【ベイルート=小川知世】日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)が保釈条件に違反してレバノンに逃亡した問題で、同国法務省は2日、国際刑事警察機構(ICPO)から元会長の身柄拘束を求める「国際逮捕手配書」を受け取ったと明らかにした。手配書はゴーン元会長の拘束と、日本への引き渡しを求める内容とみられる。
レバノンのセルハン法相は2日、AP通信の取材に、ゴーン元会長を日本には引き渡さないと述べ、国際手配に応じない考えを示した。司法当局関係者は元会長から事情を聴くことは検討中だとしている。
国際的な訴訟手続きに詳しい現地の弁護士によると、ICPOの国際手配に強制力はなく、執行するかはレバノンの司法判断に委ねられる。レバノン法は自国民を外国に引き渡すことを禁じており、元会長が出国しない限り、身柄を拘束される可能性は低いという。
ゴーン元会長は保釈条件に違反して日本からレバノンに逃亡した。出国記録がなく、正規の手続きを経ていない可能性が高い。政府関係筋によると、元会長はフランスのパスポートでレバノンに入国したといい、レバノン政府は合法的な入国だったと認めている。
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