新線開業や災害…2019年の鉄道ニュース10選

平成最後・令和最初の年は何があった?

台風19号による大雨で水に漬かった新幹線の車両=10月13日、長野市赤沼(写真:共同通信)

平成最後の年、そして新元号「令和」最初の年となった2019年。今年の鉄道界は「相鉄・JR直通線」開業などの明るい話題がある一方で、事故や10月の台風19号による被害などのニュースも目立った。2019年も今日で終わり。数々の出来事から10点を選び、この1年を振り返る。

自然災害の影響深刻

1) 台風19号、各地の鉄道に深い爪痕

10月12日から13日にかけて東日本を直撃し、各地に大きな被害をもたらした台風19号。鉄道も各地で被災し、とくに長野新幹線車両センター(長野市)の浸水で水没した北陸新幹線車両の姿は全国に衝撃を与えた。

北陸新幹線は全車両の3分の1にあたる10編成120両が同センターで浸水。被災したJR東日本のE7系8編成、JR西日本のW7系2編成は廃車が決まった。車両不足によるダイヤへの影響は続いており、この年末年始の運転本数は前年比で約1割減っている。全面的な復旧は2020年春のダイヤ改正時となる。

在来線や私鉄各線も大きな被害を受け、現在も複数の路線で不通が続く。JR東日本は、吾妻線の長野原草津口―大前間(群馬県)、水郡線の西金―常陸大子間(茨城県)で、現在も運転を見合わせている。吾妻線は2020年2月末に再開の予定だが、水郡線の不通区間は橋が流されており、復旧には相当の時間がかかる見込みだ。

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  • 国府津の森&公津の杜f112341bd67a
    令和のスピードアップへの挑戦は新幹線だけでなく、都心と郊外を結ぶ通勤電車に対してもしてほしい。
    昭和の頃からあった通勤電車は平成の30年間で殆どスピードアップしていない。
    例えば東海道線は平成元年も今も東京~藤沢51.1kmは普通約50分(朝上り約55分)快速47分(朝上り運行無)、東京~小田原83.9kmは普通約85分(朝上り約95分夜上り最速76分)快速74分(朝上り運行無)。
    そのため、平成元年に都心から時間的に遠かった所は現在も遠いままで、郊外遠い所はバブル期に家を持った人の子供世代が出ていき少子高齢化が進行、神奈川県西部の足柄平野は若い人や優秀層が流出して高齢者と非優秀層・ディーキューエヌばかりが地元に残って定住する「出し殻平野」状態に。
    令和時代は通勤電車で都心50km圏(藤沢、久喜付近)40分、80km圏(小田原、小山付近)60分通勤を実現させてほしい。
    up17
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    2019/12/31 14:30
  • 古狸371975ae8861
    国府津の森&公津の杜 f112341bd67a さん

    もちろん通勤電車も高速化できるに越したことはないが、そうやって郊外から都心への利便性を向上させ、ますます「一極集中」に拍車をかける方向性が正しいでしょうか。
    鉄道を不便にせよというのではない。せっかくITが浸透してきた時代に、なんでみな似たような時間帯に、物理的に体を都心へ運ばなければ仕事ができないのか(あの満員電車で!)。大量高速輸送のため、鉄道インフラに投ずる社会的コストは、ほかに使ってもいいのではないか。という問題意識はあっていいでしょう。
    都はすべて上等で、鄙(いなか)は何事も卑しいと、歴史的に日本人は思ってきましたけれど、それは捨てましょう。その意識がある限り、地方は衰退し、鉄道も廃止されていきます。藤沢・久喜・小田原・小山から、通勤時間が10分縮んだのでまた都会に近づいた、なんて喜ぶのがいいことでしょうか。
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    2019/12/31 19:55
  • juggernaut839c2aa359b1
    記事でも語られていますが今年は横浜市で重大事故が連発しましたね…。
    ブルーライン2件は防げた事故ですし、京急の脱線事故とシーサイドラインの逆走事故も設備がしっかりしていれば防げたかもしれない。
    (シーサイドラインはバックで車止めに向かった場合でも反応するよう地上子を設置)
    up2
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    2019/12/31 23:10
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2020大予測<br>編集部から(1)

大量の校正用ゲラを読み終えた帰りの電車。見渡すと、やっぱりスマホですね。ゲームの類いか、40代、50代も皆必死の形相です。特集の作家・髙村薫さんの言葉のように、私も誰かの陰謀だと思うことにしました。目を覚ましてほしい、そのためになる一冊です。(堀川)