Vtuberのみすてら先生で書かせていただきました。
推してといて損はさせないということなので信じてみたいと思います。
吾輩は猫である。名前はまだない。
嘘である。私は自称化け猫女教師である。名前は南星空、気軽にみすてら先生って呼んでね。
そういえば、冒頭の文は有名だが果たしてどれくらいの人がそのあとに続く文を読んだ人はどれだけいるだろうか?面白いから是非とも読んでほしいな。それとも宿題にするべきだろうか。
多様な生徒が存在するこのバーチャル学園だからこそ、自分とは違う存在を認め尊敬することは大事なことだろう。そういった意味では一番いい教材かもしれない。
夏目漱石さんと言えば現代ではみんな知ってるロマンチックな告白の方法があるよね、先生も言われてみたいな。
「今日はみなみじゅうじ座α星が綺麗ですね」
あれ、みんなが知っているのと違う?それこそ多様性じゃないかな。でも、先生はみんなの先生だからおっけーは出せないや。
先述の通りバーチャル学園には様々な生徒が存在する、中にはやんちゃな子もいるわけで。あろうことか先生に「やーい、みすてら先生は脚が太ーい」などと言ってきやがった不届きものがいた。
確かに教師にあるまじきダイナマイトボディをしている先生だから、無自覚に男子生徒が魅力を感じてしまうのも気持ちはわかる。だが脚が太いと言われるのは心外だ!ほんのすこし、ちょっとだけ太いかもしれないが堂々と言われるのは訳が違う。
食物連鎖の圧倒的頂点、先生の中の捕食者としての血が騒ぐ。自慢のギザギザ歯を舌でなぞると走り去る生徒の背中にロックオンをして、走る。
走る、走る、走る。
……あれ?全く差が縮まらない、それどころか離れてきている気さえする。いやいや、そんなはずはない。だって先生は食物連鎖の頂点だよ?自称化け猫女教師だよ?
もっと速く動け、私の脚。そんなんだから太いと言われてしまうんだ。いや、そこまで太くないけどさ。こうなったら仕方がない。
「廊下は走ってはいけません!校則違反ですよ!」
全力疾走している自分を棚に上げた発言じゃないかって?先生は教師の立場だからいいんです。だって校則を守っていたら先生も制服で学校に来ないといけなくなるから。
制服を着ている自分を想像する。いや、きつくない……はず。まだセーフ、先生は若いから大丈夫!
結局追いかけっこの末、たまたま通りかかった校長先生に生徒共々止められた。「先生も一緒に遊んでいるとは何事ですか」なんて注意までもらってしまった。
さて、校長先生に怒られて萎縮してしまってるこの生徒を励ましてあげないと。……この子のせいで先生まで小言を言われてしまったのだけど。まあいいや、先生が生徒と打ち解けている証拠だろう。
「あははー、廊下を全力疾走は流石に不味かったですかね……」
「先生、ごめんなさい」
「全く、先生をからかってはいけませんよ」
「もうしません」
「ならば許します。それにしてもどうしてあんなこと言ったのですか?」
「それは……」
さっきまでうつむきがちだったがこちらを向こうと努力していた視線を逸らされた。「うーん」と、悩んでいうことがこちらにまで伝わる悩み方をしている。顔が赤くなったり青くなったり、正直見ていて面白い。大丈夫です、先生はゆっくり待ちますよ。
窓の外になにかを発見したのだろうか、閃いた表情をしている。意を決したのか、真剣な目線をこちらに向けてくる。
「先生、今日は月が綺麗ですね」
冬になり日没までが早くなった。確かに外は夜の様子で空には綺麗なお月様が輝いている。……だけどそうではないだろう。まだ大丈夫、ふざけて返したのならこの話を無かったことにできる。だけど絶対にそれだけはやりたくなかった、こんなにも真剣な生徒の前でそんなことはできない。
「ごめんね、先生はみんなの先生だから」
先生はみんなの一等星だから、誰かのものにはなれないの。