12代目カローラを「快作」と評価できる根本理由

「大衆車」としての使命感みなぎるクルマ

2019年9月に全面改良したトヨタの新型カローラ(撮影:梅谷秀司)
トヨタ自動車のカローラがデビューしたのは1966年。1969年に年間販売台数ランキングで1位の座につくと、2001年までの33年間、そのポジションを守り続けた、まさに“国民車”である。そんなカローラが2019年9月にフルモデルチェンジを果たした。
先代カローラに厳しい評価を与えていた『間違いだらけのクルマ選び』は、12代目に当たるこの新型をどう見るか。著者・島下泰久氏が最新版『2020年版 間違いだらけのクルマ選び』につづったカローラ評をお読みいただきたい。

先代カローラが出たのは2012年。そのタイミングの2013年版に、私はこう書いた。「今回のカローラは明らかな失敗作、駄作だ。私としては、長い歴史の中でも最低の1台だと思っている」と。

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ずいぶん厳しいが、100%間違っていなかったと今も確信している。格下のヴィッツのプラットフォームを使って騒音も振動も安っぽくなり、真っ直ぐ走らず素直に曲がらず、インテリアはハードパッドに布を貼っただけで上質感皆無。当初は設定のなかったハイブリッドを急いで投入してきたあたりはさすがトヨタと感心したが、まったく欲しい気持ちにさせず、レンタカーですらハズレくじと感じさせるクルマだったのだ。先代の、とくに登場初期は。

結局、それはカローラが、長く愛用し続けるオーナーのことをおもんぱかりすぎたか、あるいは彼らの声を都合よく解釈したクルマづくりになびいてしまった結果だともいえるだろう。そしてカローラはブランドもハードウェアもどんどん若々しさを失い、「おじさんが乗るクルマ」「消去法で選ぶクルマ」というポジションに甘んじてしまっていたわけだ。

走って楽しいクルマという原点に回帰

しかし、ユーザーの平均年齢が70歳を超えるに至って、ようやく重い腰が上がった。カローラは新型で、本来あるべき姿への回帰を目指した。無理に若返ろうとしたわけではない。それこそ初代カローラがそうだったように、すべてが平均点を超える性能を持ち、所有して、走って楽しいクルマという原点に、時計の針がひと回りした12世代目にして、まさに今の価値観で立ち返ったのである。

新型カローラの後ろ姿(写真:トヨタ自動車)

4ドアセダンの新型カローラ、そしてワゴンボディのカローラ・ツーリングは、いずれも前年に登場したカローラ・スポーツからの流れにある、驚くほどスポーティーな外観に仕立てられている。海外市場向けとほぼ共通のデザインだが、実はボディーはコンパクト化された日本専用。サイズは全長4495㎜×全幅1745㎜×全高1435㎜(ワゴンは1460㎜)となる。日本向けではあるが、ついに5ナンバーサイズの軛(くびき)から解き放たれた。

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  • 子持ち20代男ca49416f28bd
    日本仕様の顔面のアクが強すぎる
    海外仕様と同じで良い
    up7
    down3
    2019/12/27 09:19
  • スナフキン4902932ceab5
    もうガソリンエンジンの性能云々、インテリア云々という時代ではなくて軽自動車サイズの電動車を作る時代に入ってきたと思う。近くの場所はこれで移動、遠くへ行く場合はカーシェアーか電車で行くようになると思う。トラックはFCVに変わればCO2 は少なくなる。
    up5
    down3
    2019/12/27 12:20
  • passer-by621d3e55a1da
    車として非常に良くなったとは思うが、パッケージングとしてはもっと良い落とし所があったように思う。
    カローラ・スポーツとツーリングとの差があまりにも中途半端。海外向けツーリングがあってこそスポーツのコンパクトさの言い訳が成り立つが、日本向けツーリングの荷室容量はゴルフのハッチバックと大差無い。日本向けはセダン・ツーリングともスポーツとホイールベース共用しているが、これなら最初から日本向けスポーツをゴルフ並みの荷室容量としたモデルとし、セダンとの2本立てでも良かっただろう。
    トヨタ唯一のワゴンモデルなのだから、海外向けツーリングをそのまま持ち込んだ方が良かった。
    up3
    down2
    2019/12/27 12:28
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