宅建試験における5問免除者と一般受験者の合格率の違いについて
2020年1月1日更新
宅建試験における5問免除者と一般受験者の合格率が違うことをご存じでしょうか?
この記事では、宅建試験の合格率について、5問免除者と一般受験者、そして両者の差を紹介します。自分に必要な本当の宅建合格率データをおさえておきましょう。
- 宅地建物取引士資格試験(宅建)の3つの合格率とは?
- 5問免除講習講習修了者の宅建合格率
- 一般受験者(5問免除講習非修了者)の宅建合格率
- 一般受験者と5問免除講習修了者の宅建合格率の違い
- 宅建合格率のまとめ
宅地建物取引士資格試験(宅建)の3つの合格率とは?
宅地建物取引士資格試験は(宅建)は、毎年約20万人が受験する最大の不動産系資格試験です。
宅建はいろんな方が受験しますが、大きく分けると2種類の受験者がいます。
一つは宅地建物取引業従事者だけが受けられる登録講習(法定講習・登録実務講習とは違います)を修了した受験者です。彼らは宅建本試験50問中問46〜50の5問が免除されます。このため、登録講習は5問免除講習とも呼ばれていますので、ここでは5問免除講習修了者と呼んでおきます。
もう一つは宅地建物取引業に従事していないため登録講習を受けられず、宅建本試験50問全てを解かねばならない一般受験者です。宅建JP管理人もそうでした。
したがって、ひとくちに「宅建の合格率」と言っても、宅建の合格率には次の3つがあることになります。
①受験者全体の合格率
②5問免除講習修了者の合格率
③一般受験者の合格率
これらのうち、この記事では②・③について紹介します。
(データの出典は宅地建物取引士 – Wikipediaなど)
5問免除講習講習修了者の宅建合格率
5問免除講習修了者の合格率を見てみましょう(5問免除なので合格点はマイナス5点にしてあります)。
年度 | 合格点 | 合格率 | 合格者 |
---|---|---|---|
平成20年度(2008年度) | 28点 | 22.6% | 8,690 |
平成21年度(2009年度) | 28点 | 26.6% | 9,726 |
平成22年度(2010年度) | 31点 | 19.7% | 6,697 |
平成23年度(2011年度) | 31点 | 19.3% | 6,674 |
平成24年度(2012年度) | 28点 | 22.6% | 8,100 |
平成25年度(2013年度) | 28点 | 21.0% | 7,796 |
平成26年度(2014年度) | 27点 | 24.9% | 10,010 |
平成27年度(2015年度) | 26点 | 20.2% | 8,438 |
平成28年度(2016年度) | 30点 | 20.0% | 8,821 |
平成29年度(2017年度) | 30点 | 19.9% | 9,464 |
平成30年度(2018年度) | 32点 | 20.6% | 10,364 |
受験者全体の合格率とだいぶ違うことがわかります。
平成23年度試験の19.3%〜平成21年度試験の26.6%の幅があります。
- 全体での合格率:15〜17%
- 5問免除講習修了者の合格率:19〜26%
ざっと4〜9ポイントの違いがあります。これは大きいです。もし、この記事を読んでいるあなたが5問免除講習を受けられるのであれば、迷わず受けるにこしたことはありません。
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一般受験者(5問免除講習非修了者)の宅建合格率
最後に宅建一般受験者(5問免除講習非修了者)の合格率を見てみましょう。
年度 | 合格点 | 合格率 | 合格者 |
---|---|---|---|
平成20年度(2008年度) | 33点 | 14.8% | 25,256 |
平成21年度(2009年度) | 33点 | 15.9% | 25,192 |
平成22年度(2010年度) | 36点 | 14.2% | 21,614 |
平成23年度(2011年度) | 36点 | 15.4% | 23,717 |
平成24年度(2012年度) | 33点 | 15.4% | 23,900 |
平成25年度(2013年度) | 33点 | 13.9% | 20,674 |
平成26年度(2014年度) | 32点 | 15.6% | 23,660 |
平成27年度(2015年度) | 31点 | 14.1% | 21,590 |
平成28年度(2016年度) | 35点 | 14.1% | 21,768 |
平成29年度(2017年度) | 35点 | 14.3% | 23,180 |
平成30年度(2018年度) | 37点 | 14.1% | 22,996 |
平成25年度試験の13.9%〜平成21年度試験の15.9%の幅があります。
- 一般受験者の合格率:13〜15%
- 全体での合格率:15〜17%
- 5問免除講習修了者の合格率:19〜26%
一般受験者と5問免除講習修了者との合格率には6〜11ポイントの違いがある、と言い切るのはちょっとざっくりすぎるので、それぞれの年での合格率の違いを見てみましょう。もう少しおつきあいください。
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一般受験者と5問免除講習修了者の宅建合格率の違い
一般受験者と5問免除講習修了者の各試験年度毎の合格率の違いを表にしました。
年度 | 一般受験者 | 5問免除講習修了者 | 差分 |
---|---|---|---|
平成20年度(2008年度) | 14.8% | 22.6% | 7.8 |
平成21年度(2009年度) | 15.9% | 26.6% | 10.7 |
平成22年度(2010年度) | 14.2% | 19.7% | 5.5 |
平成23年度(2011年度) | 15.4% | 19.3% | 3.9 |
平成24年度(2012年度) | 15.4% | 22.6% | 7.2 |
平成25年度(2013年度) | 13.9% | 21.0% | 7.1 |
平成26年度(2014年度) | 15.6% | 24.9% | 9.3 |
平成27年度(2015年度) | 14.1% | 20.2% | 6.1 |
平成28年度(2016年度) | 14.1% | 20.0% | 5.9 |
平成29年度(2017年度) | 14.3% | 19.9% | 5.6 |
平成30年度(2018年度) | 14.1% | 20.6% | 6.5 |
一般受験者と5問免除講習修了者の合格率の違いがもっとも小さかったのは平成23年度試験の3.9ポイント、もっとも大きかったのは平成21年度試験の10.7ポイントでした。
したがって、宅建一般受験者と5問免除講習修了者との合格率の違いは3.9〜10.7ポイント(差分の平均は6.8ポイント)。平成27年度以降は約6ポイントと言えます。
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宅建合格率のまとめ
宅地建物取引士資格試験(宅建)の合格率をまとめます。
①受験者トータルでの合格率:15〜17%
②5問免除講習修了者の合格率:19〜26%
③一般受験者の合格率:13〜15%
④一般受験生と5問免除講習者の合格率の違い:3.9〜10.7ポイント(平成27年度以降は約6ポイント)
一般受験生と5問免除講習者の合格率には、それぞれの年で3.9〜10.7ポイントの違いがありました。
宅建に合格する上では、5問免除講習修了者のほうが一般受験者よりだんぜん有利です。
5問免除の優位性は、5問免除問題が難しいほど上がります。
逆に、5問免除問題がさほど難しくなければ、5問免除の優位性は低くなります。
とは言え、5問免除問題がさほど難しくない年であっても5点のアドバンテージは大きいです。5問免除講習受講者たちは、5問免除で出題される住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物について勉強する時間を、他の分野にあてられるのですから。
「一般受験者の宅建合格率は13〜15%にすぎない」と心得よう
宅建は全受験者の上位15〜17%が合格する試験です。
平成30年度を例にすると合格者は上位15.6%の33,360名でした。
このうち、5問免除講習修了者は10,364名。合格者の31%をも占めました。
このため、一般受験生は残り69%の枠をめぐって鎬を削ることになったのです。
一般受験者の合格率は13〜15%にすぎません。
一般受験者の中には資格スクールに通ったり、宅建講師の教材を利用している受験生がたくさんいます。彼らは教材と情報の面で独学者よりも優位に立っています。独学者は資格スクール等の利用者よりも努力が必要なのです。
合格ライン・合格点ボーダーぎりぎりの中では1点の違いで数千人以上の合否がわかれます。
このエントリーを読んでいるあなたが宅建業従事者なら、5問免除講習は絶対に受けておくべきです。
そうでない一般受験者ならば、5問免除問題についての目配りが欠かせません。
もちろん、5問免除講習受講者と一般受験者の差は5問免除問題だけではないでしょう(何しろ、日頃から宅建業に勤しんでいるのですから)。
一般受験者は、5問免除講習受講者の合格率との差をあらためて認識し、1点でも多く取れるよう(特に、絶対落としてはいけない問題をきっちり取れるよう)日々の努力を怠らないようにしましょう。
Source: 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ