タンメイ・バクシ Photo by Getty Images

「AIは人工知能でない」15歳の天才が語った「驚愕の未来像」とは

5歳でコードを書き、9歳でアプリ作成
インド生まれの天才少年タンメイ・バクシ。幼いころからプログラミングの魅力に取り憑かれ、5歳からコードを書くようになり、9歳でiOSの時刻表アプリを開発した。15歳になった現在、彼は驚くべきプロジェクトを次々と立ち上げている。​

2019年3月に開催されたビジネスカンファレンス「Sansan Innovation Project」に登壇したタンメイ。「機械学習を誰でもアクセスできるようにしたい。そのために世界中をこうして講演して回っています」と弱冠15歳とは思えない口ぶりで語りはじめた。

この記事は〈Ledge.ai〉より作成しました。元記事はこちら

クイズ番組が少年に火をつけた

プログラミングに没頭したタンメイが、機械学習に取り憑かれるようになったのは、IBM Watson(IBMが開発した自然言語を理解、学習する質問応答・意思決定支援システム)がアメリカのクイズ番組「ジョパディ!」で、人間に勝利したドキュメンタリーを見たことがきっかけだ。

アメリカのクイズ番組「ジョパディ!」
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「それまでは、『コードは書いてもすぐに陳腐化してしまう』『コードは固定化されたもので、複雑な命令に対応することは難しい』と思っていました」

Watsonに魅了されたタンメイは、すぐにWatsonのチュートリアルをまとめた動画をYouTubeにアップし、アプリケーション「Ask Tanmei」を2016年に作った。これは単なる検索エンジンではなく、ドキュメントの中身を理解し答えを返す、ワトソンの自然言語処理機能を使ったアプリだ。

タンメイ・バクシ
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「マーク・アンドリーセン(Netscape創業者)は、『人間には将来的に2つの仕事が残されている。コンピューターが人間に指示する仕事と、人間がコンピューターに指示する仕事だ』と語りました。

でも、人間がコンピューターに指示するには、コンピューターとコミュニケーションが取れることが前提です。それをみんなができるようにしたいんです」

 

短期間で進化したコミュニケーションツール

機械学習は、AmazonやNetflixに見られるレコメンデーション機能や、自動運転車に至るまで、我々の身近なサービスからスケールの大きなものにも浸透しつつある。

タンメイは、機械学習がここまで発展した背景には「人間がこれまで起こし続けてきたイノベーションがある」と話す。

世界総生産のグラフ
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1925年以降、世界の総生産は指数関数的に増大した。それはひとえに、人間がイノベーションによって新しい発見を生み続けてきたからだという。過去30年間の世界の総生産は、人類がそれまでの100万年にわたり積み上げてきた生産量を超えてしまった。

なかでもインターネットの登場は大きい。インターネットによって、人間は何かを生産する際に物理的な制約から解放され、人間が持つすべての知識を使うことが可能になった。

タンメイは、なぜイノベーションが必要なのかを考えることが重要と語る。