大みそかのボクシング世界戦(東京・大田区総合体育館)の予備検診が29日、東京都内であった。世界4階級制覇でWBOスーパーフライ級王座初防衛戦となる王者井岡一翔(30)=Reason大貴=と同級1位の挑戦者ジェイビエール・シントロン(24)=プエルトリコ=は、いずれも異常なしと診断された。
試合2日前に、井岡に驚きのハンディが突きつけられた。リーチが王者の167センチに対し、挑戦者シントロンは179センチ。実に12センチもの差があることが判明。身長も5・5センチ低く、リング上での距離感は数値以上のものになりそうなのだ。
23日にはリーチで11センチ劣った元世界3階級王者の八重樫東(大橋)がIBFフライ級王者ムザラネ(南アフリカ)に挑んで9回TKOに敗れたばかり。不安なデータだが井岡は動じなかった。「ここまできて検診結果に思うところはない。身長もリーチも(挑戦者が)上回るのは分かっていたし、そういう選手とスパーリングもやってきた」と、平然だ。スーパーフライ級に上げて4戦目で体もできてきた自信がある。「できればKOしたい。やってきたことを出せば自然とそうなるんじゃないか」とKO宣言までしてのけた。
シントロンも「数字は関係ない。(体格差は)お互い経験のあること。特に有利とは思わない」と冷静だ。ひとつ上のバンタム級で地域タイトル獲得の経験もあり、最軽量ミニマム級から上げてきた井岡とは対称的な試合になる。