おすすめできる・おすすめできない宅建テキスト:詳細レビュー【2020宅建試験に向けて】
【2019年10月28日追記】ユーキャンの速習テキスト2020年度版が発売されました。
【2019年10月20日追記】宅建本試験を受験なさった皆様、ほんとうにおつかれさまでした。
注意:当記事で紹介している宅建テキストは2019年度試験用のものです。
2020年度宅建試験では改正民法に対応したテキストが必要です。
この記事は2020年度宅建試験に向け、これからの出版状況に応じてテキスト購入先リンク及び記事内容を変更していきます。ご了承くださりますよう、お願い致します。
なお、『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』はKindle Unlimitedに入っている方は無料、未加入の方でもお試し30日間は無料で読めます。
2019年度版ではありますが、宅建マンガを読むよりも宅建試験全体の概要をつかみやすく編集されています。
なお、本書は2020年度版の発売が12月に控えています。2019年度版を定価で購入する必要はありませんので、かならずKindle Unlimitedの「無料」をご利用ください。
注:これより先は2019年度宅建試験に向けて書いたものです。
【2019年9月6日追記】『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』がAmazonのkindleunlimited(キンドルアンリミテッド)に追加されていました。
kindleunlimitedは約12万冊が月額980円で読み放題のサービス。
『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』はわずか222ページ。見開き2ページで1項目、説明文は約800字以内に抑えています。制約された字数のなかで厳選した情報を伝えるべく文章を練りに練っています。本試験まで1ヶ月ちょっとの今からだと知識の整理・復習にもってこいです。
『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』は1,620円。kindleunlimitedに初めて登録する方は30日間無料で利用できるため、実質タダで『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』を読めます。(※規程期日内の登録解除をお忘れ無く)
登録はこちらのバナーからできます。↓↓↓↓↓
2020年度宅建試験合格を目指し、がんばりましょう。
市販テキストで宅建を勉強する受験生にとって、宅建テキスト選びは何より大切です。
宅建テキスト選びのお手伝いのため、当ブログでは現役宅建士のブログ管理人が実際にテキストを購入して詳細レビュー記事を書いています。本稿執筆時点で12冊の宅建テキストを紹介しました。
この記事ではそれらをまとめ、宅建初学者の方におすすめできる宅建テキスト/おすすめできない宅建テキストを紹介します。問題集・過去問題集についても紹介します。
大切な宅建テキスト・問題集・過去問集選びの参考になれば幸いです。
- おすすめする宅建テキストとは
- さくさく読める独学・初学者向けおすすめ宅建テキスト
- おすすめ過去問題集
- おすすめ問題集
- 予想問題集について
- 最高の情報量を誇るテキストで勉強したい受験生向け宅建テキスト
- その他の宅建テキスト
- 宅建テキスト(独学・初学者向け)についてのブログ管理人の考え方
おすすめする宅建テキストとは
本稿で紹介する宅建テキストを次の3つに分類しました。
- 「さくさく読める宅建テキスト」(600ページ以内)
- 時間に余裕があり、情報が広く深く網羅された宅建テキストで勉強したい受験生向けの「最高の情報量を誇る宅建テキスト」(約1200ページ)
- 1と2のどちらでもない「その他の宅建テキスト」(600〜700ページ)
2020年度宅建試験までまだ1年弱あり、今からならどのテキストを選んでも時間的余裕には問題ありません(これからの出版状況にもよります)。
しかしながら、宅建初学者がいきなり2のテキストで学習しはじめることはおすすめできません。2には宅建合格レベルをはるかに超えた情報まで記載されているからです。そこまで勉強する必要はありません。
3のテキストには合格に不要な情報が旧態依然と掲載しているテキストが混じっています。これもおすすめできません。
宅建初学者へおすすめできるのは、テキスト部分が600ページ以内の「さくさく読める宅建テキスト」です。
選ぶべき宅建テキストの条件
選ぶべき宅建テキストについて具体的に説明します。
①テキストのデザイン
- テキストのデザインはとても大切です。
- フルカラーだからといって何色も使っていたり、小さなフォントや読みにくいフォントを文章中に混在させているテキストは知らず知らずのうちに目に負担をかけています。同時にいろんな情報を処理しなければならないからです。
- 試験本番まで数百時間を共にする宅建テキストは目に負担がかからないようデザインされたものを選ぶべきです。
②テキストの内容
- 仕事や学業や家事で忙しい受験生にとって、宅建合格に不要な知識・情報をインプットする時間はありません。
- 「民法○○条」「国土利用計画法○○条」などの条文番号や宅建士の罰則を事細かに覚える必要はありません。合格に不要な知識はノイズです。
- 不要な知識が適切にカットされているテキスト、アドバイスがしっかりしているテキスト選ぶべきです。
とりわけ宅建独学・初学者はテキストに書いてあることを全て覚えようとします。合格に不要な知識が多分に含まれていることを知らないままに過剰な情報を覚えようと努力し、時間を無駄に消費します。
その結果、テキスト一周すらできないまま本試験を迎えてしまうのです。
そんなことにならないよう、当ブログでは「さくさく読める宅建テキスト」をおすすめしています。
なお、ブログ管理人の宅建テキスト選びの考え方・方針についての詳細は、目次最後の「宅建テキスト(独学・初学者向け)についてのブログ管理人の考え方」に書きました。時間がありましたらご参照ください。
みなさまの宅建テキスト・問題集・過去問題集選びの参考になれば幸いです。
注:テキストを購入したらネットサービスで必ず誤植の有無をチェックし、最新情報を入手しましょう。特に法改正事項は要注意です。平成30年度試験では法改正問題に対応できた受験生とそうでない受験生でかなり差がついたと推測されています。統計資料も必ずチェックしてください。
さくさく読める独学・初学者向けおすすめ宅建テキスト
LEC合格のトリセツ基本テキスト
注:2020年度版となる後継テキスト・問題集が出版されたため、リンクを差し替えさせて頂きます。
【レビューは2019年度版についてです。すでに購入済みですので近日中におレビューしますが、内容は民法改正への対応以外は目立った改訂は今のところ見当たりません。】
最もおすすめするのはLEC『きほんの宅建士 合格テキスト』。
フルカラーの分冊タイプです。テキスト部分は480ページほど。宅建テキストの中では内容をかなり絞り込んでおり、残り少ない時間で繰り返し学習するのにもっとも適しています。
書名 | 2019年版 きほんの宅建士 合格テキスト |
---|---|
価格 | ¥3,240(税込) |
Kindke版の価格 | ¥3,000(税込) |
分冊の有無 | 有 3分冊 |
ページ数 | ①権利関係196頁②宅建業法128頁 ③法令上の制限・税・その他156頁 |
発行所 | 株式会社東京リーガルマインド |
発行日 | 2018年10月25日(第2版) |
色 | フルカラー |
付録 | 付箋 |
ネットサービス | 有 |
著者名 | 友次正浩 |
著者の宅建合格点予想実績 | 平成30年度 36点・37点予想(的中) |
◆宅建本試験を解くのに不要な情報がきっちりカットされています(ただ単に情報量が少ないというわけではありません)。
◆宅建テキストが無駄を省いた内容になっているかどうかについて、初学者でも簡単に見分けられるポイントが3つあります。
※この3つのポイントを指摘したのは数ある宅建テキストレビュー記事でも当ブログ管理人が初めてでしょう。
- 「○○法○○条」は原則不要(宅建業法34条の2・35条・37条、農地法3条・4条・5条を除く)
- 宅建業法の罰則は深追い不要
- 国土利用計画法の事前届出も深追い不要
◆「○○法○○条」のうち、宅建合格のために覚えておくのは宅建業法34条の2・35条・37条、農地法3条・4条・5条くらいです。懇切丁寧に「○○法○○条」や条文まで記載されているテキストはおすすめできません。
◆宅建士の罰則を列挙するだけのテキストは避けましょう。罰則が羅列してあれば全部覚えようとするのが初学者です(管理人もそうでした)。でも、罰則を全部覚える必要はないのです。本書では「深追い厳禁」ときっちりアドバイスされています。
◆国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域については過去10年の宅建本試験ではほとんど出題されていません(※監視区域内の事前届出についてのみ出題されています)。したがって、国土法の事前届出についてまでも丁寧に解説しているテキストはおすすめできません。
◆本書はこれら3点のチェックポイントがすべてクリアされています。無駄な情報が適切にカットされている宅建テキストと判断しました。
◆さらに言えば、本文テキスト・図表いずれも視覚に負担がかかりにくくデザインされています。ひらたく言って読みやすいです。余白も多く、書き込みにも適しています。
◆以上、本書は合格に不要な情報がカットされていて読みやすくデザインされているテキストと言えます。
- 読みやすい大きさ・種類のフォントが使われていて、テキスト・図表とも視覚の負担がかかりにくい
- 無駄を省いた内容
- インターネットアフターサービスあり
- Kindle版あり
- 2018年度試験に出題された法改正問題(IT重説など)については記載されていないので補完する必要がある
【2019.8.8追記】テキストが手元に届いたら宅建業法から勉強することを強くおすすめします。宅建業法は得点源です。20点満点とるつもりで臨んでください。
『きほんの宅建士合格テキスト』は全42コース。短いコースは1日で3つこなし、最低でも21日以内にテキスト・問題集セットで1周を目指しましょう。
【2020年10月21日追記】2020年度版が出版されました。
<宅建士合格のトリセツ基本テキスト(2020年版)>
宅建士合格のトリセツ基本テキスト(2020年版)の発売日は2019年10月20日
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー 】2019年版きほんの宅建士合格テキスト(LEC) をご参照ください。
◆注意点があります。詳細レビューにも書きましたが、本書には2018年度試験に多く出題された2018年度法改正に関する記載(IT重説など)がありません。2019年度試験には出題されないと見越したためと思われますが、この点だけは気になります。当ブログの2018年度法改正記事(IT重説・低廉な空き家等)で補完していただければと思います
また、2019年度試験出題範囲の法改正情報および誤植の有無について、インターネットアフターサービスでかならずチェックしましょう。
◆なお、本書には宅建テキストでは数少ないKindle版が用意されています。スマホ・タブレットでいつでもどこでも学習できるだけじゃなく、PCの大きな画面でも読む事ができるのはとても便利です。デバイスでテキストを開きながら問題集を解くにも最適です。管理人は紙版もKindle版もレビュー用に購入し、Kindle版はiPadに常時入れてます。
ただし、Kindle版は固定レイアウトのため通常のKindle版書籍の機能(ハイライト等)は使えません(拡大はできます)。また、残念ながら音声読み上げ機能にも対応していません。iOS、Android両方で試しましたが不可でした。この点はご注意ください。
※うっかりandroidのTalkBack機能をオンにすると困ることがあるのでお気を付け下さい。
◆LEC『きほんの宅建士合格テキスト』とリンクしている問題集はLEC『きほんの宅建士 合格問題集』です。※誤植があります。正誤表を必ず確認してください。
【2020年10月21日】2020年度版が出版されました。
<宅建士合格のトリセツ基本問題集(2020年版)>
宅建士合格のトリセツ基本問題集(2020年版)の発売日は2019年10月20日
【スポンサーリンク】
//
TAC みんなが欲しかった!宅建士の教科書
次はTAC『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』です。テキスト単体のおすすめ度はTAC『スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト』のほうが上なのですが、『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』にはリンクしている問題集があるため、こちらを先にも紹介しておきます。フルカラー・3分冊タイプの宅建テキストです。
書名 | 2019年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の教科書 |
---|---|
価格 | ¥3,240(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 有 3分冊 |
ページ数 | ①宅建業法156頁②権利関係199頁 ③法令上の制限・税・その他190頁、④参考編19頁 |
発行所 | TAC出版 |
発行日 | 2018年11月15日(第2版) |
色 | フルカラー |
付録 | 赤シート、宅建士の問題集試し解き |
ネットサービス | 有 |
著者名 | 滝澤ななみ |
著者の宅建合格点予想実績 | 無 |
◆無駄が省かれた内容。好感が持てます。
◆フルカラーですが、赤シートにも対応しています。
◆イラスト付き要点解説(板書)には大小・各色のフォントが多用されていて、目が疲れます。ブログ管理人に本書のデザインは合いませんでした。
ただ、この点は受験生によって意見が別れるかもしれません。Amazonの商品ページで本書の一部を目視できます。かならずご確認ください。
- 赤シートで学習したい方には安心
- 無駄を省いた内容
- インターネットアフターサービスあり
- 掲載されている例題はダウンロード可
- 大小・各色のフォントが多用されており、人によっては見づらく感じる
【2020年10月22日追記】2020年度版が発売されました。
<2020年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の教科書>
2020年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の教科書の発売日は2019年10月26日
まだ2019年版ですが、詳細レビューは【宅建独学者向けテキスト】みんなが欲しかった! 宅建士の教科書 2019年度版 詳細レビュー をご参照ください。
◆本書とリンクしている問題集は、TAC『みんなが欲しかった!宅建士の問題集』(298問収録)です。
<2020年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別>
2020年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別の発売日は2019年10月26日
TAC スッキリわかる宅建士テキスト+過去問スーパーベスト
二色刷・分冊タイプのTAC『2019年度版 スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト』も合格に不要な情報がカットされていて読みやすい宅建テキストです。
TAC発行『2019年度版 スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト』基本データです。
書名 | 2019年度版 スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト |
---|---|
価格 | ¥3,240(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 有 8分冊 |
ページ数 | ①宅建業法171頁②法令上の制限133頁③権利関係前半150頁④権利関係後半+税・その他133頁 ⑤過去問272頁 |
発行所 | TAC出版 |
発行日 | 2018年11月30日 |
色 | 二色刷り |
付録 | 無 |
ネットサービス | 有 |
著者名 | 中村喜久夫 |
著者の宅建合格点予想実績 | 無 |
◆LEC『きほんの宅建士 合格テキスト』と同じく、本書も本文テキスト・図表いずれもスッキリ読みやすくデザインされています。
二色刷のほうが読みやすく感じる方にはこちらがおすすめです。
気になるのはテキストの強調箇所と本文・注釈を区切る縦線等の装飾の色があまり区別されていないため強調箇所が埋もれてしまいかねないことと、ページ端注釈のフォントが小さいことくらいです。
- スッキリ読みやすい(ただし強調箇所が埋もれてしまいかねない)
- 無駄を省いた内容
- インターネットアフターサービスあり
- 過去問スーパーベストはダウンロード可
- 過去問スーパーベストが必要かどうかの判断は人によって別れるかもしれない
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト2019年度版をご参照ください。
◆テキスト部分に関する欠点はとくに見当たらないのですが、過去問部分が必要なのかどうかが気になります。
なぜなら、問題数が97問しかないからです。
宅建のスッキリシリーズは本稿執筆時点で本書と『2019年度版 スッキリとける宅建士 過去問コンプリート12』だけです。単体の問題集を発売しないため、本書のようなテキスト+問題集形式にしたのかもしれませんが、帯に短し襷に長しの感が拭えません。上記2冊よりもおすすめ度は低いです。
この点が気にならず、フルカラーより二色刷りのほうが好みの初学者には向いている宅建テキストでしょう。
◆上述の通り、本書にはリンクしているシリーズ問題集がありません。LEC『きほんの宅建士 合格問題集』(300問収録)かTAC『みんなが欲しかった!宅建士の問題集』(298問収録)のどちらかが良いかと思います。
番外・なんとなく宅建マンガを買うならこっちがおすすめ→ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書
これから宅建の勉強を始めようとする初学者が、明確な目的なしになんとなく宅建マンガを買おうとしているなら、『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』を読むことをおすすめします。
以下、『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』詳細レビューからの抜粋です。
◆本書のボリュームは222ページ。宅建テキストでもコンパクトな部類に入る上記3冊の半分以下しかありません。
◆基本的に見開き2ページで1単元、左ページに文章(800字弱)、右ページの重要ポイントをまとめています。※初めて読むときは重要ポイントはさっと目を通すだけでかまいません。1回読んだ程度じゃ覚えられないからです。
◆本書は、とにかく最後まで完読することを目的にデザインされています。見開き2ページに目を通すのに5分もかかりませんので、500分ほどで通読できるでしょう。
800字弱の限られた文字数のなかで、宅建本試験を解くのに重要なトピックが読みやすい文章で書かれています。文章が秀逸です。
◆これ1冊ではテキストとしては情報量を絞り込まれすぎなのですが、宅建勉強の最初の1冊には適しています。
本書に目を通して宅建士試験の全体をつかんだら、次の宅建テキスト・問題集・過去問題集に移行するとスムーズにステップアップできると思います。
もちろん、すでに宅建マンガやテキストを購入しているならそれを何周も回しましょう。今から手を広げることは禁物です。
書名 | ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書 |
---|---|
価格 | ¥1,620(税込) |
Kindke版の価格 | ¥950(税込) |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | 222頁 |
発行 | (株)KADOKAWA ※監修:LEC東京リーガルマインド |
発行日 | 2019年2月16日 |
色 | フルカラー |
付録 | 無 |
ネットサービス | 無 |
著者 | 水野健 |
宅建合格点予想実績 | 2018年度 36点・37点(的中) |
【スポンサーリンク】
//
おすすめ過去問題集
宅建過去問題集は、最低10年分が収録されていて、各問・各選択肢に難易度・重要度が明記されているものが良いです。
宅建は原則としてすべての肢を一問一答のつもりで解くべきです。個数問題・組み合わせ問題対策のためです。
しかしながら、中には深入りする必要の無い肢(捨て問・捨て問題)が紛れ込んでます。例えば平成27年度問4肢4がそうです。
平成27年度問4肢4について、『みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集』では「できなくても問題ナシ」、『スッキリとける宅建士過去問コンプリート12』では「肢1、2、3が特に重要」と捨て問について表記されています。どちらも直近12年分の過去問を収録しています。
これら2冊のどちらかをおすすめします。
※両者の大きな違いは過去問の並べ方です。
◆例えば”時効”について、”重要事項説明”についてなど、項目ごとに集中的に過去問に取り組むには『2019年度版スッキリとける宅建士 過去問コンプリート12』がとても便利です。
◆過去問1年分50問ずつ学習するには『2019年度版みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集』が良いです。合格点が高い年から低い年の順に掲載されています。
直近12年分の過去問題を収めた宅建過去問題集のレビューは「【宅建士試験2019】おすすめできる/できない宅建過去問題集:詳細レビュー」をご参照ください。
過去問と正解番号は不動産適正取引推進機構HPに掲載されています。→一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験の概要 | 宅建試験の問題及び正解番号表
【スポンサーリンク】
//
おすすめ問題集
宅建問題集はテキストとリンクしているもの、そして重要度ランクのあるものがおすすめです。
例えばLEC『きほんの宅建士 合格問題集』には、各問についてテキストのどこを参照すれば良いのか出題ページに明記されています。調べたいときにテキストのどこを見ればよいのかが一目でわかる構成になっています。
一方、テキストにリンクしていない問題集を選ぶとこの手間が増え、余計な時間がかかります。本試験までの残り時間を考慮すると避けた方がよいでしょう。
予想問題集について
【追記 2019.7.30】このところ、有り難いことに「宅建 予想問題集 おすすめ」の検索ワードで当記事をご覧いただく方が増えております。
しかしながら、ブログ管理人は市販予想問題集はおすすめしておりません。
理由は、自身が宅建受験1年目に使った市販予想問題集(5回分)の問題が正直言って良くなかったからです。過去問ではそれなりに得点できるのに市販の問題だとぜんぜん点が取れず・・・混乱してしまい、残り4回は放置してしまいました。
とはいえ、予想問題を解いておきたい気持ちはよくわかります。
とりあえず1回分を、というなら未来問で良いでしょう。紹介する理由は無料だからです。
AIが予測した宅建士試験問題、『未来問』無料プレゼント中 | 資格スクエア
メールアドレスの登録は必要ですが、フリーメールアドレスでかまわないのでyahoo等で適当に作ったものでもOKです。
市販のものだと、宅建みやざき塾の宮嵜先生がご自身の講座で使っているTACのあてる宅建と日建学院の宅建直前予想模試のどちらかが良いかもしれません。
最高の情報量を誇るテキストで勉強したい受験生向け宅建テキスト
LEC『得る順宅建士 合格テキスト』
最高の情報量を誇る宅建テキストで勉強したい受験生におすすめするのは、LEC『出る順宅建士 合格テキスト』です。ちなみに本書はLEC各講座の教材のみならず、5問免除登録講習教材にもなっています。
LEC『2019年版 出る順宅建士 合格テキスト』基本データです。 このテキストは3冊構成になっています。「3分冊」ではなく「3冊」です。
書名 | 2019年版 出る順宅建士 合格テキスト |
---|---|
価格 | ①権利関係¥2,484 ②宅建業法¥2,052③法令上の制限・税・その他¥3,024(税込) |
Kindke版の価格 | 有 ①権利関係¥2,300 ②宅建業法¥1,900③法令上の制限・税・その他¥2,800 |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | ①権利関係428ページ ②宅建業法306頁③法令上の制限・税・その他469頁 |
発行所 | 東京リーガルマインド |
発行日 | 2018年12月20日(第32版) |
色 | 二色刷り |
付録 | 無 |
ネットサービス | 有 |
著者名 | 無 |
著者の宅建合格点予想実績 | 無 |
◆このテキストは次の3冊から成っています。
- 権利関係(428頁)
- 宅建業法(306頁)
- 法令上の制限・税・その他(469頁)
ページ数はいずれもテキスト部分のみ(巻頭の「はしがき」や「本書の使い方」は含まず)、総計1,203ページです。ブログ管理人が知る限りでは市販の宅建テキスト中、最大の分量を誇ります。
◆すでに述べたとおり、宅建本試験で覚えておくべき「○○法○○条」はごく限られます。
それにもかかわらず、本書では権利関係のみならず法令上の制限に至るまで「○○法○○条」が記載されています。条文自体が書かれているものもあります。他には類を見ない宅建テキストです。
ちなみに国土利用計画法はなんと24ページも割いて詳細に説明しています。そこまでの知識は宅建合格には不要です。
- 市販宅建テキストで最高の情報量を誇る
- 時間に余裕のある受験生向け
- インターネットアフターサービスあり
- 初学者がさくさく読み進められるテキストではない
試験範囲を超えてまでもがっちり勉強したい方にとってこれ以上のテキストはないでしょう。詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】出る順宅建士合格テキスト2019年度版 をご参照ください。
3冊のうち『①権利関係』のリンクだけ貼っておきます。3冊ともKindle版があります。
◆本書にリンクしているのは『出る順宅建士 ウォーク過去問問題集』です。こちらも3冊シリーズ。モノクロですが、サイズが若干小さくなっていて携行しやすくなっています。各問には合格者正解率/不合格者正解率/受験者全体の正解率と重要度が記載、重要選択肢に☆マークが施されている点など、問題集としての完成度は高いです。
3冊での総問題数は550問、市販問題集では最多の分量です。宅建本試験まで4ヶ月を切った今としては問題数が多いため消化不良になるかもしれません。ただし、苦手分野を1冊だけ購入して徹底する、という使い方なら良いかもしれません。
【スポンサーリンク】
//
その他の宅建テキスト
その他の宅建テキストを紹介します。
LEC『2019年版 出る順宅建士 合格テキスト』ほどではないにしても、分量が多いテキストや合格に不要なテキスト、デザインが練られていないテキストは独学・初学者にはあまりおすすめできません。
とはいえ、これらの中にも受験生各自のニーズに合うテキストがあるかもしれません。
基本データと特徴のみお伝えしますので、気になるものがあれば各テキストの詳細レビューをお読みください(当ブログのカテゴリー「宅建テキスト・問題集」をクリックしてください)。
TAC『わかって合格る 宅建士基本テキスト』
書名 | 2019年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト |
---|---|
価格 | ¥3,240(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | ①権利関係222ページ ②宅建業法162頁③法令上の制限162頁④その他関連知識74頁+厳選過去問51頁 |
発行所 | TAC出版 |
発行日 | 2018年12月19日 |
色 | フルカラー |
付録 | 赤シート |
ネットサービス | 有 |
著者名 | 木曽計行 |
著者の宅建合格点予想実績 | ー |
- 図表は見やすい
- テキスト本文に過去問出題年が表記されていて、頻出箇所がすぐ判別できる
- インターネットアフターサービスあり
- 本文テキストに複数種のフォントが混在しているため、目が疲れやすい(人によりけりなので要確認)
- 『出る順宅建士 合格テキスト』ほどではないけれど情報量はかなり多い。宅建合格に不要な情報も記載されており、初学者がさくさく読み進められるテキストとは言えない
別売りで講義DVDもあります。
◆詳細は【宅建テキスト】TACわかって合格る宅建士基本テキスト2019年度版 詳細レビュー をご参照ください(講義DVDについてはレビューしていません)。
◆本書には『わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS<プラス>』という過去問題集があります。購入して中身を確かめましたが、本書とリンクしていること・各問の重要度があることは良いとして、残念ながら各肢の重要度がありません。Amazon・楽天へのリンクは割愛させていただきます。
日建学院『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』
書名 | 日建学院『2019年度版 どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』 |
---|---|
価格 | ¥3,024(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | 権利関係241ページ、宅建業法172頁、法令上の制限135ページ、税・鑑定41ページ、免除科目49ページ |
発行所 | 株式会社建築資料研究社 |
発行日 | 2018年12月10日 |
色 | 二色刷り |
付録 | 無 |
ネットサービス | 有 |
著者名 | 無 |
著者の宅建合格点予想実績 | 無 |
- 丁寧に書かれている(その分、情報量は多い)
- 時間に余裕のある受験生向け
- インターネットアフターサービスあり
- 初学者がさくさく読み進められるテキストとは言い難い
- 情報量が多いため、あまり勉強時間がとれない受験生にはおすすめしない
◆丁寧に書かれている良い宅建テキストではありますが、分量が多めなため、さくさく読めるとは言い難いテキストです。とは言え、LEC『出る順宅建士 合格テキスト』及びTAC『わかって合格る宅建士 基本テキスト』ほどではありません。
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】日建学院 2019年度版 どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト をご参照ください。
分冊タイプより1冊まるごとのテキストのほうが好みなら本書が適しているかもしれません。
◆本書のシリーズには『とことん宅建士本試験問題ズバッ!と11』があります。購入していないので中身を確かめていません。リンクは割愛させていただきます。
宅建学院『らくらく宅建塾』
書名 | 2019年版 らくらく宅建塾 |
---|---|
価格 | ¥3,240(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | 532頁(権利関係272頁、宅建業法122頁、法令上の制限・税・その他131頁 |
発行所 | 宅建学院 |
発行日 | 2018年12月17日(改訂第3版) |
色 | 2色刷り(重要ポイントに赤字を使用) |
付録 | 赤シート |
ネット情報サービス | 無 |
著者名 | ー |
著者の宅建合格点予想実績 | ー |
- 昔ながらのテキストが好みの受験生向け
- 語呂合わせが好きな受験生向け
- 権利関係重視の受験生向けではあるが・・・それならより詳細なテキストのほうが適しているだろう
- 宅建本試験に不要な知識まで記載されている
- インターネットアフターサービスなし
◆今どき、インターネットでのアフターサービスがないのはいかがなものかと思います・・・
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】2019年版 らくらく宅建塾 をご参照ください。辛口レビューです。
◆権利関係重視のテキストではありますが、権利関係を重点的に勉強したいならLEC『出る順宅建士 合格テキスト①権利関係』のほうが良いかもしれません。
◆『らくらく宅建塾』にはシリーズの『宅建士問題集 過去問宅建塾』(3冊シリーズ)があります。購入していませんのでリンクは割愛させていただきます。
史上最強の宅建士テキスト
書名 | 2019年版 史上最強の宅建士テキスト |
---|---|
価格 | ¥3,132(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 無(巻末過去問のみ分離) |
ページ数 | ①宅建業法147頁②権利関係206ページ③法令上の制限162頁④税・その他88頁+実力判定過去問55頁 |
発行所 | ナツメ社 |
発行日 | 2019年1月4日 |
色 | フルカラー |
付録 | 赤シート |
ネットサービス | 無 |
著者名 | オフィス海、監修:家坂圭一 |
著者の宅建合格点予想実績 | ー |
- 権利関係のイラストはわかりやすい
- 不要な情報がカットされている
- 複数種・大きさ・色のフォントが混在しているため、目が疲れやすい(人によりけりなので要確認)
◆内容そのものは良い宅建テキストなのですが、①本文テキスト・表・「覚えておこう」と題した暗記事項をまとめた表、他にもありますが、紙面に大きさ・色・種類が異なるフォントが混在していること、②特にテキスト本文と強調箇所(黒太字)のフォントが違う上、赤の下線まで引かれていること、③小さなフォントが多めなこと、これらのため目がとても疲れます。
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】2019年版 史上最強の宅建士テキスト をご参照ください。
◆残念ながらAmazonのページでは本書の誌面を確認できません。気になる方は書店で手に取ってデザインを確かめてからから購入することをおすすめします。
◆本書の「売り文句」は「本試験カバー率」の高さ。過去問で出題された問題のカバー率の数値を明記しています。
しかしながら、受験生にとって真に必要なのはまだ見ぬ問題への対応力、特に法改正問題をどう「カバー」するかではないでしょうか?だからこそ出版各社は法改正情報についてインターネットのURLページを記載したり、ハガキを添付して郵送での対応をしたりとアフターサービスへの余念が無いのです。
実際、平成30年度試験で明暗を大きく分けたのが法改正問題で得点できたかどうかと言われています。法改正問題への対応は今の宅建ではとても重要なのです。
にもかかわらず、本書の法改正への対応は未知数と言わざるを得ません。
その理由は、本書冒頭の目次(Part4 税・その他)の下に、非常に小さなフォントで「2019年度の法改正情報は、2019年8月に、ナツメ社Webサイトにて掲載する予定です」としか書かれていないからです。該当ページのURLすら記載されていません。
同社サイトを確認したところ、本書の正誤表(※すでに訂正箇所があるので要チェック!)はありますが、本稿執筆時点では法改正についての記載はありませんでした。
同社の検索窓に「宅建」と入力したところ、ヒットしたのは本書だけです。ナツメ社では本書が唯一の宅建テキストのようです。サイト内をあれこれ探したのですが、法改正への対応がうかがえる手がかりは得られませんでした。
このため、現時点では本書の法改正対応については評価のしようがありません。購入なさる方は、8月になったら同社サイトを必ずチェックして法改正情報を入手しましょう。
【追記2019.7.14】ナツメ社HPを確認したところ正誤表および法改正・統計情報PDFがアップされていました。必ず確認しておきましょう。
2019年版 宅建士基本テキスト タキザワ講義付き。
書名 | 2019年版 宅建士基本テキスト タキザワ講義付き。 |
---|---|
価格 | ①権利関係¥961 ②法令上の制限・税・その他¥961③宅建業法¥961(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | ①権利関係269ページ ②法令上の制限・税・その他237頁③宅建業法196頁 |
発行所 | 株式会社E-prost |
発行日 | 2018年11月 30日(①・②)、2019年1月10日(③) |
色 | 二色刷り |
付録 | 無 |
ネットサービス | 有 |
著者名 | 瀧澤宏之 |
著者の宅建合格点予想実績 | 平成30年度宅地建物取引士資格試験 36点・37点予想(的中) |
- 動画講義とリンクしている
- テキストは総じて読みやすい
- インターネットサービスが他社の宅建テキストより充実している
- 条文・判例情報さえカットされていれば、と言わざるを得ない
◆3分冊ではなく、3冊のテキストです。とはいえ、各冊は¥961。3冊購入しても3分冊テキストと同程度の価格に抑えられています。
◆本書の最大の欠点は「民法○○条」および判例までもが書かれていること。それ以外はデザインも読みやすく、不要な情報についても適切なアドバイスが施されています。
国土利用計画法について補足説明(VOL.3 P.193 ページ右欄)に「過去の出題を見ると、罰則の内容で引っ掛けるような問題はほとんどない。したがって、主なものについて罰則の有無を知れば十分だ」とあるなど、受験生が深入りすることなく学習できるように気配りされています。
さらに、タキザワ宅建予備校の「宅建基法講座」動画とリンクしているため、テキストだけでは今一つ頭に入りにくくても、映像と音声によってより効果的な学習が期待できるかもしれません。※動画講義は講師によって各人に合わないケースがあります。テキスト購入前に動画を確認しておいたほうが良いです。
◆しかしながら、本書最大の欠点である「民法○○条」および判例までもが書かれていることによって受験生にとって不要な情報が多分に目に付きます。
さらにこのことによってページ数が膨らんでいると思われます。3冊合計で700ページを超えるため、宅建本試験まで4ヶ月を切った今からの反復学習には向きません。
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】2019年版 宅建士基本テキスト タキザワ講義付き。をご参照ください。
インターネットでのフォローも充実しているため良いテキストではありますが、テキスト本文の情報から条文・判例をカットしながら勉強することを強いるため、本書は「初学者がさくさくと繰り返し読みこなしてどんどんインプットする」タイプの宅建テキストとは言えません。
2019年版 ユーキャンの宅建士速習レッスン
書名 | 2019年版 ユーキャンの宅建士速習レッスン |
---|---|
価格 | ¥3,024(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | ①宅建業法194頁②権利関係236ページ ③法令上の制限150頁④税・その他99頁 |
発行所 | 株式会社ユーキャン 学び出版 |
発行日 | 2018年12月 7日 |
色 | 二色刷り |
付録 | 無 |
ネットサービス | 有 |
編者 | ユーキャン宅建士資格研究会 |
宅建合格点予想実績 | 平成30年度宅地建物取引士資格試験 36点・37点・38点予想(的中) |
- 宅建試験の4分野を全60レッスンに構成、勉強スケジュールを立てやすいとは言える
- テキストの文章そのものは読みやすいものの、全体にフォントが小さい点はマイナス
- 問題分析が今一つ
- 宅建本試験まで残り4ヶ月を切ってから勉強を始める受験生にとっては分量が多すぎる
2020年度版が発売されました。
◆分冊ではなく、1冊丸ごとのテキストです。
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】2019年版 ユーキャンの宅建士速習レッスン に書きました。以下、抜粋します。
◆総ページ数は722ページ(索引含む)。ブログ管理人が知る限りでは市販の宅建テキストで最高の分量を誇るLEC『出る順宅建士 合格テキスト』より500ページほど少ないものの、TAC『わかって合格る 宅建士基本テキスト』より50ページほど、LEC『2019年版きほんの宅建士 合格テキスト』より200ページほど多いです。宅建テキストの中では分量が多い部類に入ります。
◆「民法○○条」とは書かれていません。ただし、国土利用計画法には18ページも費やしています。規制区域については欄外アドバイスに「出題の可能性がかなり低いのであまり細かい知識を詰め込む必要はありません」とありますが、それなら事前届出制とともにもっと簡略すれば良いのに、と思います。
◆宅建士の罰則もぎっしりとは詰め込まれてはいませんが、受験生へのアドバイス、例えばタキザワには「過去の出題を見ると、罰則の内容で引っ掛けるような問題はほとんどない。したがって、主なものについて罰則の有無を知れば十分だ」と記されていますが、本書にはありませんでした。問題分析の結果を読者に伝える配慮が今一つと指摘せざるを得ません。
2019年版 パーフェクト宅建士の基本書
書名 | 2019年版 パーフェクト宅建士の基本書 |
---|---|
価格 | ¥3,024(税込) |
Kindke版の価格 | 無 |
分冊の有無 | 無 |
ページ数 | ①権利関係225頁②法令上の制限203頁③宅建業法174頁④その他122頁 |
発行所 | (株)住宅新報出版 |
発行日 | 2018年11月 5日 |
色 | 二色刷り |
付録 | 無 |
ネットサービス | 法改正等修正情報についてのみWebで確認可 |
編者 | (株)住宅新報出版 |
宅建合格点予想実績 | 無 |
- 宅建用語・判例ナビは便利(ただし受験生には不要)
- 条文番号が記載されていること、問題分析の結果を受験生に伝える配慮がなされていない
- テキスト全体にフォントが小さい
- 宅建本試験まで残り4ヶ月を切ってから勉強を始める受験生にとっては分量が多すぎる
◆初版発行が1991年5月という「老舗」の宅建テキスト。分冊なしの丸ごと1冊の宅建テキストです。
◆詳細は【宅建テキスト詳細レビュー】2019年版 パーフェクト宅建の基本書 に書きました。以下、抜粋します。
◆総ページ数は729ページ(索引あり)。ブログ管理人が知る限りでは市販の宅建テキストで最高の分量を誇るLEC『出る順宅建士 合格テキスト』より500ページほど少ないものの、TAC『わかって合格る 宅建士基本テキスト』より50ページほど、LEC『2019年版きほんの宅建士 合格テキスト』より200ページほど多いです。宅建テキストの中では分量が多い部類に入ります。
◆「民法○○条」と書かれています。また、国土利用計画法に15ページを、宅建業法の宅建士の罰則では主なものとして3ページにわたって36もの罰則を列挙しています。どちらにも受験生へのアドバイスがありませんでした。問題分析の結果を読者に伝える配慮が欠けていると指摘せざるを得ません。
◆老舗テキストであり、宅建試験終了の翌月には書店店頭に並ぶためよく見かけるテキストではありますが、編集時期が平成30年9月です。平成30年度宅建試験は過去最高の37点をマークするなど問題分析は欠かせないというのに本書冒頭の「宅建試験の傾向分析と対策」は平成29年度試験をベースにしています。この点は改善してほしいものです。
◆以上の点から、本書は初学者が指針なしで取り組むには荷が重いテキストと言えます。宅建士試験まで4ヶ月を切ってからはおすすめできません。
【スポンサーリンク】
//
宅建テキスト(独学・初学者向け)についてのブログ管理人の考え方
独学・初学者向け宅建テキスト選びについてのブログ管理人の考え方を述べさせていただきます。
文章の書き方・説明の仕方は評価対象外
当ブログでは宅建テキストの「文章の書き方・説明の仕方」は評価対象外としています。テキスト本文の書き方の違いが合格を左右するほど宅建は甘くありません。
その理由は極めてシンプル。
市販書籍を使う受験生の合格率は推計8%前後と、大手通信教材やLEC・TAC等資格スクール利用の受験生合格率よりはるかに低いからです。市販テキストでの宅建合格はかなりの狭き門なのです。
その理由の最大の要因は、学習時間(学習期間)の短さと思われます。
資格スクールの中には、6月時点で宅建試験範囲の学習を一通り終え、1回目の模擬試験を実施するところがあります。7月以降は弱点の克服に入ります。
一方、独学の場合、3ヶ月の勉強で合格した等のネット記事を鵜呑みにして7月の宅建士試験申し込みを終えてから勉強を始める方(ブログ管理人の受験1年目がそうでした)がいます。
当然ですが、勉強時間・期間が圧倒的に足りません。資格スクール利用の受験生と差がつくのは必至です。
それを承知で市販テキストによる独学での宅建合格を目指すのであれば、テキスト・問題集・過去問集・ネット動画を何度も何度も反復学習するしかないのです。テキスト文言の多少の違いなど、テキストを繰り返し読んでいれば気にならなくなります。
テキストのちょっとした文言の違いにこだわるよりも、反復学習に適したテキストを最初から選ぶことのほうがよほど大切なのです。
では、どのようなテキストが反復学習に適しているのでしょうか?
それは無駄が少なくて目が疲れにくいテキストです。
おすすめするのは合格に不要な情報がカットされていて読みやすくデザインされた宅建テキスト
宅建テキストは各社から様々なものが発売されています。本稿執筆時点でブログ管理人の手元にはテキストだけで16種(計20冊)あります。
これらの宅建テキストに共通しているのは、どんなに丁寧に書かれているテキストだろうと、内容を極端に絞ったテキストだろうと、1回読んだだけで宅建本試験問題に挑んでもろくな点はとれないことです。
どのテキストだろうと1回読んだ程度で合格に必要なインプットはできません。だからこそ宅建テキストは何回も何回も何回も何回も読み込まねばならないのです。
そのためには無駄が少なくて目が疲れにくいテキストが最適です。
無駄が少なくて目が疲れにくいテキストとは、「合格に不要な情報がカットされていて読みやすくデザインされているテキスト」に他なりません。
合格に不要な情報がカットされているテキストとは?
宅建を初めて受ける方が「宅建 テキスト」や「宅建 テキスト おすすめ」で検索し、上位表示の記事がすすめるテキストを漫然と選んでしまうのはしかたないと思います。
でも、そういった記事のおすすめテキストの中には、宅建本試験にはまず出題されない知識を何年も続けて掲載しているものが見受けられます。
でもちょっと考えてみてください。本試験に出題される可能性が非常に低い知識までインプットすることが受験生にとって有益と言えるでしょうか?
ブログ管理人はそうは思いません。
なぜなら、仕事や家事や学業の合間を縫って勉強する受験生には、本試験に不要な知識までインプットする時間なんか無いからです。
合格に必要な知識がテキストに載っているのは当然のこと。しかしながら、合格に不要な情報まで記載しているテキストを選んでしまったら時間はいくらあっても足りません。
あなたは、貴重な時間を割いてまで試験で問われない・出題されないことまで勉強したいですか?
時間を自由に使えず、試験範囲の知識をあまり知らない初学者に適しているのは、合格に不要な情報を適切にカットしているテキストなのです。
読みやすくデザインされたテキストとは?
読みやすいフォント・色・紙面構成になっているテキストを選ぶことはとても大切です。なぜなら、テキストの読みやすさは視覚への負荷の度合いに直結するからです。
小さな字が紙面にぎっしり詰め込まれているテキストは読みやすいでしょうか?
いろんな種類・大きさ・色のフォントが混ざっているテキストは読みやすいでしょうか?
小さなフォントで書かれていると、それだけで視覚に負荷がかかります。いろんな種類・大きさ・色のフォントが使われていたらなおさらです。
今やフルカラーのテキストが主流になりつつありますが、フルカラーだからと言って読みやすくデザインされているとは限りません。読みやすさを意図したはずが、むしろ情報過多になっているフルカラーテキストも見受けられます。
テキストは合格まで長い時間を共にする相棒です。
繰り返し繰り返し何度も何度もひらくテキストは、読みやすいフォント・色・構成にデザインされた、「さくさく読めるもの」を選ぶべきです。
独学・初学者が選ぶべきテキスト
以上をまとめると、独学・初学者が選ぶべき「さくさく読める」宅建テキストはこれら2つのポイントがそろったものと言えます。
- 合格に不要な情報がカットされているテキスト
- 読みやすいフォント・色・紙面構成にデザインされているテキスト
自分に合った宅建テキストを選び、1日も早く試験対策を始めましょう!
Source: 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ