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【社会】高江ヘリパッド協力拒否覆す 首相補佐官が便宜示唆
沖縄県東村(ひがしそん)高江の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、和泉洋人(いずみひろと)首相補佐官が二〇一六年九月、建設現場の隣接地域に施設を所有する電源開発(Jパワー、本社・東京)の会長を官邸に呼び、建設への協力を求めていたことが明らかになった。本紙が入手したJパワーの内部文書には「海外案件は何でも協力しますから」と記されており、協力の見返りに同社の海外事業への支援を伝えていた。 (望月衣塑子) 和泉氏は政府のインフラ輸出の司令塔。当初は協力を断っていた同社に「本件は官房長官直結で私が仕切っている」と菅義偉(すがよしひで)官房長官の存在を強調しながら、便宜を示唆し、翻意を迫っていた。同社は面談後に要請に応じた。 当時、高江のヘリパッド建設に反対する住民らの抗議で資材を積んだトラックが出入りできず、自衛隊のヘリを使った資材搬入などが行われていた。建設現場に隣接する国頭村安波(くにがみそんあは)にはJパワーの「沖縄やんばる海水揚水発電所」(同年七月廃止)があり、沖縄防衛局は同社に施設使用を要請したが、同社は地元との関係を優先し、断っていた。 内部文書や関係者の話によると、和泉氏は同年九月十四日午前、Jパワーの北村雅良会長と官邸で会談。官邸側の官僚一人と同社幹部も同席した。 和泉氏は「米国政府は、日本政府は沖縄関連で何もしていないと見ている。本件は日本政府も汗を流している証拠として、二十年間、放置されていた件を動かした。反対派の活動もかなりのもので、あと三カ月で完成させるには、JPから建屋、水、燃料タンクなどの協力を得たい」と施設の利用を要請。さらに「一省庁の問題ではなく、国の問題。懸念は理解するが、中立とか言うのは勘弁してください」と述べた。 ◆「国の要請」と承諾北村会長は「協力すると、悪者扱いされるのはつらいところ」と懸念を示しながらも「国の強い要請と受け止める」と承諾。和泉氏は「ありがたい。海外案件は何でも協力しますから」と、海外事業への支援の姿勢を示した。 会談後、同社は同年十月から建設が終了する同十二月まで、建物内外での建設作業員らの宿泊・休憩所の設置、シャワー室の設置、トイレの使用を認めた。 Jパワーは取材に「防衛局から要請があり、施設の一部の利用を認めた」とする一方、「海外事業で官邸の協力を得ているものは一切ない。(和泉氏が)そのような発言をしたのか否か、全く分からない」と話す。 防衛省の担当者は「米国との合意に基づき期限内に建設を終える必要があった。補佐官には現場の状況を含めて報告していた。海外案件の協力は管轄外なので分からない」と話す。 和泉氏はファクスで「ヘリパッド事業は防衛局所管の事業なので同局にお問い合わせ下さい」と回答した。 PR情報
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