『「なつぞら」スピンオフドラマ(2)「十勝男児、愛を叫ぶ!」』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド)
- 夕見子
- 雪次郎
- 拍手
- 富士子
- 雪見
- 菊介
- 歓声
- 剛男
- 十勝
- 雪次郎君
- 一同
- 牛乳
- 空気
- 十勝女房自慢コンテスト
- 組合長
- お菓子
- カナ子
- タンポポ
- ユミコケーキ
- 一緒
『「なつぞら」スピンオフドラマ(2)「十勝男児、愛を叫ぶ!」』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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「なつぞら」スピンオフドラマ(2)「十勝男児、愛を叫ぶ!」[解][字]
十勝の菓子屋「雪月」の若夫婦、夕見子(福地桃子)と雪次郎(山田裕貴)の間に夫婦喧嘩が起こる。それが照男(清原翔)や菊介(音尾琢真)を巻き込んで大問題に…。
詳細情報
番組内容
十勝の菓子屋「雪月」の若夫婦、夕見子(福地桃子)と雪次郎(山田裕貴)の間にささいな夫婦喧嘩が起こる。それをきっかけに照男(清原翔)や菊介(音尾琢真)、門倉(板橋駿谷)たちを巻き込んで大問題になっていく…。そして仲直りのため十勝の男達が、妻へ愛を語るコンテストを実施することになる。当日、照男や菊介、雪之助(安田顕)、山田(戸次重幸)たちが妻への愛を発表する中、雪次郎の姿はなく…。
出演者
【出演】山田裕貴,福地桃子,広瀬すず,中川大志,松嶋菜々子,藤木直人,小林隆,音尾琢真,北乃きい,清原翔,安田顕,仙道敦子,戸次重幸,小林綾子,板橋駿谷,富田望生,坂井真紀,宇梶剛士,川床明日香ほか
原作・脚本
【原案】大森寿美男,【脚本】奥山雄太
音楽
【音楽】橋本由香利
(菊介)はい 戻りましたよ~。
(拓男)ただいま!
(富士子)ご苦労さん。
いい匂いだべや。 ハハハハ…。
<どうも 菊介さんです!
ここは ご存じ 柴田家。
なっちゃんの もう一つの故郷です。
今は 昭和51年の夏。
ご覧のとおり 柴田家の日常は
いつもどおり 穏やかで
楽しく過ぎています>
(剛男)それじゃあ 頂きます。
(一同)頂きます!
<と 思いきや…>
≪ただいま。
ただいまって…。
(照男)あの声は…。
(夕見子)はあ~ やっと着いた。
おなかすいたね。
よかったわ。 ちょうど ごはんじゃない。
<あれ? 夕見子ちゃん>
ほら 雪見 一緒に食べちゃおう。
(夕見子)何さ みんな
寝起きの牛みたいな顔して。
夕見子 どうしたのさ。
雪見まで連れて…。
嫌気がさしたのさ 雪次郎に。
<どうやら
いつもどおりとは いかないようだわ…>
<それは 夕見子ちゃんが
突然 柴田家に帰ってくる
2時間前のこと>
(雪見)ただいま…。
(妙子)はい お帰り 雪見。
雪見…!
(雪次郎)なんした その顔。
(雪之助)あ… なるほどな。 じゃあ あれか
ガキ大将に いじめられたってか。
いじめられたんでないわ…。
いじめられてる子を かばったんだ。
したからって 殴られて
ただ逃げてきたのかい?
まあ まあ まあ まあ まあ
大したけがでなくて よかったよな。 うん。
ばあちゃんに 赤チン塗ってもらえ。
(とよ)赤チン 赤チン…。
あ どこにあったかな。
そいで あんた 情けないと思わないの?
いやいや いやいや 雪見は
いじめられてる子を かばってだな…。
だったら なおのこと
正義を突き通すべきだべさ。
暴力に屈して
尻尾巻いて逃げてくるなんて。
雪見は そういう性格でねえべや。
もめ事とか争い事とか
昔から嫌いだったべ。 なあ?
ほら 雪見… 拭け 拭け。 な。
夕見子ちゃん たかが 子どもの喧嘩だべ。
そう むきにならずにさ…。
子どもの喧嘩だからです!
大人の出る幕でないから
子どもが 自分で
なんとかしなくちゃならないんだべさ。
もう いい加減にしろって!
雪見も泣いてるべや。
雪見は 夕見子ちゃんみてえに
強くねえんだわ。
あんたに… あんたに何が分かんのさ。
♬~
夕見子ちゃん…。
お母さん!
♬~
いくら何でも 厳しすぎるべ…。
(富士子)早く帰った方が
いいんじゃないの?
雪次郎君も心配するっしょ。
はあ… それが しないんだわ
雪次郎ってやつは。
私が出てったのだって
いつものことだとか思ってんのさ。
雪次郎に危機感を覚えさすには
もうしばらく時間が必要なの。
(ため息)
子どもが ため息なんかついちゃダメだ。
幸せが逃げちゃうしょ。
したけど 自分の娘ながら
お前の母さんは 一筋縄ではいかないな。
なんして あんな強い女に
なっちまったんだべか…。
いつものことだわ。
夕見子ちゃんが へそ曲げんのは。
(雪之助)したけど 結構な迫力だったべ。
夕見子ちゃんは いっつも ど迫力だべや。
いちいち 怖がってたら
一緒に暮らせねえよ。
まあ おふくろみたいなもんか。 ハハハ。
何か言ったかい?
地獄耳 地獄耳。
悪口は聞き逃さないよ。
雪次郎 あんた
こんなことしてていいのかい。
嫁が出てったっていうのに。
したから
あんなの いつものことだって。
あの子は 昔
東京に駆け落ちしたって話だべ…。
やるときゃ やるんでないかい?
いや そったらこと…。
☎
はい もしもし…。
もしもし 夕見子!
あ… ごめん 私で。
あ お義父さん…。
そちらに 夕見子ちゃん
お邪魔してませんか?
ああ 来てるわ。
何だか 虫の居どころが悪そうなんだわ。
雪次郎君 一体 何があったのさ?
いや まあ その 夫婦喧嘩というか…。
雪見も不安そうにしてるんだわ。
店が忙しいのは分かるけど
早く迎えに来てやってや。
はい…。
母ちゃん ばあちゃん 父ちゃん ごめん!
最初から そうすりゃいいべさ。
雪次郎君 こっちさ来るって。
何だか 飛んできそうな勢いだったわ。
ああ そう。 よかったね。
うん。
夕見子 これで一件落着ね。
はあ? 何が一件落着なもんか。
☎
夕見子 ほら 雪次郎君でないの?
ああ もう しつこい男だね。
はい もしもし!
☎もしもし 柴田さんのお宅でしょうか?
はい。
☎(夕見子)そうですけど…。
柴田剛男さんは いらっしゃいますか?
父さん… 女の人から。
えっ? 女?
うん。
(戸が開く音)
(雪次郎)おばんです!
(砂良)あっ 雪次郎君 おばん…。
お邪魔します!
夕見子ちゃん 雪見 迎えに来た… ぞ…?
お義母さん 夕見子ちゃんと雪見は?
もう帰ったわ。
え… 帰った?
昼間 うちの人に電話があってね。
柴田剛男さんは いらっしゃいますか?
(富士子)東京に行く用事が
できたって言うのさ。
したら 夕見子
車出すなら乗ってくわって言って 一緒に。
なしてですか!
俺が来ること分かってたしょや?
残念だったな 雪次郎。
いい所に連れてってやるから 元気出せ。
いい所? 何ですか? それ。
秘密基地だ。 はい。
いやいや… ちょっと あんた!
どこ行くの?
ちょっと!
お~い みんな みんな
ゲストのお出ましだ。
おお 雪次郎!
とうとう お前も こっち組か!
え ここは…?
ここは 菊介さんの秘密基地。
家に居場所なき男たちの隠れがだわ。
(門倉)嫁さんたちには ないしょだぞ。
組合長まで…。
俺は視察だ 視察。
よ~く言うわ! 時々 飲みに来るのさ。
さあ 哀れな雪次郎よ
心行くまで飲みふけるがいいさ。
乾杯!
はい かんぱ~い!
乾杯!
1杯だけ 1杯だけ…。
♬~
♬「エフ エフ ジェイ エフ エフ ジェイ
われらの誇り」
イエ~イ!
イエ~イ ハハハ!
いや~ 菊介さんも組合長も
勝農の先輩だったんだもな!
そうだぞ 組合長なんて初代番長だ!
番長っぽいべ?
むちゃくちゃ ぽいっす!
押忍!
(一同)押忍!
ちょっと みんな 一つ聞いてくれ。
夕見子のやつがね もう いっつも
だらしがねえ 情けねえ 意気地がねえって
さんざん言うんですよ。
したけどね 俺は言ってやりたいんですよ。
俺だって 十勝の男だわって!
ああ そうだ いいぞ 雪次郎!
いいぞ! でも それ 組合長な!
夕見子も おふくろも ばあちゃんも
十勝の男は弱えって言うけどさ
違えんだって…。
あんたたちが強すぎるだけだって!
うん それ 組合長な!
菊介さ~ん… もう夫婦って
一体 何なんでしょうね…。
俺にも分かんねえよ 雪次郎…。
うん…。
嫁とも娘とも
どうも ギスギスしちまってよ…。
(公英)お父さん これ どこ置けばいいの?
その辺でも置いとけや。
ねえ お父さん。
えっ?
いい加減 お母さん 迎えに行きなや。
もう1週間だよ。
何だよ おい…。
何だ 嫁さん 実家に帰っちゃったのか?
えっ?
おい 公英 人前で
みっともないこと言うんでねえよ。
みっともないと思うなら
さっさと謝って 許してもらいなや。
な~んで 俺が謝んなきゃ…。
元はと言えば お父さんが
結婚記念日 忘れたのが原因でしょ。
こっちは 毎日 忙しく働いてんだ。
そったらこと いちいち覚えてられっか。
意地張っちゃって… はんかくさ!
あっ あ~…。
あ~あ…。
ギスギスしてたな…。
ハハハハ…。
近頃まれに見る ギッスギスだ…。
菊介さん 嫁さん 出てっちゃったんすね。
一緒にすんなっつうの!
(笑い声)
したけど… 男の立場が低いのは
どこも同じなんだな。
おい! これからの十勝を
支えていくのは 君たちだろ!
そんな調子で どうすんだよ!
そうだ!
このままじゃ 十勝男児の名が廃る!
女たちに 俺らの男らしさを
思い出させねばなんねえ! な!
そうだ! そうっすよ 先輩!
今こそ 女たちの持つイメージを
書き換えるんだ! うお~!
そんなこと できんのかって?
できる! やる!
したけど どうやって…。
十勝男自慢コンテスト!
これしかないべ!
(一同)「十勝男自慢コンテスト」?
(良子)何なのさ
このはんかくさい催しは…。
うちの人 うれしそうに ビラまいてたわ。
男自慢って こんなの
ただの自己満足でないの。
気持ち悪いったらありゃしない。
「女たちよ これが十勝男児だ!」。
(悲鳴)
なんという ナルシシズム…。
「女たちよ」って
私たちに抗議してるつもりかい?
だとしたら 的外れもいいとこよ。 うん?
腕相撲に 集乳缶重量挙げ 牛と綱引き…。
あんたら バカにされてんでないのかい。
あっ そうだ! 聞いて下さいよ。
この間 洗濯してたら 上着のポケットから
変な名刺が出てきたんです!
(一同)え~!
あれは多分 女の子のいるお店のやつだわ。
妹として情けないわ。
うちの旦那も
毎晩 飲み歩いてばっかりさ。
その上 今度 トラクターを買うんだとか
言いだして…
どこに そんな金があんのさ!
何か 腹立ってきた!
こんな悪ふざけ
やめさせないばなんないね!
いやいやいや
それじゃ 腹の虫が治まんないわ。
どうにか 一泡吹かせらんないべか。
こんにちは。
(夕見子)あっ いらっしゃい…
ああ 公英ちゃん いらっしゃい。
久しぶりだね。 うん。
あっ ちょっと待って…。
ちょっと いいこと思いついた。
うっ…。
よ~し やってんな。
みんな 俺たちの新しい仲間だ。
何だか よく分からねえが
心配かけてた家族に
元気な姿を見せたいと思う。
よろしくな!
おやじだ ハハハハ…。
おっ おい た… 大変だ!
どうしたんだ? 番長。
良子に 俺たちが
ここにいること ばれちまった…。
え~!?
早く片づけろ!
毎晩 どこ ほっつき歩いてんのかと
思ったら こんなとこにいたとはね。
(良子)あんたら ここで何してんのさ。
練習だよ。 十勝男自慢コンテストの。
コンテストね… いいじゃないの。
えっ?
そんなに やりたきゃ
やってもらおうじゃない。
ただし! やるのは
このコンテストだけどね。
(一同)「十勝女房自慢コンテスト」?
何じゃ こりゃ!
「このコンテストは 男たちが
妻への愛を競い合うものである。
各人 好きな方法で
妻への愛をアピールし
妻に認められれば
男として正当に評価し
認められなければ
夫婦生活を
終了するものとする」。
夫婦生活を終了…?
こんな理不尽なことがあるか!
一方的に別れるだ何だって!
あれ~? お母さんの心を
つなぎ止める自信がないってことかい?
そ… そんなことはねえけど。
妻への愛をアピールして
より夫婦の絆が深まる。
大した
すばらしいイベントだと思わない?
どうすんの? やるの! やらないの!
いや みんな だまされるな!
こんなの変だ!
や… やります!
番長 お前 勝手なこと言うんでねえよ!
菊介先輩!
これは 逆に チャンスかもしれねえ!
チャンス?
要は 女たちをメロメロにして
俺たちを見直させればいいんだべ?
男自慢コンテストと 目的は同じだべさ。
確かに 言われてみれば…。
菊介さん。
男には やらなきゃいけない時がある。
俺たちにとって 今が その時だ。
山田さん…!
やるべ 菊介さん!
やろう 菊介さん!
おお… おお おお…!
雪次郎 あんたは どうすんの?
やってやるべ!
よし 妻たちよ 見てれよ!
<うお~!
ああ 失敬。 興奮しました。
さて 十勝で 男たちと
女房たちの戦いが始まったのと同じ頃…
剛男さんは 東京に来ていました>
(ブザー)
≪(坂場)は~い。
(坂場)ああ お義父さん。
ご無沙汰してます。
久しぶり。 急に泊めてもらって すまんね。
いやいや お待ちしてました。 なつ!
あっ 父さん! いらっしゃい。
おじいちゃん いらっしゃい。
優ちゃん おじいちゃん来たよ。
長旅ご苦労さま。 疲れたしょ。 入って。
お邪魔します。
どうぞ どうぞ。
ああ ありがとう。
はあ~ 旅の疲れがとれたわ。
それは よかった。
それで どうだったの?
手紙 見つかったんでしょ。
ああ うん。
(鈴の音)
(剛男)五十嵐君のことは
よ~く覚えてます。
自由時間に こっそり
上官の愚痴を言い合ったりして…。
よく笑う人でしたね。
ええ。
2か月前… 肺がんでした。
そうですか…。
お電話で お話ししたものです。
主人の遺品を整理していましたら
こちらが…。
失礼を承知で 中を拝見しました。
その手紙は
柴田さんのものではありませんか?
はい。 これは 僕が書いたものです。
僕は 戦友の奥原さんという人と
お互い 手紙を託したんです。
戦死された君たちのお父さんから
手紙を預かってきたんだ。
君たちへの思いが込められてる。
(剛男)どちらかに 何かがあった時には
家族に それを届ける約束をして…。
見つからないと思ってました。
ご主人が持っていてくれたんですね。
主人は 皆さんが その後
どうされているのか 気にかけていました。
どうか 聞かせてやって下さい。
はい もちろん。
♬~
読んでみるかい?
え… いいの?
うん。
あ 内容は みんなに言わないでね。
恥ずかしいから。
うん 分かった。 ありがとう。
♬~
(剛男)
「富士子ちゃん 照男 夕見子 明美。
僕は 今 北支の西の方にいます。
いつ敵が襲ってくるか分からないので
心が落ち着く暇がありません。
そんな時は いつも
穏やかな十勝の暮らしを思い出します。
富士子ちゃんの作った煮物の味
照男の腕の中で 小さく笑う明美
夕見子が 最後に言ってくれた言葉
忘れることができません」。
(剛男)「ああ 会いたいな。
僕は家族に会いたい。
富士子ちゃん 会いたいです。
富士子ちゃん 大好きです。
富士子ちゃん
富士子ちゃん
富士子ちゃん。
声に出して呼びかけたい。
今すぐにでも
富士子ちゃんに会いたいです。
柴田剛男」。
フフ… ねえ 父さん
会いたい 会いたいばっかりでないの。
しかたないだろ
そん時は 本気で そう思ってたんだから。
でも うれしいよ。
こんなに会いたいと思ってもらえるのは。
父さんは 本当に
みんなのことが大好きなんだね。
ねえ 夕見子が最後に言った言葉って?
えっ?
ああ それはね…。
☎
はい もしもし。
もしもし なつかい?
母さん?
富士子ちゃん?
ちょっと大変なんだわ。
☎(富士子)夕見子に たきつけられて…。
男たちが わやなこと始めたんだわ!
<十勝女房自慢コンテスト
前夜のことです>
よし みんな 集合。
はい。
いよいよ 十勝女房自慢コンテストが
開催される! おう!
名前は乗っ取られちまったが
俺は 今でも男自慢コンテストのつもりだ。
男らしいところを見せつけて
女房たちを ほれ直させるべさ!
おう!
♬~
[ 回想 ] 私は もし 結婚するとしたら
あんたしかいないと思ってた。
えっ… いつ… いつから?
いつって…
いつの間にか そう思ってたわ。
♬~
夕見子ちゃん…。
♬~
(戸をたたく音)
あっ お義父さん!
ごめんね こんな朝早く。
急いで帰ってきたら
変なタイミングで着いてしまって。
いや なんもです。
これ よかったら どうぞ。 ありがとう。
それにしても すごいことになったね…。
あ… 夕見子が面倒をかけて申し訳ない。
あ いえ…
言いだしたのは男たちですから。
でも まあ 思ったより
物騒な話でなくてよかったよ。
女房自慢 楽しそうじゃないのさ。
そったら のんきなものじゃありませんよ。
夕見子ちゃん
出てっちゃうかもしれないんですよ!
あ ごめん…。
あ いや いや…
すいません むきになって。
自分が不安なだけで。
不安?
俺が 夕見子ちゃんに
してあげられることって
あったんだべかって…。
夕見子ちゃんは 俺と違って
しっかりしてるし 強い人だし
俺なんかいなくても
生きていけるんでねえかって…。
何かしたいんですよ。
したけど どうしたら 夕見子ちゃんに
ふさわしくなれるのか 分かんなくて…。
雪次郎君が 夕見子と会ったのは
小学校に入ってからだもね。
はい。 あのころから
よく どなられてました。
雪次郎は男らしくねえっつって。
ハハハ… そうかい。
したけど もともと夕見子は
あんなふうに
はっきり 物を言う子でなかったんだわ。
えっ?
部屋で本ばかり読んで
あまり 人と話したがらない子だった。
夕見子ちゃんが…?
うん。
いや したけどね
僕が戦争に行くってなって
もしかしたら もう戻れないかもしれない
ってことを伝えた時
あの子は 泣くのを我慢して
こう言ったんだわ。
(夕見子)お父さんが帰ってくるまで
私が うちを守るから!
したから 絶対に帰ってきて!
(剛男)もしかしたら あれから ずっと
夕見子は みんなを守らなくちゃって
思ってるのかもしれない。
雪見は 夕見子ちゃんみてえに
強くねえんだわ。
あんたに… あんたに何が分かんのさ。
俺… もう少し考えてみます。
うん。
はい。
♬~
<そして とうとう…
十勝女房自慢コンテストの日が
やって来たんだわ!
けっぱれ 十勝男児よ!>
♬~
ちょっと待ってけれ… 雪次郎は?
えっ?
さ~て ついに
この日がやってまいりました!
「十勝女房自慢コンテスト」。
司会は この度 声優デビューをいたしました
小畑とよでございます。
(拍手と歓声)
ありがとうございます。
果たして 男どもは 嫁たちの心を
つなぎ止めることができるべか!
あっ… ごめんね
ちょこっと遅れてしまって。
お~い カナ子さん 公英
こっちゃ こっちゃ。 お母さん 早く!
(カナ子)分かった 分かった…。
いや~ 皆さん この度は
うちの主人が ご迷惑をおかけして…。
いいえ。
うちの方こそ。
いや なんも なんも。
さ~て お手並み拝見といこうかね。
夕見子ちゃん 何 おっかない顔してんの?
えっ?
別に 本気で別れるってわけでないしょ。
いや 私は本気だよ。
えっ。
雪次郎の気持ちが 半端なもんだったら
そん時は…。
したら 男たちの入場だわ。
はい はい はい…。
(一同)はい はい はい はい…。
(手拍子)
(拍手)
雪次郎…。
ルールは単純明快!
男たちの愛の叫びを
それぞれの嫁たちに判定してもらいます。
このタンポポ札が上がったら 婚姻継続!
こっちの魔界の番長札が上がったら
離縁!
女房自慢コンテストの始まりだべ!
(拍手)
菊介 頑張れや~!
(拍手)
(とよ)トップバッターを飾るのは
十勝きっての伊達男… 山田正治!
(柝の音)
タミ。 天陽がいなくなって
何も手につかなかった俺を
笑顔で支えてくれて ありがとう。
改めて 君の存在が
どれほど大きなものだったかを実感した。
これからも 共に生きていこう。
そして 奥様方
十勝開拓の歴史には 間違いなく
女性の力が不可欠だった。
全ての十勝男児に代わって 感謝します。
ありがとう ありがとう~!
(拍手と歓声)
そうよ これよ これ!
この言葉が欲しかったのさ!
会場の反応は上々!
さ~て 嫁の判定は!
(タミ)これからも よろしくね。
(歓声)
ありがとう!
(拍手と歓声)
(とよ)タンポポ札! 婚姻継続!
(拍手と歓声)
天陽のおやじさん すごい声援だな…。
いや たまげたな。
随分 ハードルが上がっちまったな…。
なんてことをしてくれたんだか…。
いや ありがとう。
会場は温めてきた。 みんなも頑張れよ。
しかたねえ。
俺たちも この勢いに乗るしかねえ。
そうっすね…!
今こそ 俺たちの魂を見せてやれ!
十勝男児 愛を叫べ~!
(一同)F! F! J!
続いては 柴田牧場を
陰で支え続ける 戸村菊介!
(柝の音)
カナ子 公英。 多くは語らねえ。
この歌に 全部込めてきた。
聴いてくれ。
♬「拝啓 この世界で一番近くにいるひと」
♬「今までもこれからも
一番近くにいるひと」
♬「いつもなら言わないこと
今日は伝えに来ました」
♬~
♬「言わなくちゃいけなかったこと
歌にしました」
♬「脱いだら脱ぎっぱなし」
♬「食べたら食べっぱなし」
十勝の番長 門倉 努!
うわ~ 良子!
もう トラクター買うなんて言わねえ!
ああ~… おりゃ~!
この腕っぷし一つで
お前と子どもたちを支えていくべ!
(拍手と歓声)
あんた…!
やった~! わっしょい わっしょい
わっしょい わっしょい…。
♬「俺にとってキミはどんな空気よりも」
♬「おいしい おいしい 空気なんだ」
(とよ)我がせがれ 小畑雪之助!
(柝の音)
(雪之助)妙子!
(歓声)
う~ん… 甘~い!
(拍手と歓声)
タンポポ!
(拍手)
(雪之助)これ
愛の妙子ケーキっていいます。
おっ…。
(せきばらい)
柴田照男!
(柝の音)
いつまでも 君だけが好きだ 砂良!
何言ってんのさ! 浮気したくせに!
(観客)えっ…。
いや… 違うんだ! あの…
組合長のつきあいで入った店が
たまたま…。
たまたま?
申し訳ない!
本当に 俺が愛したのは
生涯 砂良 ただ一人だ!
命懸けても構わねえ!
許してくれ このとおりだ!
信じてあげる。 今回だけね。
(とよ)ギリギリ タンポポ!
(拍手と歓声)
♬「あんなに惚れてたのに
こんなに惚れてるのに」
♬「いつの間にか空気みたいに思ってた」
♬「でも信じてくれ」
♬「俺にとってキミはどんな空気よりも」
♬「おいしい おいしい 空気なんだ」
♬「いつまでも吸っていたい
おいしい空気なんだ」
♬「菊介 愛を誓います」
♬「十勝の空へ」
♬「菊介 愛を誓います」
♬「あなたのそばで」
♬~
カナ子 帰ってきてくれ。
(拍手)
さあ 判定は!
お母さん。
分かった 分かった。
(カナ子)ほれ。
(とよ)タンポポ~!
(拍手)
いいぞ! せがれ!
(拍手)
何さ その顔 ハハハ…。
いや~ お疲れ お疲れ!
みんな 大したもんだわ!
なあ 雪次郎君は?
いや まだなんだわ。
何やってんだべ あいつ…。
あれ 雪次郎は どうしたのさ?
いや それが… 便所に。
もう 出番だっつうの!
雪次郎 さっさと尻拭いて出てこい!
もう いいわ。
夕見子ちゃん…。
どうせ 逃げ出したんだべ。
もしかしたら 男 見せてくれるかもって
期待したけど… 裏切られたわ。
ええ では 以上で
全員の演技が終了っていうことで
いいのかい。
そうかい。 したら 以上をもちまして…。
(雪次郎)ちょっと待ってや!
(夕見子)雪次郎…。
どしたんだい 雪次郎 やれんのかい?
ああ。
うん うん。 遅くなって すいません。
よっ! 本日の大トリは
雪月の菓子職人にして 私の孫
小畑雪次郎!
(柝の音と拍手)
夕見子ちゃん…。
お義父さん! お願いします!
すいません… すいません…。
父さん!? 何してんの!?
柴田牧場の朝採れ牛乳だ。
いや… いやいや…。
ありがとうございます。
ギリギリまで悩んでて
遅くなっちゃったけど…。
はあ? どういうこと?
俺は
夕見子ちゃんの強さしか見えてなかった。
その強さに甘えてしまってた。
したけど これからは
夕見子ちゃんに できねえことは
俺が代わりにやっから。
夕見子ちゃんは 弱えまんまでいいから。
(とよ)雪次郎! あ~あ…。
ねえ ちょっと… ねえ ねえ!
何してんの…。
(どよめく声)
ちょっと! ちょっと…。 何してんの!?
君が飲めねえ牛乳は
俺が 一生飲むから…!
何さ…。
あんたが やりたかったのって
こんなこと?
(どよめく声)
(牛乳を飲む音)
牛乳くらい もう飲めるわ。
私が こんなことで喜ぶと思った?
浅はかにも程があるべさ。
番長札…。
はあ…。
あんたに 何かしてほしいだなんて
思ったことないわ。
男らしくないとか 情けねえとか
そりゃ いろいろ言ってきたけど
そんなのね 別に どうだっていいんだわ。
したって それが雪次郎だもん。
私が あんたに期待してんのは
たった一つだけさ。
覚えてないだろうけどさ
子どもの頃の約束。
約束…。
♬~
(雪次郎)僕が 夕見子ちゃんのために
おいしい牛乳のお菓子を
たくさん作るよ!
いらないわよ 別に。
おいしい牛乳のお菓子を たくさん作る。
約束 守る。 絶対 一生守る。
夕見子ちゃんのために
おいしいお菓子 なまら おいしいお菓子
作らしてくれ。
俺と ずっと 一生 一緒にいてくれ
夕見子ちゃん!
バカだもね… 本当 バカ!
バカすぎて 放っておけないわ。
えっ?
夕見子ちゃん。
はい。
(拍手と歓声)
(とよ)タンポポ~!
夕見子!
<こうして 無事
十勝女房自慢コンテストは
終わりました。
本当 無事でよかった~>
したら 大丈夫だったの?
夕見と雪次郎君 別れてない?
☎(剛男)別れるどころか
前より仲よくなったみたいだわ。
雨降って 地 なまら固まるってとこかな。
父さんは届けないの?
あの手紙 母さんに。
えっ? いや いいよ 恥ずかしい。
☎え~ 絶対 喜ぶのに。
え~?
いやいやいや いいって エヘヘヘ…。
(剛男)「富士子ちゃん
富士子ちゃん
富士子ちゃん」。
♬「重い扉を押し開けたら
暗い道が続いてて」
♬「めげずに歩いたその先に」
(夕見子)
お待たせしました。
リンゴジュースと オレンジジュースです。
はいはい どうも
これが新作のね 愛のユミコケーキ。
何なんですか この名前は。
なまら恥ずかしいしょや!
コンテストが いい宣伝になったもね。
雪次郎の牛乳のお菓子 こりゃ売れるぞ~。
約束のお菓子ね。 ヒッヒッヒッヒッヒ…。
勘弁してや。
すいません 愛のユミコケーキ 2つ。
あっ こっちも…。
こっちも 愛のユミコケーキ。
僕らも 愛のユミコケーキ下さい。
もう… 愛のユミコケーキ 入りました!
は~い はい はい はい はい はい
愛の男が参ります。
はい 愛のユミコケーキ。
はい。
うん… 愛だわ。
<夕見子ちゃんよ そして 雪次郎よ
互いに思いやっていけば
君たちの未来には
きっと明るい道が続くよ…。
菊介さんでした>