英名で「ラクーンバタフライ」と呼ばれるチョウチョウウオ。
　ラクーンとはアライグマのこと。たしかに、目元の模様がアライグマそのもの。

　こんな愛らしい顔で近寄られたら、ロックリバーへ遠乗りしよう！と誘わずにはいられない。
　しかし出会えたからといって、「神様ありがとう……」と感謝したくなるほど珍しいわけではない。

　リーフ内やリーフエッジ付近で、ペアで泳いでいる様子をフツーに観ることができる。

　もっとも、じゃあ会いたいときにいつでも会えるのかというと、そこらじゅうにウジャウジャいるわけでもない。

　ポリプ食のチョウチョウウオ類とは違い、子供の頃をサンゴの枝間で過ごすということはないチョウ半のチビターレは、リーフの中の地味なところがいいらしく、桟橋脇ではほぼ毎年、幼魚の姿を観ることができる。

　桟橋脇に停めている船から海中の岸壁を覗き込むと、チラリホラリと黄色い豆チョウハンの姿が見え隠れする。

　そして最初は１円玉サイズだったものが、やがて500円玉サイズくらいに育っていく。

　１円玉サイズくらいのころには鰓の後ろの黒い模様がなく、その姿を是非写真に納めたい……