令和の日本に異変「住みたい街」が大きく変わる

厳選!2020年版ゆく街・くる街

生鮮食料品店のレベルも高い。例えば八百屋。このエリアには豪徳寺駅前、豪徳寺商店街内に八百屋旬世、九百屋(くおや)という名称は異なるが経営母体が同じ2店があり、地元世田谷の野菜を中心に鮮度、品揃えは抜群。野菜・果物を使ったスムージーやサンドイッチ類もおいしいと評判だ。肉なら自家製のソーセージやハムが並ぶデリカテッセン トミナガがあり、鶏肉は鳥武などと専門店も多い。

最近ではやきいも専門店ふじ、重慶の郷土料理というすっぱ辛い極太春雨の専門店辣上帝(ラシャンティ)、北欧菓子専門店FIKA FABRIKEN(フィーカファブリーケン)と変わった店も続々登場、幅が広がってきている。住んで、食べて楽しい街というわけだ。

住まいの選び方が変わってきた

埼玉県飯能市~都心通勤可の農のある暮らし

住まい選びが変わってきている。最初に予算、勤務先への利便性を考えるのは変わりないとしても、「自分たちがしたい暮らし」の優先度が上がっているのである。多少通勤時間が長くなっても、理想の暮らしが実現するならそちらを選ぶという人が増えているのだ。

そんな人たちに選ばれているのが埼玉県の南端、東京都と接する飯能市だ。2019年3月にオープンしたムーミンバレーパークのある街と言えばおわかりいただけるだろうか。

バーベキューの聖地・飯能河原や多くのハイキングコースに温泉、ゴルフ場とアウトドアの遊びには事欠かない街だが、住む街としてはあまり認識されてこなかった。だが、この4年ほどの間に、ほかではできない暮らしができる街として移住者が相次いでいる。

彼らを引きつけているのが「農のある暮らし『飯能住まい』」という制度だ。これは飯能駅から車で数分ほどにある南高麗地区限定で国の優良田園住宅制度を利用、広い敷地に家を建て、農に親しむ暮らしができるというもの。

2014年に消滅可能性都市と名指された同市が発展都市を目指して模索、取り組んだ施策のひとつで、自然、土と親しみながら子育てしたいというファミリー層のニーズにうまく合致。2016年からの5年間で20組という当初目標を4年でほぼ達成という成果を挙げている。しかも、当初はリタイア層の問い合わせが多かったものの、実際の移住者はすべてが40代以下の子育て世帯という嬉しい誤算も。

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  • 国府津の森&公津の杜f112341bd67a
    神奈川県西部の小田原(西湘・県西)エリアは人口減少・高齢化エリアなので、これからは首都圏の人が住むためのエリアとして注目されるようになって、新住民、特に若い住民を増やして活性化してほしい。
    東海道線の国府津駅は始発電車も多く、この駅以遠から利用者も多くないため、平日朝6~7時台に発車する電車(東京駅に7~8時台に到着)は15両編成ならば始発電車でなくてもほぼ確実に座れる(10両編成だと座れないことがあるが、その次の電車なら座れる)。
    現在国府津~東京77.7kmは普通電車で通常時約75分、朝上り約85分、快速(朝上り無)で約65分かかる。
    これを普通電車65分以内、快速55分以内に短縮してほしい(新快速は姫路~大阪87.9kmを通常62分、朝上り約70分)。
    浜松町~浜川崎~鶴見~羽沢~藤沢~小田原の東海道貨物線を旅客線化して輸送力増強し、東海道方面の混雑緩和と速度向上をしてほしい。
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    2020/1/1 07:35
  • chuji69c6904d8d4d
    ネット社会の到来で、あらゆる面で変化するから、住居も同じだろう。仕事に支障が無ければ、自然環境や災害面で条件の良い場所が良いと思うが、それだけでは不十分で、矢張り、食事や諸文化の面で、ある程度のレベルが必要だと思う。記事では、都内かその周辺を挙げているが、もっと視野を広げ、地方都市で、その条件を満たす場所を探すべきだろう。例えば、新幹線開通で、東京と2時間半で結ばれる金沢市等は、街の景観はもとより、衣食住や工芸、文化、芸能の点では極めてハイレベルであり、教育、医療も高水準だから、住むのには最も良いのではないだろうか。
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    2020/1/1 10:46
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2020大予測<br>編集部から(2)

「2019年は面白い年だった。成長、停滞の30年サイクルの節目だから」。取材の冒頭、そう言ったのは元カルビー会長の松本晃氏。今回の目玉は計85人、経営者だけでも64人のインタビュー。各業界にフォーカスし、先行きを如実に示す経営者の肉声が満載です。(許斐)