険顧客資産相談業務 - 日本FP協会のFP3級実技試験過去問題(2019年5月実施分)
→資産設計提案業務
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FP3級用テキスト・問題集・電卓
電卓
FP試験の必須アイテムは電卓です。
管理人は①千万単位機能、②12桁表示できて表示窓が大きい、③√(平方根)計算機能、④ソーラーが影になっても表示に影響しない、⑤試験規則に抵触しない、という条件でキャノンのHS-1220TUGを選びました。
とくに千万単位機能は相続分野の問題でよく使う億単位・千万単位・百万単位の入力が3回だけで済むのでとても重宝しています。この電卓(HS-1220TUG)のレビューはこちらに書きました。
FP3級テキスト
実技試験の問題集は受験年度に対応したものを購入しましょう。紹介しているものは2020年5月試験まで対応しています。
次の4冊はきんざいで受験する方向けです。実技試験用問題集は個人資産相談業務か保険顧客相談業務のどちらかを選択してください。
◆きんざいのテキストは図やイラストがほとんどありません。不要な情報を省いた構成になっているので管理人の好みに合っているのですが、裏返せば視覚的に印象に残りにくいかもしれません。『みんなが欲しかった!シリーズ』はきんざいのテキストよりカラフルです。きんざいと日本FP協会両方の試験に対応しています。
Amazonで中身を確かめ、好みで選ぶのが良いかもしれません。
FP3級資格スクール・通信講座・AFP認定研修
◆紙のテキストよりもスマホ・タブレット・PCでの学習のほうが向いている方にはスタディングのオンライン講座が良いかもしれません。
記事冒頭画像の通り、ブログ管理人はきんざいのテキスト+学科・実技の問題集計3冊を揃えました。
しかしながら、実はテキスト3冊を揃えるよりもスタディングFP3級講座(税抜き3,680円)のほうが安上がりなのです(受験当時は知りませんでした・・・)。
→スタディング FP講座
スタディングFP3級講座の実技試験対策コンテンツはきんざい・日本FP協会両方に対応しています。スタディングは無料で試せますので、事前に内容と機能を確認することをおすすめします。
なお、FP3級合格のためだけに数万円もお金を払って資格スクール・通信講座を受講することは全くおすすめできません。宅建等の資格試験ならともかく、FP3級の難易度では費用対効果があまりにも悪すぎます。
スタディングFP3級講座以外の資格スクール・通信講座を受講するなら、FP3級を受けずにAFP取得+FP2級合格を目指すほうが良いです。
2019年オリコン顧客満足度ランキングの1位はフォーサイト、2位はユーキャンです。
1位:フォーサイト
→2019年5月の2級試験合格率が全国平均の2.06倍!日本FP協会認定校の通信講座とは?
2位:ユーキャン
→ユーキャンのファイナンシャルプランナー(FP)講座
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FP3級試験の合格率
FP3級最新合格率データ
◆2019年5月(きんざい)FP3級合格率
- 学科試験 42.76%(9,518名合格)
- 実技試験:個人資産相談業務 54.35%(6,129名合格)
- 実技試験:保険顧客資産相談業務 44.85%(5,852名合格)
◆2019年5月(日本FP協会)FP3級合格率
- 学科試験 69.07%(12,340名合格)
- 実技試験 86.42%(14,493名合格)
FP3級学科試験の合格率
この記事では日本FP協会より受験者数が多いきんざいのFP3級試験(2013年5月〜2018年1月)計15回分86万2744人分のデータを分析しました。
◆ FP3級学科試験の過去15回合格率データです。
- 合格率平均:62.17%
- 合格率の幅:42.7%〜77.3%
FP3級の合格率は約62%と言えます。ただし、各回の合格率にはけっこう幅がみられます。
特に、直近2019年5月試験の学科合格率42.7%。これは2013年5月実施回以降で最低。
合格率が50%を切ったのは2017年1月実施回の合格率48.1%以来のことです。決してなめてかかってはいけないことを如実に物語っています。
注:きんざいと日本FP協会の合格率をくらべると日本FP協会のほうが高いです。きんざい・日本FP協会ともに学科試験の問題は一緒なので、学科試験における両者の合格率の差は受験者の属性の違いが反映したものと思われます。
ちなみに、この場合は受験者の母集団が異なるのできんざいと日本FP協会の試験結果を足して2で割っても無意味です。そんな乱暴な計算をしているものを見たら無視してください。
では次に実技試験の合格率を見てみます。
FP3級実技:個人資産相談業務の合格率
- 個人資産相談業務 合格率平均:67.23%
- 合格率の幅:51.4%〜83.1%
学科試験と同様に各回の合格率にはばらつきが見られます。それでも2013年5月実施回以降、合格率が50%を切ったことはありません。むしろ合格率60%以上の実施回が19回中12回。結果からは実技試験のほうが学科試験より合格しやすいと言えます。
FP3級実技:保険顧客資産相談業務の合格率
- 保険顧客資産相談業務 合格率平均:55.87%
- 合格率の幅:34.3%〜71.2%
合格率平均は55.87%ではありますが、2018年1月以降は合格率40%前後と低迷しています。
データを見る限り、保険顧客資産相談業務の合格率は総じて個人資産相談業務より低いです。
管理人はFP2級を生保顧客資産相談業務で合格したのでFP3級保険顧客資産相談業務の問題が難しいとは思わないのですが・・・
もしかしたら借方・貸方という簿記の基礎知識(ほんとに初歩の初歩です)について出題される問題があるため、苦手な方は点をとれないのかもしれません。
会社の都合等でどうしても保険顧客資産相談業務で合格しなければならないなど、何か特段の理由がないのであれば、個人資産相談業務もしくは日本FP協会の実技・資産設計提案業務を受験することをおすすめします。
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FP3級の難易度
FP3級の学科試験は60問出題されます。
このうち30問が2肢一択、つまり○×形式です。確率の上では勘でも30点中15点とれるのです。
残り30問が3肢一択です。FP2級も含めて資格試験の多くが4肢一択を課しているなか、○×よりは正解率が下がるものの、それでも正解しやすい出題形式になっています。こちらも確率の上では30点中10点とれます。
つまり、FP3級学科試験は、その出題形式のおかげで何も知らなくとも60点中25点もとれるのです。合格点は36点ですので、少ない労力でも合格点に達することが可能です。
一方の実技試験(と言っても、こちらもペーパーテストです)も基本的な問題しか出ません。すでに述べた通り、個人資産相談業務試験の合格率は学科試験よりも高いくらいです。
ひらたく言って、FP3級試験の難易度は資格試験としてはものすごく低いのです。国家資格としては破格の難易度の低さを誇るのがFP3級なのです。
※FPは2級まで取得しておきたい資格です。ただし、FP2級の合格率は学科20%・実技40%と難易度はFP3級と段違いに高くなります。
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FP3級の勉強方法
FP3級は過去問2年分(6回)・テキスト・問題集を一周すれば十分合格できます。1日1時間の勉強で2か月(60時間)もあれば十分でしょう。
※極端に短い期間の勉強での合格という話はあまり鵜呑みにしないほうが良いです。
ただ、「試験直前でテキスト・問題集を一周する時間がない」という場合は、「学科1分野の過去問を2年分(6回)連続でノートに書き出しながら解く」×6分野をこなすことをおすすめします。
とりあえず1年分(直近3回)でも良いです。こんな風に各分野10題用の表を作ります。
※問番号は年によって違うときがあるので必ず確認してください。
表に問題を解いた結果を書き込みます。
同じ分野の問題を結果を書き出しながら連続して解き進めると、「さっき見た同じような問題がまた出題されてる」というのがわかってきます。頻出問題が可視化しやすくなるのです。
FP試験は過去問から繰り返し出題される傾向が非常に強いです。
過去問を解くときは、同じ分野の問題を集中的に解き続けるほうが効率的です。
実技(個人資産相談業務)は過去問1年分3回を電卓を叩いて書き、とにかく解き方を覚えてしまうことをおすすめします。
実技試験も似たような問題が繰り返し出題されることが多いです。例えば利回り・建蔽率・相続税額の計算とかですね。テキストや問題集を見ないで計算できるようにしておきましょう。
実技試験は問題数が少なく、一問あたりの配点がけっこう高いので試験中は必ず見直すように注意してください。
FP3級、そして2級合格のため得意分野を2つもしくは3つ作る
試験突破に向けての勉強法でアドバイスしたいことがもうひとつあります。それは得意分野を必ず作ることです。
FP3級試験では得意分野が2つあれば、学科・実技とも20点近くの得点を見込めます。3つあれば30点近くの得点を見込めますそうできれば学科は残り4分野、実技は残り3分野で配点の半分を取れば合格できます。
これはFP2級でも同じことです。FP3級での得意分野をそのまま伸ばせば良いのです。
ブログ管理人の実質勉強期間は3週間でした。準備不足のせいもあり、学科試験(画像左)のライフプランニング・リスク管理・金融資産運用の結果はちょっと酷かったので伏せさせて頂きます。
学科は46点でしたが、そのうち63%はタックスプランニング・不動産・相続で占めています。
実技試験は第4問不動産と第5問相続で1つずつ間違えてしまいました。見直ししなかったせいです。
管理人の得点分布が示す通り、FP3級はどの分野でどんなふうに点を取ろうと合格点に達しさえすれば合格できます。これはFP2級でも同じことです。
FP2級合格を目指してFP3級を受験するなら、今から得意分野を作っておきましょう。
当日の試験会場
管理人はこれまできんざいのFP試験を3回受けました。3回とも違う会場でしたが、どこでもフリースペースが用意されていました。
午前中の学科試験は10:00〜12:00の120分ですが、FP3級では多くの受験生が60分経過したら解答用紙を提出して受験室から退出します。
管理人は飲食可のフリースペースに移動して自分の場所を確保し、実技試験に備えた勉強し、昼食を済ませました。フリースペースには飲食可の部屋と飲食不可の部屋があるので指示を守りましょう。
※日本FP協会実施試験会場でのフリースペースの有無は協会にお問い合わせ下さい。
なお、当日は受検票・顔写真・筆記用具・電卓・腕時計等をお忘れなく。FP2級までの受験をお考えなら電卓はそれなりのものを準備しておいたほうが良いかもしれません。
FP3級はとても合格しやすい国家資格です。ぜひ取得してください。
Source: 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ