匿名性が高く、特に外から見えにくいことから、深刻化すると懸念されている「SNSいじめ」。その実態はどうなっているのか。
BuzzFeed NewsのLINE公式アカウント「バズおぴ」で、「SNSいじめ」について意見を募ったところ、匿名いじめに悩む意見が複数の高校生から送られてきた。
今回は、「性的ないじめ」を受けたという2人の女子生徒の声を紹介する。
イメージ画像。一部加工しています。
「通知が来ると今でも恐怖を感じます。部活の道具を見ると泣いてしまいます」
高校2年生の眠り猫さんは、BuzzFeed Newsの取材にこう語る。
2年生の途中から運動部に入部したという、眠り猫さん。人見知りなこともあり、あまり部員の子とは話すことがなかったが、部活にいくのはすごく楽しみだった。
しかし2カ月ほどすると、Instagramに設置した「質問箱」に嫌がらせのメッセージが寄せられるようになった。
《「顧問の先生が好きでそれが目的で部活に入ったお前なんかと一緒にやりたくない」「邪魔だからやめろ」》
さらに、性的なメッセージが15分おきに夜中まで送られてくるようなこともあった。「ヤらせろ」などという直接的な言葉が大量に届いた。
「気持ち悪くて怖かったです。しばらくは通知音がなる度に怖くてたまりませんでした。でも、いじめは耐えるしかありませんでした」
「部活を続けたかった」
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内容からして、送ってきているのは部活の子たちだった。しかし、表向きに態度に出す人は誰一人として、いなかった。
「部活に行くと、表面上はみんな普通に私に接してくれていて、それが更に怖くなりました」
友人や先生が助けてくれたが、結局は部活をやめざるを得なかったという。
「大好きだった部活に行くのが怖くて怖くて、結局私は部活を辞めることになりました。私はまだ、部活を続けたかったのに」
眠り猫さんは、匿名いじめの恐ろしさをこうも語る。
「誰が自分に対して敵意を持っているのか分からないので、疑心暗鬼になり、誰も信用出来なくなりました。こんな陰湿ないじめはないと思います」
Twitterにデマを書かれ…
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「ちょっと目障りだから。癪に障るから。誰かが軽い気持ちで書き込んだその一言で、私の中学校生活は嫌なことしか思い出せなくなりました。きっとみんな信じないだろうと思ったその行動で1人の人間の1年間を奪えるのです」
そう語る高校1年生のたむさんも、SNSによる匿名いじめの被害者だ。
中学時代のこと。ある日、たむさんが「レイプされたことがある」というツイートが書き込まれたことが、その発端だった。
まったくのデマで、誰が書き込んだのかはわからない。しかし、その内容がみるみる学校内に広がっていったという。先輩たちからは、直接的にこんな言葉を投げかけられるようになった。
《「レイプされたってほんと?」「お願いしたらヤらせてくれるって聞いたんだけど」「可愛いよね、付き合ってくれるでしょ?」》
「他の男性からの性的な表現が含まれる言葉を言われるようになりました。直接言ってからかってくる方やすれ違いざまに呟いてくる方が多かったです」
「私のことを全然知らないのに、なぜそんな酷いことを言えるんだろう、私そんなに悪いことした?と自分に嫌悪感を抱き、汚い言葉をかけられる自分が穢らわしいと思ったことさえあります」
なかには心配をしてくる人もいたが、しつこく後をつけてくるような人もいた。
「なぜそんな嘘を信じられるのか分からない。信じる人なんていない。そう思っていたのにインターネットは簡単に人間を動かせてしまいます」
「逃げるのは弱いことじゃない」
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そうした事態は1年近く続いた。一時期、学校を休むこともあった。
書き込んだ人物か誰かはわからず、「誰を信じていいかわからず、怖かったです。1年間生きた心地がしませんでした」という。
「私は幸い、家族や先生にしっかりと話すことが出来たので守ってくれる大人がいました。でも、1人だったらきっと生きる気力さえ失っていたかもしれません」
とはいえ、トラウマはいまも残る。
「それから男性が苦手です。大きな理由はないのですが男性と話すこと自体自分から避けるようになりました。きっとネットに書き込んだ人はここまで事態が大きくなると思っていなかったのではないでしょうか」
いま、そうしたいじめに苦しんでいる人に何かを伝えられるとしたら。たむさんにそう聞くと、こう答えてくれた。
「一人で泣いていないか、とても心配です。どんなにひどいことを言われても聞かなくていいです。学校に行けって言われても行かなくていいです。だってあなたを守れるのはあなたしかいないから」
「時間が解決してくれるなんて言われても、辛い思いをしているあなた以外の人間が分かるはずがない。逃げるのは弱いことじゃない。何も間違っていません。どうか、自分のことを嫌いにならないであげてください」
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