天才数学者が二次方程式の簡単な解き方を考案!
記事の内容に一部不明瞭な点があるとご指摘をいただきましため、内容を精査し、後日改めて訂正記事を公開いたします。
数学が好きな人も嫌いな人も2次方程式を習ったことでしょう。2次方程式を解くための方法は歴史を通しても共通であり、世界中の数十億人という人がわたしたちと同じ方法を学んできました。
しかし、最近になって天才数学者ポーシェン・ロー氏によって二次方程式の簡単で新しい解き方が考案されました。数学界の歴史に刻まれるような大発見によって、私たちはややこしい二次方程式の解き方から解放されたのです。
研究論文の詳細は「arXiv」で公開されました。
https://arxiv.org/abs/1910.06709
また、二次方程式の簡単な解き方はポーシェン・ロー氏のwebサイトでも説明されています。
https://www.poshenloh.com/quadraticdetail/
天才数学者ポーシェン・ロー
ポーシェン・ロー(Po-Shen Loh)氏はカーネギーメロン大学の数学教授。米国の国際数学オリンピックチームのナショナルコーチとしても活躍している天才数学者です。彼の技術は多岐にわたり、2018年には米国大統領早期キャリア賞で科学者としても表彰されたほどです。
ロー氏は「高度な概念をあらゆるレベルの人に教える」教育者として知られています。現在の数学に関して、多くの人にとって複雑で身近ではないと感じており、より簡単で理解しやすい数学を追い求めているとのこと。
今回の発見について、「世界の人にできるだけ共有したい」と述べています。
これまでの二次方程式の解き方
ax2+bx+c=0
このような2次方程式を解く場合、どうしても推測や暗記が必要となってきました。
通常の方法は以下の通りです。
ax2+bx+c=0 を
(x-?)(x-??)=0 のように因数分解して
x=?,?? という答えを出します。
?や??に入る数字を探すために推測が必要になります。
例えば、
x2-7x+12=0 であれば
(x-4)(x-3)=0 となりますが、
この時に、3や4と言う数字を出すために、
「?×??=12 」かつ「?+??=7」であるものは……?と考えなければいけません。
単純な数値の場合は簡単ですが、推測できない場合も多いでしょう。
x2-4x+6=0 の場合は
(x-?)(x-??)=0 の形にすることが出来ません。
ですので、
この2次方程式の解の公式を暗記して使用するしかありません。
このように、これまでの方法は、「推測し、簡単な答えが見出せなければ、ややこしい公式を暗記して当てはめる」というものでした。
推測も暗記も必要ない二次方程式の新しい解き方
考案された新しい方法は推測する必要も、暗記する必要もありません。純粋に計算するだけでいいのです。順を追って考えていきましょう。
x2-10x+18=0
この二次方程式を新しい方法で解いてみましょう。
新しい方法はどんな数式でも強引に (x-?)(x-??)=0 の形にすることがポイントとなっています。
① x2-10x+18=0 を (x-?)(x-??)=0 にすると、
?+??=10 かつ
?×??=18 となります。
② ?+??=10に注目します。
次の考え方が新しい解き方の最も大切なポイントとなります。
?も??も見当がつかないので、通常であれば諦めてしまうところですが、?や??に仮の値を入れて考えてみます。
?+??=10に当てはまる数字はどんなものがあるでしょうか?例えば、
4+6=10
8+2=10
5+5=10
などです。
これらは、次のようにも表わせます。
(5-1)+(5+1)=10
(5+3)+(5-3)=10
(5+0)+(5-0)=10
です。
上記の数式を見てみると、?や??はそれぞれ「10を半分にした5」から「共通の数字」を足したり引いたりしたものだと分かります。
もちろん、「共通の数字」は分からないので、「 u 」と仮定します。
?+??=10 に「 u 」を当てはめると (5+u)+(5-u)=10 となり、
?=(5+u)
??=(5-u)
になりますね。
③ 次いで?×??=18に注目します。
先ほど仮定した?と??を当てはめると
(5+u)(5-u)=18
になります。
ここで、共通の数字である「 u 」を見つけたことの効果があらわれます。
計算すると、
25-u2=18
u²=7
u=±√7
となります。
仮に決めた共通の数字「 u 」の値が分かってしまいました!
④ uの値が明らかになったので、?、??の値も分かりますね。
?=(5+u) 、 ??=(5-u) だったので、
?,??=5±√7
となります。
これでx2-10x+18=0を強引に(x-?)(x-??)=0の形にすることができました。
x=?,?? なので、
x=5±√7 となります。
これで終了です。
実際に解けるか試してみた
本当にこの方法で解けるのか、ナゾロジースタッフが検証してみました。「別に確かめなくても分かるよ」という人は読み飛ばして大丈夫です。
いくつかの二次方程式で、答えが出るかどうか試してみまでょう。
まずは、
x2-7x+10=0
という式が解けるか試してみます。
上の解き方を参考にしながら、まずは7の半分の値3.5をuと組み合わせ、
?=x2-7x+10=0 ??=3.5-u
とします。そして、
(3.5+u)(3.5-u)=10
となるようなuの値を探していきましょう。
計算を行うと
12.25-u2=10
u²=2.25
u=±√2.25=±√9/4=±3/2=±1.5
となり、
x=?および??=(3.5+u)および(3.5-u)
なので
x=5,2となり、素因数分解の結果が
(x-5)(x-2)=0
となります。これを再び計算すると
x2-7x+10=0
となるので、無事に正しかったことが解りました。
終わりに
新しい方法を用いるなら、難しい公式を暗記する必要もないですし、答えを推測する必要もありません。単純な計算力によって、誰でも複雑な二次方程式を解くことが出来ます。