2011年11月28日 11:32 | 無料公開
県立美術館の名誉館長を務めていた2009年8月、翌年に控えた「ゆめ半島千葉国体」に向けて夢を語る沼田武元知事=千葉市中央区の県立美術館
沼田武元知事の訃報に、千葉県内の政財界には驚きと悲しみが広がった。幕張新都心とかずさアカデミアパーク、成田国際空港を核都市とする「千葉新産業三角構想」の立役者として、千葉県の発展をけん引してきた沼田元知事。突然の悲報に「大きな存在失った」と言葉を失う関係者も。県政発展のためにともに歩んだ県議会は、党派を超えて悲しみに包まれた。
県議会の伊藤和男議長(自民)は「がんセンターやこども病院、地域の県立病院など県内の地域医療を大きく前進させた」と手腕を評価。「千葉県にとって偉大な人物だった」と言葉少なだった。
自民党県連幹事長の酒井茂英県議は「温厚で思いやりにあふれ、職員も人柄を慕っていた。幕張メッセを作ったり県のために尽力した」と惜しんだ。同県連元幹事長の飯島重雄元県議は「千葉県民500万人突破記念に、2人で公園にマキの木を植えたことを思い出す。千葉県にとっても一番良い時代だった」と悲しみをこらえた。
公明党県本部代表代行の吉野秀夫元県議は、突然の訃報に絶句。阪神大震災のあった1995年に、千葉県の断層について県議会で議論した思い出に触れ、「多いに論戦したが、沼田さんは10億円近い調査費をつけて県内の断層を調べ、活断層がないという結果を得てくれた」と声を振るわせた。
県秘書課によると、葬儀・告別式は近親者のみで行う。遺族は「大変失礼ながら、会葬や香典などは一切辞退したい」と話しているという。
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