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すべてのアラフォーが身悶える『ホットロード』の魅力とは?

1986~1987年に『別冊マーガレット』(集英社)で連載され、当時の中高生に絶大な人気を誇った少女漫画『ホットロード』。連載から28年を経た今年、いよいよ実写版映画が公開されることで話題沸騰中です。いわゆる「ヤンキー」が実在したあの時代、『ホットロード』はなぜ女の子たちを夢中にさせたのか? その時代をリアルに経験した私が、80年代のヤンキー文化とともに魅力を紹介したいと思います。

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(C)2014「ホットロード」製作委員会 (C)紡木たく/集英社

<ストーリー> 主人公の宮市和希は、親の愛情を実感できずに行き場のない孤独感を抱えている中学2年の女の子。そんなある日、不良チーム“Nights”のメンバー・春山洋志(ハルヤマ)と出会う。ハルヤマがNightsのリーダーとなったことで、敵対するチームとの抗争に巻き込まれてしまう――。

80年代、「ヤンキー」は女の子のひそかな憧れだった

ヤンキー隆盛時代の80年代、女子はくるぶしまである長いスカート、男子は短ランにボンタンという制服スタイルがはやった時代。とはいえヤンキーと普通の子との間には深~い溝があり、普通の子たちは「ヤンキーなんてダサい」と思っていたのです。ところが『ホットロード』の登場によって「ヤンキーの世界に憧れる普通の女の子」が続出。思春期特有の繊細さと純粋さを具現化した物語は、女の子たちの“バイブル”となりました。

オレがー もし女だっだらぁ こーゆー男はまずやだね。性格わるいしよー 頭わるいし。つまんないことで女を泣かすし

あたしは…泣かないよ。おまえのためなんかで ぜーったい泣かない

和希とハルヤマのこんな会話のやりとりは、背伸びしたい年頃の女子の心をわしづかみにしました。

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「ぶっ殺されてーのかよ、てめー」「おまえ、オレの女にならない?」。この強引さ、今で言う「壁ドン」に通じるものがある!?(紡木たく『ホットロード1』集英社文庫 1995年 P102-P103より)

時に冷たく、和希を傷つけるハルヤマ。一方で、襲われそうになった和希を間一髪で助けに来たり、食中毒になった和希のために病院に行き薬を持ってきてくれたりと、ここぞという場面ではちゃんと守ってくれる。そして最後まで女に手を出さない。そんな男気あるハルヤマに胸がキュンキュンします。

懐かしい!あの頃あった『ホットロード』登場アイテム

ここで、『ホットロード』に登場したあの時代ならではのアイテムをちょこっとご紹介。

  • オキシドールで髪を脱色

脱色の定番アイテムは消毒薬のオキシドール。「ものすごく髪が傷む」といわれ、実際にやる人は少なかったかも…?

sab1 頭から薬をかぶり脱色した和希。学校ではしだいに目立つ存在に。(C)2014「ホットロード」製作委員会 (C)紡木たく/集英社

  • 「4FOUR(フォア)」「タクティクス」など男くさいアイテムにドキドキ

Nightsのリーダーに代々受け継がれるバイク「4FOUR」に想像をふくまらせ、ハルヤマがつけるコロン「タクティクス」をドラッグストアでチェックしたり…しませんでした?

気になる映画版『ホットロード』、どうなってる?

さて、8月16日から公開の映画版『ホットロード』、漫画の世界観がどこまで再現されているのか気になりますよね!?

実は私、この映画を見る前は「和希がスマホ使ってたりしたらどうしよう」と不安だったのですが…。心配無用、ちゃんとあの頃の時代や空気感を大切にした切ないラブストーリーに仕上がっていました。ただ、当時と比べてヤンキー度はかなりマイルド。「和希の髪の色はもっと金髪でしょ!?」などとつい思ってしまいましたが、その分、2人のピュアさがキラキラと際立っていました。

sub3 ピュアゆえに反発する和希と、愛する男性と娘との間で揺れ動く母。(C)2014「ホットロード」製作委員会 (C)紡木たく/集英社

そしてもう1つ、大人になった今だからこそ実感できたのが、「子どもはいつでも親の愛情を求めている」ということ。親の愛情がわからず満たされない和希、娘にどう接したらよいのか悩み迷う母親の気持ちの両方が、痛いほどよくわかります。特に母親役の木村佳乃さんの演技は、「あの頃和希、今はママ」というアラフォー女性は共感できるはず。大人になって忘れてしまったピュアな自分を思い出させてくれる映画です。

映画 『ホットロード』
出演:能年玲奈 登坂広臣 木村佳乃 小澤征悦ほか
監督:三木孝浩
原作:紡木たく「ホットロード」集英社文庫〈コミック版〉
脚本:吉田智子
主題歌:尾崎豊「OH MY LITTLE GIRL」 ソニー・ミュージックレコーズ
8月16日(土)より、全国ロードショー
公式サイト hotroad-movie.jp

<文:照井みき>

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