令和の日本に異変「住みたい街」が大きく変わる

厳選!2020年版ゆく街・くる街

埼玉県では2つの街が注目の街に(写真:かみぞー/PIXTA)

「東洋経済オンライン」で恒例になりつつある「ゆく街・くる街」。春に新しい暮らしを控えている人も、そうでない人も自分が住んでいる、あるいは今後住むことになるかもしれない街は気になるものだ。

引っ越しをする際、多くは勤務先、通学先などへの利便性から街を選ぶ人が多いが、昨今はそれにとどまらず、自分のしたい暮らし、楽しみなどから選ぶ人も増えている。高齢化が進む中でも将来に向けて動いている、変化のある街もあれば、変化がマイナスに転じかねない街も。2020年、注目したい街を並べてみた。

小さい街ほど化ける可能性が大きい

世田谷区 小田急線豪徳寺駅×世田谷線山下駅~商店街に個性店続々

長年、これから面白い街はどこですか?と聞かれるたびに東急世田谷線松陰神社前を挙げていた。不思議がられること数年、ここ3年ほどでようやく認知されるようになったが、この経験から「小さな街ほど化ける」可能性を認識した。小さな店舗を安くで借りられるため、個人がとがった店を出しやすく、エリアが小さいため、波及効果が大きいのである。

今、その意味で変化が形になって見え始めているのが松陰神社前から4駅下高井戸駅寄りの山下駅周辺。小田急線豪徳寺駅と交差しており、近くに招き猫で知られる古刹豪徳寺があることから近年、外国人観光客も増えている。山下以遠の世田谷線沿いに広がる赤堤は1932(昭和7)年以降区画整理が行われた整然とした住宅街でお屋敷街として知られる。

奥に見えているのがユヌクレの行列。平日の午後だったのでこの程度だが、休日になると大行列になる。右手の白い建物は姉妹店で雑貨や食品を販売している(筆者撮影)

商店街としては山下駅側、豪徳寺駅側と2つあるのだが、もともとあった銭湯や金物屋、ビリヤード場などはそのままに、個性的でレベルの高い店がゆっくりと、だが確実に増加しており、とくにおいしいモノが好きな人にはお勧めである。

例えば、山下商店街を抜けた緑道近くにあるパン屋uneclef(ユヌクレ)は食べログの評価3.84の行列店。フルーツデニッシュやレモンケーキが名物だが、夏にはベトナムのサンドイッチ・バインミーも。世田谷線はおいしいパン屋がそろう沿線でもあるのだ。

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  • 国府津の森&公津の杜f112341bd67a
    神奈川県西部の小田原(西湘・県西)エリアは人口減少・高齢化エリアなので、これからは首都圏の人が住むためのエリアとして注目されるようになって、新住民、特に若い住民を増やして活性化してほしい。
    東海道線の国府津駅は始発電車も多く、この駅以遠から利用者も多くないため、平日朝6~7時台に発車する電車(東京駅に7~8時台に到着)は15両編成ならば始発電車でなくてもほぼ確実に座れる(10両編成だと座れないことがあるが、その次の電車なら座れる)。
    現在国府津~東京77.7kmは普通電車で通常時約75分、朝上り約85分、快速(朝上り無)で約65分かかる。
    これを普通電車65分以内、快速55分以内に短縮してほしい(新快速は姫路~大阪87.9kmを通常62分、朝上り約70分)。
    浜松町~浜川崎~鶴見~羽沢~藤沢~小田原の東海道貨物線を旅客線化して輸送力増強し、東海道方面の混雑緩和と速度向上をしてほしい。
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    2020/1/1 07:35
  • chuji69c6904d8d4d
    ネット社会の到来で、あらゆる面で変化するから、住居も同じだろう。仕事に支障が無ければ、自然環境や災害面で条件の良い場所が良いと思うが、それだけでは不十分で、矢張り、食事や諸文化の面で、ある程度のレベルが必要だと思う。記事では、都内かその周辺を挙げているが、もっと視野を広げ、地方都市で、その条件を満たす場所を探すべきだろう。例えば、新幹線開通で、東京と2時間半で結ばれる金沢市等は、街の景観はもとより、衣食住や工芸、文化、芸能の点では極めてハイレベルであり、教育、医療も高水準だから、住むのには最も良いのではないだろうか。
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    2020/1/1 10:46
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2020大予測<br>編集部から(2)

「2019年は面白い年だった。成長、停滞の30年サイクルの節目だから」。取材の冒頭、そう言ったのは元カルビー会長の松本晃氏。今回の目玉は計85人、経営者だけでも64人のインタビュー。各業界にフォーカスし、先行きを如実に示す経営者の肉声が満載です。(許斐)