応急処置!やね屋が教える瓦屋根へのブルーシートの掛け方
「屋根から雨漏りがしていて、はやく止めたい」
「屋根の瓦が割れていて気になっている」
「自分でブルーシートを掛けようと考えている」
この記事はそんな方に向けて書いています。
目次
はじめに
閲覧ありがとうございます。
やねやねやね、雨漏り診断士の伊名波です。
桜の季節は意外と雨が多く、5月が終わればすぐに梅雨がやってきますね。
雨が降るたびに屋根のことが気になっている方も多いのではないでしょうか。
中にはご自分で屋根に応急処置としてブルーシートを掛けようと考えている方も、いらっしゃると思います。
今回の記事では
- 瓦屋根にブルーシートを掛ける
- 手間が少なく、効果的に掛ける
- 安全な方法で掛ける
ことを念頭に、瓦屋根へのブルーシートの掛け方についてお話していきます。
瓦屋根にブルーシートを掛ける際に抑えるべき5つのポイント
一口に「屋根にブルーシートを掛ける」といっても、テープで接着し土嚢袋で固定する方法やゴムバンド等でシートを引っ掛けて固定する方法など、様々な掛け方があります。
いずれの作業であっても基本的には「雨の入り口を封殺する」ことが目的ではありますが、
ブルーシートを屋根に掛けるにあたって、抑えるべきポイントを5つにまとめてみました。
- 服装に気を配る
- 最低でも2人以上で行う
- 天気のいい日を選んで作業を行う
- 水は上から下に流れる
- 原則、プロに依頼する
順番に説明していきますね。
服装に気を配る
屋根の上、高所での作業です。
皆さん落ちないよう、ケガがないように、気を張って上がられるとは思います。
とはいえ屋根に上がる前にもう一度、しっかりと安全確認を行いましょう。
ヘルメット
サイズは大丈夫でしょうか。
作業中に視界が塞がると危険です。
ヘルメットの顎紐で調整したり、タオルを頭に巻いてその上からヘルメットを被る等して、
かがんだり、頭を振ってもヘルメットがズレ落ちてこないか確認しましょう。
長袖、長ズボン
夏の暑い時期等、半袖であがりたい時期もありますが、厚手の長袖、長ズボンが好ましいです。
靴
瓦の上は非常に滑ります。
なるべくスニーカー等ではなく、靴裏がゴム質でグリップの効いたものを用意してください。
最低でも2人以上で作業を行う
万が一、何かがあっても対応できるように、作業は家に誰かがいる、下で見ていてくれる人がいる時に行いましょう。
天気の良い日を選んで作業を行う
濡れた瓦はものすごく滑って危険です。
雨漏りしていても慌てず落ち着いて、雨が上がってから晴れの日を1日挟んで、作業にあたるようにしましょう。
水は上から下に流れる
「当たり前のことじゃないか!」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、解っていてもちゃんとシートが掛かっていなかったり、水の流れを変えてしまって、逆に他の場所から雨漏りしたりと、お問い合わせも結構あります。
屋根の途中からブルーシートを掛けても、水上部分からブルーシートの裏側を通り、防水効果のない状態になります。
屋根のテッペンから、割れたり雨漏りしている部分までシートを掛けるようにしてください。
原則、プロに依頼する
屋根の上での作業は思った以上に疲労がたまりますし、危険です。
できるだけ、プロとして屋根の作業を行っている業者さんに依頼しましょう。
ブルーシートをホームセンターで購入する
ホームセンターでブルーシートを購入する、その前に
「実際にブルーシートを掛けてみたら、シートが短かった…」
なんてことにならないよう、事前にブルーシートを掛ける範囲を目測します。
屋根に乗っている瓦の種類によって、多少の差異はありますが、少し余裕が出る位で丁度いいです。
水は上から下に流れる の項で少しお話しましたが、屋根のテッペン「棟瓦」から、ブルーシートを掛けたいポイントに向かって封殺するのがポイントです。
「瓦一枚あたり、縦方向では25cm、横方向では30cm」で計算すると、封殺するのに必要なブルーシートの大きさがでます。
後ほど説明しますが、棟瓦をまたぐようにブルーシートを掛けるので、この大きさから縦方向に1m前後長くとったものを購入してください。
では、実際にブルーシートをホームセンターに購入しにいきましょう。
ブルーシートを購入する
ブルーシートにもいくつかの種類があります。
屋根への作業性、防水性を考慮して、
「ハトメ付き」の「防水ブルーシート」を購入しましょう。
サイズによってはお値段が結構します。
よく使うサイズとホームセンターでの大体の価格、そのほか必要物を書き出してみました。
ご参考ください。
防水ブルーシート(ハトメ付き)
3.6m×3.6m 1400円 前後
3.6m×4.5m 1800円 前後
5.4m×7.2m 4000円 前後
7.2m×9.0m 6500円 前後
土嚢袋(どのう)
10枚入り 250円 前後
50枚入り 1000円 前後
10枚入り2つか、思い切って50枚入りを購入しましょう。
重し
砂利 20kg 250円 前後
真砂土 20kg 200円 前後
土嚢袋の中に詰めるものは、家の庭の土や使っていない煉瓦ブロック、煉瓦植木鉢を砕いたもの等で代用できます。
他にもいい方法がありますので、後ほどお伝えしますね。
ハシゴ
6-7m前後のもの お値段はピンキリです
二階の屋根の作業であれば7m前後の3連ハシゴ(または2連ハシゴ)があれば上ることができます。
値段も、強度、ハシゴの重量もピンキリです。
家庭での作業用であれば、25000円~35000円のもので十分かと思います。
ハシゴを縛って固定するロープや結束バンドも一緒に購入しましょう。
*現在ハシゴをお持ちでなければ、今後のことも考えて一つ家に持っておくのはありだと思いますが、素直に業者さんに依頼した方が費用が抑えられて安全です。
余談ではありますが、ハシゴを除いた 上記の材料費+作業人件費 が業者さんにブルーシートを掛けてもらう際の適正価格でしょう。
平成16年8月の台風16号上陸時は、広島県でも多くの被害が出ました。
どこのやね屋さんも手がいっぱいで、ブルーシートだけ掛けて離れ、また後日に施工に入るしかないような状況でした。
その際に、
「業者さんに頼んでブルーシートを掛けてもらったが、後日、50万円の請求書が届いた」
などという事件もあったようです。
50万円はかなり度が過ぎている金額ですが
ブルーシートを掛ける応急作業で、5万円を超えることはまずないです。
業者さん選びにも注意してください。
労力削減!瓦屋根へのブルーシート掛け術
では実際に瓦屋根にブルーシートを掛けていきます。
今回ご協力頂くのはこちらの瓦屋根です。
見事なまでに瓦の状態がいいですね。
今回は、画像の中心辺りの瓦が割れて雨漏りしていると想定し、ブルーシートで応急処置を行います。
用意するもの
- ブルーシート
- 土嚢袋 11枚
- 重し
以上です。
土嚢袋に詰める重しですが、通常、真砂土や砂利を詰めます。
真砂土や砂利のメリットとして挙げられるのが
「価格が安く、重さが取れる」「中身が流動するので瓦の形に合い、安定する」
ことです。
デメリットは「いれすぎると重く、作業性が悪い」「雨の後に細かい土や砂、汚れが瓦に残る」ことでしょうか。
25kgの袋で購入して、角だけ落として土嚢に詰めれば手も汚れないんですが、結構重たいんですよね。
今回のテーマである、「瓦屋根にブルーシートを掛ける」「手間が少なく、効果的に掛ける」「安全な方法で掛ける」とは少しずれてしまいますので、今回は使用しません。
代わりに、家の軒下や庭先に置いてある「置き瓦」(予備瓦とも)を使って、ブルーシートを掛けていきます。
これでしたら砂も汚れも、屋根の上には残りませんし、乗っている瓦と同じものなので安定もします。
土や砂利でしたら撤去後に処理に困るかもしれませんが、置き瓦であれば元の場所に戻せばまた使えます。
瓦一枚では重さが取れないので、一袋あたり2-3枚いれるようにしてください。
重しをつくる
まず初めに、屋根に上がる前に重しを全て作ってしまいます。
このように、土嚢に瓦を2-3枚いれて、口を絞めたものを11個作ってください。
次に、口を絞めた土嚢袋を2つ取って紐同士を結んでつなげてください。
これを3セット作ります。
棟に掛ける重しの完成です。
残りの5こはそれぞれフリーで大丈夫です。
画像ではわかりやすいように土嚢の色を変えています。
ブルーシートを掛ける
まずはブルーシートだけを持ってあがります。
屋根の上でブルーシートを広げる際は、踏まないように気をつけてください。
めちゃくちゃ滑ります。
このように、屋根の棟瓦を挟んで反対面から跨ぐようにして、封殺したい面にシートを広げます。
ここから、シートに重しの土嚢袋を乗せていきます。
重しを乗せる
屋根上に不慣れな状態で、重いものを持って上がるのは危険です。
一度に何個も持って上がろうとせずに、持てる範囲で無理なく荷揚げを行ってくださいね。
まず使うのは先ほど用意した2つの土嚢を繋げた重しです。
この子達ですね。
これを下画像のように、棟瓦を跨ぐように置きます。
ポイントとしては、土嚢の中の瓦の波と、屋根の波が合うように置くことくらいです。
この時に、棟とブルーシートの隙間が少なるように引っ張ったり、空気を抜いたりして調整します。
中心をキメて、両端をキメていきます。
残りの5個も置いていきましょう。
ハトメ部分に土嚢の紐を通して括ります。
この時のポイントとして、上の画像のように、土嚢とシートがなるべく遊びがないように括ってください
これをシートの上に乗せます。
反対側も同じく括って、土嚢を乗せてください。
これを下側3箇所にも行って完成です。
作業中はくれぐれも、ブルーシートの上を踏まないように気をつけてください。
ブルーシートが大きいと、ブルーシートの中心に重しを置きたい気持ちになります。
このやり方であれば、
棟で6点、屋根面で5点、それぞれ括り付けて固定していますので、ブルーシートが吹き飛ぶことはまずないので安心してください。
まとめ
屋根上の作業は危険ですので、一番いいのは専門の業者さんに依頼することです。
ですが、
「どこも頼むところがない」
「どこに頼めばいいかわからない」
「もういい!自分でやる!」
という方もいらっしゃると思い、
できるだけ負担なく、安全にできる方法をお伝えできればと、今回この記事を書かせて頂きました。
ご参考にして、お役立ち頂ければありがたいです。
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