明石家さんま「老害化する笑いの天才」の限界

「嫌いな芸人」ランキングでついに1位に

つい最近も、8月20日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、性別非公表のものまねタレントのりんごちゃんに対して「りんごちゃんなんかは男やろ?」と詰め寄った。空気を察してヒロミがすかさず「りんごちゃんはね、そういうのないの、性別がないの」とフォローを入れると、さんまはそれでも納得せず「おっさんやないか、アホ、お前」と声を荒げた。

りんごちゃん自身は言及するつもりはないようだが…(画像:りんごちゃんのInstagramより)

りんごちゃん自身は場を収めようと「人それぞれの捉え方でいいんです」と答えていたが、ネットではLGBTに関してあからさまに無理解であるように見えるさんまに対する批判が相次いでいた。

セクハラやパワハラに対する世の中の意識が変わり、それに伴ってテレビの世界でも、露骨にセクハラ・パワハラ的な言動を見せるタレントは少なくなっている。そんな時代に、さんまだけが旧態依然とした価値観にとらわれ、世の中の空気にそぐわない発言を連発している。それに違和感を抱く人が年々増えているのだろう。

「教養がない」という弱点

2つ目の「何でも自分の話にする」ということに関しては、ビートたけしによるさんま評が参考になるだろう。たけしはさんまを「しゃべりの天才」と評価していて、反射神経と言葉の選択のセンスに関しては右に出る者はいないと絶賛している。だが、そんなさんまにも欠点があるという。それは「教養がない」ということだ。

バラエティ番組の中で、素人でも誰でもどんな相手だろうときちんと面白くする。けれど、相手が科学者や専門家の場合、結局自分の得意なゾーンに引き込んでいくことはできるし、そこで笑いは取れる。でも、相手の土俵には立たないというか、アカデミックな話はほとんどできない。男と女が好いた惚れたとか、飯がウマいマズいとか、実生活に基づいた話はバツグンにうまいけど。
(ビートたけし著『バカ論』新潮新書)
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  • 名無し13bf7da736bf4
    この人は多くの芸能人を助けている。一般人にはあまり支持されなくとも、芸能界ではかなり感謝されている人物のはずだ。恋のキューピッドになったり、仕事を紹介したり。全然関係のなさそうな芸能人から、この人の名が急に出ることがあり、かなり厚い人望を持つのは否めない。テレビではあんなにニコニコ人をいじりながら、裏ではかなり信用の厚い芸能人助けをしているのだ。だから大物感が消えなかったし、だから、つまらなくても、活躍し続けたのだろう。
    この人の魅力は我々一般人に向けられたお笑いではないかもしれないが、飛び抜けた広い心と、芸能人とのネットワークを、我々の知らないところでも細やかに大事にしているところではないだろうか。
    up709
    down171
    2019/9/8 06:31
  • といざヤす9fb97ee2a27b
    本筋には関係ないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・
    遠田さんの過去の記事を見ると、取り上げている芸能界の人物に「敬称」をつけるときと、つけないときがあります。

    その基準が分からないので、読んでいて「あれれ?」と思うことがありますね。
    up336
    down60
    2019/9/8 05:54
  • devo7af7a11d54f7
    こういったプロ?の評論すら、インパクトを重視してかもしれないが「老害」という言葉を容易く使うことに驚いた。たとえばさんまが、まったく人気もなく視聴率も取れず、嫌われるばかりなのに忖度で今なおテレビの中心に居座り他の芸人が困ってるというなら「老害」と呼ぶのも良いだろう。だが今だに人気はあり視聴率もとり、後輩芸人からも慕われている大御所を、嫌いな視聴者が増えたからと「老害化」呼ばわりはどうなのか。お年寄りをただお年寄りだというだけで「老害」と呼ぶ、一部の馬鹿な若者と同レベルのボキャブラリーセンスの人間が作家、評論家を名乗れるのだなあと感心した。どうせなら、さんまは落ち目!ではなく、さんまの人気を越えてゆく若手にスポットをあて、彼らの今後を期待すればよいのに。
    up307
    down33
    2019/9/8 17:57
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2020大予測<br>編集部から(1)

大量の校正用ゲラを読み終えた帰りの電車。見渡すと、やっぱりスマホですね。ゲームの類いか、40代、50代も皆必死の形相です。特集の作家・髙村薫さんの言葉のように、私も誰かの陰謀だと思うことにしました。目を覚ましてほしい、そのためになる一冊です。(堀川)