男の子は「鶏口より牛後になるべき」深い理由

名物校長が語る「自己肯定感の高め方」

スポーツを本気でやってきた人というのは、「負ける経験」をたくさん積んでいます。そしてその中で、悔しい思いに耐えながら、勝つための方法、レギュラーになるための方法を必死で考え、実践し続けます。この経験が、社会人になったときにも、生かされるのです。負けても、負けても、そこから這い上がる力があることが、就職で評価されているのです。

負けるために、上へ上へとチャレンジしよう

逆説的に響くかもしれませんが、「負ける」という経験をするためにも、勉強においても、スポーツにおいても、上へ上へとチャレンジさせてください。そうすれば、必ず負ける経験にぶち当たります。

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例えば開成への合格は、一見「成功体験」に見えるかもしれませんが、そうではありません。開成には小学校時代トップクラスの子が集まるわけですが、5月の末にある中間試験で、「成績上位だ」と思える子というのは、ほんの一握り。残りの大多数の子は「なんで俺がこんな順位になるんだ?」と、自分が初めて経験する成績にびっくりするわけです。

ここで子どものころから持っていた「成績がいい」というところを拠り所にした自己肯定感が崩れ去ることになります。ですから生徒たちは、勉強以外で自分の自己肯定感を支えてくれるものを、学校生活の中で見つけていかなければならないのです。

そういった意味で、中学受験や高校受験は、上を目指してチャレンジすることで、合格しても、不合格であっても、子どもにとってプラスの財産になる「負ける経験」をすることができます。親が安全策ばかり立てていると、子どもは失敗しないまま人生を進み、初めて失敗したときには、立ち直れないほどのダメージを受けてしまうかもしれません。

スタートは「牛後」でいいのです。そんな自分を見つめることも、そこからトップになるように奮起することも、男の子の生きる力を育むうえで、大きなプラスになるからです。

(構成:黒坂真由子)

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  • ネコサメa48d3feb619d
    間違っていることは言っていないが正しいこととは限らない話。
    up88
    down16
    2019/12/29 10:52
  • といざヤす9fb97ee2a27b
    phj by PC様

    おっしゃることは分かりますが、負ける経験は大切だと思います。
    鶏口牛後は関係なく。

    わたしは「体育会的な価値観」や「体育会的行動原理」は唾棄すべきものと思っていますが、スポーツなどを通して、負ける経験をする(悔しさを学ぶ)ことは大切だと思っています。

    自分の実力の見つめ方や、幼児的万能感からの脱し方は、結構難しいですし、また大事なことと思っています。
    up70
    down15
    2019/12/29 09:56
  • phj by PC0dff3981b61a
    この人言っていることがめちゃくちゃ
    いかにもエリートが挫折を知らずに書くとこうなるという典型だと思う

    まず「牛後は失敗できる」
    鶏口は失敗しないのか?

    とんでもない認識不足だろう
    鶏口は「小さいがゆえに大変」だ
    鶏は狸や狐と言った天敵から自分の集団を守らなければならない

    その知恵、挫折感はむしろ「牛後では味わえない」
    日本のエリートが牛後ばかりになったら「大企業のYESマン」しか生まないだろう

    ただでさえ日本は世界的見て「起業家が少ない」と言われている

    アメリカ経済が元気なのは「優秀であればあるほど起業する文化」があるからだ

    日本は東大なら官僚、中央法学部なら司法試験と官ばっかり、または一流大学から大企業へ、という流ればかり

    その硬直した構造が日本経済の疲弊をもたらしているとも言われているのに、第一線の教育者が「牛後でいい」というのはなんたる体たらくだろうか
    up107
    down72
    2019/12/29 09:31
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