だが、そのことを免罪符として上手く利用しようとした所がこの父親の考えねばならぬ部分である。別に嫌なことはいくらでもあっても良いのだ。
それなのに嫌な気持ちから目を背けて認めようともせず、他の何かに手をつけて利用しようとしたことが何よりの問題なのだ。これでは「腹が減ってきてしまったが、何か食べようにも財布を家に置いてきてしまった。だから窃盗でもしようかな。」と言ってるのと同じである。責任を持つ度合いがあまりにも低すぎるのだ。
夫婦というものは、ある意味「運命」だ
このようなことを考えていると、思ってもいなかったことが起き始める。なんと夫の妻である、母親の方も相談に来るようになったのだ。なんでも今回の件をきっかけに一度家族のことについて相談したいと思ったそうなのだ。
そして父親と母親、それぞれ別に話を聞くことになった。何故夫に対して妻が急に不機嫌になりだしたのか、夫の家族サービスに対してどのように思っていたのか、聞いてみると様々な答えが返って来た。
妻は夫と普段から毎日、話をしたいと考えていた。しかし夫といのは付き合っている際はそれほど気にはならなかったのだが、結婚してみると想像以上に夫が私と話をしようとしない。それどころか避けられているような気さえしてきた。
例えば朝起きてきた時に、「おはよう」とこちらは声をかけるのだが夫の方は全くうんともすんとも返事をしない。一緒に朝ごはんを食べている時にでさえもこちらから何気ないニュースの話だったり将来の軽い話、職場で起きたことを話したりするのだがその度に夫はというと「うん。」とか「ああ。」などとしか言わない。これは一体何だというのだろうか?本当に夫婦の会話なのか?まるで互いに喧嘩でもしているかのようではないか、と妻は話したのである。
そして、「夫はこんなので良いのか?」と顔色を伺ってみるとそれはそれは無表情で、時によってはその顔が怒っているかのようにも見えてきた。これでは「俺に話しかけてくるな。」と態度で示しているではないかと思い、それからというもの夫と同じように妻自身の方から話しかけるのも徐々にやめていき子どもが生まれてからは更にそのことを意識するようになったのだという。