今の若者が「ゴルフ」をやっていない切実な事情

実際に大学生の声をアンケートで聞いてみた

今の若者たちはゴルフのことをどう思っているのでしょうか?(写真:IYO / PIXTA)

20歳前後の大学生は、ゴルフにどんなイメージを持っているのだろうか?

2019年に、筆者の所属する日本ゴルフジャーナリスト協会(JGJA)が、武蔵野美術大学(武蔵野美大)で「ゴルフビジネス論」という講義を行うことになり、JGJAに所属する会員が専門に応じて前期、後期で1コマずつを担当。その中で「青少年にゴルフを あの手この手」というテーマで2回、講義をした。

大学での講義、筆者自身が受けたのはもう40年ぐらい前なので、今の大学の雰囲気を見るのもよいかと思った。なにより、ゴルフ界はこのコラムで何度も書いてきたが、ゴルフ人口減で困っている。「若い世代にゴルフをやってもらいたい」という切実な希望もある。

その対象世代のゴルフに対するイメージなどを生で聞ける機会だった。講義を提案したのはJGJA会員で、ゴルフ界の実情を知る武蔵野美大の北徹朗准教授。以前紹介したが、2015年のゴルフビジネスフォーラムで大学の体育授業での用具の貧弱さを訴え、ゴルフ業界を動かした。

ゴルフに対する「負」のイメージがある学生たち

結論から言うと、講義を受けた大学生のほとんどがゴルフをやっていない、やったことがない。ゴルフに対するイメージは「高い、時間がかかる(遠い)」。これらは「想定内」ではあるのだが、実際に聞く、見ると「やはり」と思う。

講義では、まずゴルフ界の現状を伝えた。ゴルフと他のスポーツの年齢別人口で野球やサッカーは20代までは圧倒的に多いが、40歳代でゴルフが逆転、50代ではボウリングも上回ること(総務省2016年社会生活基本調査)、ゴルフは何歳からでも始められるスポーツであることなどを説明し、ゴルフを始めるにあたっての初期費用や、用具の種類などを紹介した。

その上で「高い、時間がかかる」ほかさまざまな「ハードル」に対して、徐々に料金が安くなり、ドレスコードも緩やかなコースもあり、車がなくても行きやすくなりつつあること、クラブをレンタルできるコースがあること、ルールもプライベートなら仲間内でも決めごとをつくれる(OKパットなど)というような、ゴルフ界全体とまではいかないが、ハードルを低くするようになってきていることを話した。

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  • といざヤす9fb97ee2a27b
    日本にゴルフはふさわしくありません。

    そもそもゴルフはスコットランドの荒れ地(平地)で始まったものと聞きます。一方広葉樹や照葉樹林(しかも山岳地帯)が多い日本は正反対です(ちなみに戦後日本の林業政策の失敗は別問題です。混同させるべきではありません)。
    日本でゴルフ場をつくることは、豊かな森をわざわざ伐採して、山を切り崩す環境破壊行為を伴います。それが必要ない地域もあるでしょうが、ごく限られます。
    つまり、ゴルフは高くて当然なのです。安い理由がありません。安くなっているとすれば、何かをゆがめているからです。
    また、日本においては、ゴルフはスポーツではなく、企業社会における接待手段です。

    ゴルフはやらない、興味がないという若者たちの声が紹介されていましたが、当然のことでしょう。
    up51
    down4
    2020/1/2 07:26
  • asdf6cacf298dda6
    バブル世代の背伸び奇形文化の象徴
    ゴルフ業者に作られた「日本のゴルフ」がくだらないことを直感的に見抜いているのではないか
    up43
    down3
    2020/1/2 07:53
  • Yogensya577f831bcb46
    ゴルフは、昔の人達でも、やりたくないのにしてた人が多いように感じています。旧世代との考えの違いが明らかに出ていますね。
    up17
    down1
    2020/1/2 08:33
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