ママ困惑!スナックで「暴走」してしまう女たち

居心地のよさに甘える「マウントスナ女」

ママも常連客も震え上がらせる「マウントスナ女」の実態とは(写真:nonpii/PIXTA)

もう10年になるだろうか。全国津々浦々、さまざまなスナックを渡り歩いてきた。当初は「あら、バイト希望の方かしら?」と言われたり、「事件か何かの調査?」「他店の人じゃないわよね?」などと疑われたりすることも多かった。それほど女性の1人客は珍しかったのだろう。また、女性が1人でスナックに入ること自体、ハードルが高かった。

その後、スナックの文化や魅力を伝えるべく「スナック女子」、略して「スナ女(すなじょ)」として活動を続け、メディア等で発信する機会も増えてきた。そのせいか、最近では女性が1人でスナックに行ける環境が、少しずつ醸成されつつあるようだ。

事実、「カウンターでママと話す女性」「ママの手料理を目当てにスナック通いする女性」「常連客に交じってカラオケを楽しむ女性」などを目にする機会が増えてきた。店側としても、女性客を温かく迎え入れ、女性が楽しめる工夫をしているようである。スナックに魅力を感じ、気軽に楽しむ女性は着実に増えている。

ただ、問題も起きている。非日常の癒やし空間であるスナックに、男性顔負けのマウント女子が散見されるようになったのだ。彼女らは、場の空気も読まずにマウントをかけ、周囲を困らせている。

常連客に大声で「説教」

都内、東急線沿線にある駅近スナック。いつも聞き上手なママに魅了された常連客でにぎわっている。その日はスナック巡り2軒目で、21時半頃にお邪魔した。「あら、いらしゃい。お久しぶりね。元気してた?」。扉を開けると、いつもと変わらぬママの笑顔。店内は数名の男性客と、30代後半くらいの女性客が1人。楽しそうに談笑している。

しかし、カウンターに座ってママに近況報告をしていたそのとき。突如、背後から女性の鋭い声が聞こえてきた。「そういうところがマネジメントできてないから、部下になめられるんだよ!」。振り返ると、先ほどまで楽しく談笑していた女性が、見るからに温厚そうな初老の男性に向かって吠えている。

「私も部下がいるからわかるけどさ。バカ正直に叱るだけじゃなくて、モチベーションも高めなきゃダメだって!」「まじイライラするわー。こういう管理職。これじゃ部下が不幸になるだけだよ」。穏やかな雰囲気が一変し、社内でよくある説教シーンが繰り広げられている。甲高い女性の声は徐々にボリュームを増し、相手の男性は完全に放心状態。店内も凍りついている。「ママー、この人マネジメントの本質全然わかってないんだよー!」。

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  • 午後の牧神83220cd73851
    面倒くさいから、スナックには行かない。
    up58
    down15
    2019/12/29 08:34
  • にゅん*804a29927fde

    女の上に立てる女、
    それは自分の「女」をコントロールできる女。

    だから男が安心して「ママ」って呼べるんじゃんか。

    そーゆー男の聖地に並の女は客でも不要。

    なぜなら
    気を遣わせるんだよ、並の女は。

    ホステスさんなら気を遣うのもゲーム感覚で楽しいけどさ。

    並の女は手酌で充分。

    女が女に癒されたいなら、
    愚痴聞いてくれる女将さんのいる居酒屋にでも行きなよ。

    up83
    down46
    2019/12/29 06:06
  • 塩顔リーマンc0d6750e20b5
    > 「あら、バイト希望の方かしら?」と言われたり、「事件か何かの調査?」「他店の人じゃないわよね?」などと疑われたり

    それ、疑われたんじゃなくヤンワリ断られてます。
    ママの困惑が目に見えるようですね。
    夜の世界の機微も察せず厚かましすぎません?
    up18
    down8
    2019/12/29 13:31
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