iDeCoは運用益の非課税だけでなく、積み立てた掛金については所得税・住民税が非課税扱いになるので、積み立てただけで20%以上の利益を得たようなイメージです。会社員は特にiDeCoと住宅ローン減税しか税軽減の選択肢がないので、活用しないだけその分損をするといっても言い過ぎではありません。
仮に年収に対する税率が20%とすれば、1万円の収入は手取り8000円にダウンします。しかし、iDeCoに入金すると課税されず1万円のまま口座に入ります(税率は年収等で異なる)。これが運用益を得たとき、通常20%の課税がされますが、iDeCoやNISAだとそのまま運用益を丸取りできます。
月2万3000円のiDeCoの枠を20歳から60歳までフル活用したとすれば、元本だけでも1104万円の積みたてになります。これが年4.0%で運用成績が回ったとすれば60歳時の受け取り額はなんと2719万円です。
ちなみに掛金に対して得をした節税額はそれだけで220万円に達し、20%の運用益課税を免れたことによる収益差は480万円にもなります。
税制優遇口座を「作らない」だけで、あなたの人生は大きな損をすることになるわけです。
なお、iDeCoは60歳まで解約禁止が原則です。しかしこれは「絶対に下ろせない老後向けの貯金箱」と考えるのがマネーハック的発想です。解約の誘惑に負けず老後のお金を積み上げていくことができるでしょう。