予防医療のランダム・ウォーカー

内科専門医のblog 〜予防に勝る治療なし〜

【いい病院ランキング】は、なにが「いい」と判断されているのか

雑誌の【いい病院ランキング】はよく目にするものですよね。

 

いい病院ランキングはだいたいのものが、手術の症例数の多いところから1位、2位・・と並べて書いてあります。

 

症例数が多い病院には2種類あると個人的には考えています。

 

ひとつは正統派です。質の良い治療をしていて、紹介される患者さんが多く、結果として手術をたくさんやっている病院です。

 

もうひとつは、本来は手術を回避できる状況でも手術をして、症例数を稼いでいる病院です。

 

症例が多い病院というのは、だいたいこのどちらかであり、いずれにせよ結果的に手術技術は向上するので、この【いい病院ランキング】は一定の判断基準になると思います。

 

ただ、手術の数は決して多くはなくても、しっかりとひとりひとりに合った治療をみんなで議論し、提供しているモラルの高い病院もある、ということは知っておいていただきたいです。

 

そういう病院こそ本当の意味でいい病院なのに、手術の症例数は多くならないので、なかなか雑誌には載らずいい病院と評価されない、という矛盾があります。

 

これは、症例数が多い=いい病院という定義をしてしまっているので、仕方のないことですが。

 

いい病院ランキングをみるといつも、質を評価するのは本当に難しいといつも考えさせられます。

 

どの業界でもあると思いますが、インサイダー情報はなかなか外の人間には手に入りにくく、とても難しいなと思います。

先日、若手の先生から症例数の多い病院についていろいろと質問を受けたので、今回はこの内容にしてみました。