伝統的な抑圧社会の日本(東洋)が、西洋によって解放されるべきという観念は、歴史的経緯から見ると一種の転倒であるが、それが覆い隠されている。→
-
-
Show this thread
-
産婆やお産小屋の歴史研究を見ると、日本の女性身体への男性中心主義的な医療制度の介入は明治以降のことで、それ以前は女性による自律的な空間があったとされる。欧米の女性史では、既に中世以降のいわゆる魔女狩りで、女性主導のケア空間に男性中心的な制度の暴力的な介入があったとされる。→
Show this thread -
また、これは耳学問で確認が必要なのだが、西洋では長らく女性が書くことを禁じられていた(修道女には許されたそうだ)。日本の物語文学の祖が女性の紫式部であるというのは、西洋史からみると歴史的に「早い」。ちなみに家族制度研究は、日本は古来母系制で後に家父長制へ移ったという見解が多い。→
Show this thread -
(大雑把なまとめになるが)女性蔑視のギリシャをルーツとし魔女狩りの中世とビクトリア朝時代の性差別を過去とする西洋の社会進化的意識を基準とし、そこから見た現代日本を「伝統的な」ジェンダーが残った状態と見てしまうと、近代化、西洋化や工業化によって生じた性差別が見えなくなる。→
Show this thread -
日本に交換留学制度で来る学生と授業をすることが多い。彼らの誤った歴史観に気づかされるが、時間や授業編成の限界でジェンダーを古代や中世まで遡って比較する機会がない。西洋を他者に投影した歴史・時間意識を持ったまま本国に帰るのではないか。介入する機会をなるべく作っているが心労が重なる。
Show this thread -
注釈1:明治以前の日本にジェンダーに基づく差別がなかったと言っているのではありません。「伝統的なジェンダー」という概念によって生じる混乱を整理するつもりで書きました。 注釈2:「性差別は日本の伝統」とする見方は、日本出身者にも多く見られますね。
Show this thread -
注釈3: お産や女性身体のケアのための空間が誰によって担われそこで何が行われたか、どのような経緯で弾圧、介入、あるいは支配されるようになったかについてはもっと詳しい考察が必要です。また歴史的過去の美化や西洋・東洋の二項対立にも注意が必要です。
Show this thread
End of conversation
New conversation -
-
-
ツイッターってできた当時はこれを話せるベースがなかっただろうな。今も深いこと考えない、考えられない層って結構多いと感じる。
-