ファストリ柳井氏、ソフトバンクG社外取を退任

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2019/12/27 16:53

ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏

ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏

ソフトバンクグループは27日、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏が31日付で社外取締役を退任すると発表した。「本業に専念する」ためだとしている。柳井氏はソフトバンクGの孫正義会長兼社長と懇意で、2001年から社外取を務めてきた。積極的な事業拡大を図るソフトバンクGの「ご意見番」だっただけに、同社の意思決定に変化が出る可能性がある。

ソフトバンクG、ファストリとも柳井氏の退任理由を本業専念と説明した。ファストリが運営するユニクロは、インド、ベトナムなど海外進出を加速している。東京五輪の開催を控える2020年は国内に大型店を出す。「柳井自身が重要な判断を下す機会が増える」とファストリ側は説明する。

柳井氏は孫氏に請われるかたちでソフトバンクGの社外取を務めてきた。孫氏に対し「(日本で本当に)経営している数少ない経営者」と敬意を表する一方、自身がM&A(合併・買収)に消極的なこともあり、積極投資に走る経営に対しては「僕と対極にある」ととらえてきた。

ソフトバンクGの社外取として「ストッパー役」を自任してきた。ソフトバンクGが10兆円ファンドによる人工知能(AI)投資やグループ内での大型買収を加速する際も、投資の社会的意義や買収額の適正さなどを取締役会で問い「正面から物言うご意見番として貴重な意見を頂いてきた」(ソフトバンク幹部)。

ソフトバンクGでは17年、柳井氏と同様に孫氏が信頼を寄せてきた日本電産の永守重信会長が社外取を退任している。

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