男の子は「鶏口より牛後になるべき」深い理由

名物校長が語る「自己肯定感の高め方」

「負ける経験」によって、逆境から這い上がる力や自己肯定感を高めることができます(写真:HIME&HINA/PIXTA)
子どもの「自己肯定感」をいかに育むか。男の子と女の子では少し違ったアプローチが必要かもしれません。『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』の著書がある開成中学校・高等学校の柳沢幸雄校長が伝えたいこととは?

「鶏口か、牛後か」男の子を伸ばす環境はどっち?

男の子の学校選びで、多くの親御さんが悩むのがこの「鶏口牛後問題」です。『史記』に記されたこの文は、「鶏口と為るも、牛後と為る無かれ」、つまり「小さな集団であってもリーダーになるほうがよく、大きな集団の下に甘んじてはいけない」という意味で使われています。男の子の学校選びや、スポーツでのチーム選びの際に、この言葉が頭をよぎる親御さんは多いようです。

「1ランク落としても、学校やチームのトップにいたほうが、男の子にはいいのではないか」というように考える親御さんが一定数いることを、私も承知しています。

しかし、結論を申し上げれば、男の子の環境は「牛後」がいいのです。それはなぜか。男の子はそこでかけがえのない経験ができるからです。

それは「負ける経験」です。

近年、親御さんの手厚いサポートで、「負ける経験」をする時期がだんだん後ろ倒しになっているように感じています。大学受験、就職試験、資格試験、昇進試験など、人は負ける経験が後になればなるほど、そのショックは大きくなり、その失敗に耐えることが難しくなります。

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