令和の日本に異変「住みたい街」が大きく変わる

厳選!2020年版ゆく街・くる街

まず、駅については2017年に市が北口駅前に駅直結の高層ビルを建設、バスターミナルを整備するなどの計画を打ち出しており、バリアフリー化も同時に進められる予定。さらに2019年12月には外環自動車道の新倉パーキングエリア(以下PA)のサービスエリア化を目指す計画も発表された。

現在、外環自動車道では東名高速までの接続トンネルの工事が進んでいるが、東名高速から東関道までが一気通貫となった場合、1カ所しかない既存の新倉PAの存在意義がこれまでに以上に大きくなる。であれば、サービスエリアにすることで単なる休憩場所ではなく、地域のためにも役立つ多目的な場として使いたいという構想である。

住宅供給が追いつくかが問題

いずれも街の活気に寄与しそうな動きで、和光人気はさらに高まりそうだが、ひとつ気になるのは住宅供給がそれに追いつくかどうか。地図を見ればわかるが、和光市は線路を挟んで南側、北側が大きく異なる。

2019年12月に駅の南北通路に面した店舗が一部開業した和光市南口駅ビル。全面オープンは2020年3月(筆者撮影)

南側は昭和初期に陸軍が広大な土地を買収して以降の歴史的経緯から区画が大きく、そこに陸上自衛隊の駐屯地や理化学研究所、本田技術研究所、団地などが配されており、新たに住宅を供給する余地は少ない。

一方の北側では1970年に中央土地区画整理事業として142haが都市計画決定されているものの、そのうち、105haが事業化に至っていない。駅北口の再開発計画地と重なる地域では現在、事業が行われているものの、それだけではニーズには対応しきれそうにはない。

市の建設部都市整備課も事業の見直しは必要としており、最近の変化を考えると早々の再考が望まれる。利便性その他硬いことばかり書いたが、実際の和光市は並木のきれいな若々しい街で、施策の独自性も高い。子育て世帯には住みやすいはずだ。

東京都立川市~最後の駅周辺開発は未来への導火線​

2020年4月に立川駅北側の3.9haという広大な敷地にホテル、オフィス、商業施設にホール、そして中央に敷地全体の4分の1近くにあたる1haの広場を設けた街区GREEN SPRINGSが誕生する。

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  • 国府津の森&公津の杜f112341bd67a
    神奈川県西部の小田原(西湘・県西)エリアは人口減少・高齢化エリアなので、これからは首都圏の人が住むためのエリアとして注目されるようになって、新住民、特に若い住民を増やして活性化してほしい。
    東海道線の国府津駅は始発電車も多く、この駅以遠から利用者も多くないため、平日朝6~7時台に発車する電車(東京駅に7~8時台に到着)は15両編成ならば始発電車でなくてもほぼ確実に座れる(10両編成だと座れないことがあるが、その次の電車なら座れる)。
    現在国府津~東京77.7kmは普通電車で通常時約75分、朝上り約85分、快速(朝上り無)で約65分かかる。
    これを普通電車65分以内、快速55分以内に短縮してほしい(新快速は姫路~大阪87.9kmを通常62分、朝上り約70分)。
    浜松町~浜川崎~鶴見~羽沢~藤沢~小田原の東海道貨物線を旅客線化して輸送力増強し、東海道方面の混雑緩和と速度向上をしてほしい。
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    2020/1/1 07:35
  • chuji69c6904d8d4d
    ネット社会の到来で、あらゆる面で変化するから、住居も同じだろう。仕事に支障が無ければ、自然環境や災害面で条件の良い場所が良いと思うが、それだけでは不十分で、矢張り、食事や諸文化の面で、ある程度のレベルが必要だと思う。記事では、都内かその周辺を挙げているが、もっと視野を広げ、地方都市で、その条件を満たす場所を探すべきだろう。例えば、新幹線開通で、東京と2時間半で結ばれる金沢市等は、街の景観はもとより、衣食住や工芸、文化、芸能の点では極めてハイレベルであり、教育、医療も高水準だから、住むのには最も良いのではないだろうか。
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    2020/1/1 10:46
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2020大予測<br>編集部から(3)

主要業界とともに、わが出版業界のあり方も変わります。これまではコンテンツの「届け方」の革新により、ネット化(=スマホ化)が進みましたが、2020年代は改めて「肝心の中身」が問われる時代になると思います。読者の皆様の評価を意識して、挑戦を続けます。(山田俊)