プログラミングをしないプログラミング教育は、はたして成立するのでしょうか?今回は「プログラミング的思考」という言葉について詳しく掘り下げ、結局のところなにをすればいいのかを考えてみたいと思います。
  • プログラミングをしなくてもプログラミング的思考は育まれると解釈している人が多い。
  • アンプラグドは低学年対象の授業などでは有効に機能するがそれで終わってはいけない。
  • 今のプログラミング教育に欠けているのは、自分たちで手を動かしてモノを作る活動。

これまでの【プログラミング教育のホントのところ】はこちら

中日新聞に誤解を招きそうな「プログラミング的思考」記事が掲載

2019年12月13日に、中日新聞に「料理や買い物、良い訓練 家庭で育てる『プログラミング』力」という記事が掲載されました。本記事では、料理の手順や買い物の手順などでプログラミング的思考が育まれる、といったことが書かれています。

画像: 料理や買い物、良い訓練 家庭で育てる「プログラミング」力 より 中日新聞 2019年12月13日 www.chunichi.co.jp

料理や買い物、良い訓練 家庭で育てる「プログラミング」力 より

中日新聞 2019年12月13日
www.chunichi.co.jp

しかしこの記事を読んだ読者は、プログラミングをしなくてもプログラミング的思考は育まれるから問題ないと解釈しかねません(なおこのような取材記事は、取材された側が伝えたいことと記者が伝えたいことが完全に一致しているとは限らないため、取材された方がこのような発言をしているとは限りません)。

「プログラミング的思考」教育

画像: 「プログラミング的思考」教育

プログラミング教育変遷の過程でプログラミング的思考という言葉が使われるようになったのは、二回目の有識者会議で、ソニーグローバルエデュケーションの磯津政明氏が次のように発言したことから始まっています。

プログラミング教育の本質がなんであるかというと、御存じのとおりコーディングというよりは、プログラミング的思考、先ほどもありましたが、コンピューテーショナル・シンキングと言われているところがプログラミング教育の本質ではないかと考えておりまして、この部分を強めるのが、プログラミング教育のあるべき姿だと感じているところです。

この発言からわかることは、もともとプログラミング的思考は、コンピューテーショナル・シンキング(Computational Thinking)を訳したものだったということです。ではコンピューテーショナル・シンキングとはなんでしょうか。

コンピューテーショナル・シンキングとは、 Jeannette M. Wing 氏が提唱する「コンピューター科学者のように考える思考法」のことで、問題解決・システムデザイン・コンピューター科学の概念の基づく人間の理解などが含まれます。なお、公立はこだて未来大学の中島秀之氏が Computational Thinking の論文を日本語訳しているため、より詳しく知りたい人はこちらを参考にされるとよいでしょう。

さて、これを読むと、少なくとも現在広く使われている「プログラミング的思考」と「コンピューテーショナル・シンキング」は、だいぶ異なることがわかります。プログラミング的思考は、いったいなにを指しているのでしょう。

文部科学省的には、プログラミング的思考について次のように説明しています。

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力

私は本連載でもすでに紹介している通り、「情報を捉えて細分化し、再構築する力」と説明しています。しかし、これらはあくまでも「思考法」について問題にしているのであって、プログラミング教育でなにをするかという「具体的な方法」については説明されていません。

「プログラミング的思考」教育に欠けているもの

画像: 「プログラミング的思考」教育に欠けているもの

プログラミング教育で行われる方法論のひとつに「CSアンプラグド」があります。これは「コンピューターを使わずに情報科学を教えるための学習法」であり、現在多くの実践が行われています。記事で紹介されているような料理や買い物の手順を考えて実行することは、アルゴリズムを考えるまさにアンプラグド的な授業と言えます。「プログラミング的思考」を強調する授業では、よくアンプラグドが使われてます。

アンプラグドは低学年を対象とする授業やプログラミング教育の導入場面で取り入れるととても有効に機能します。たとえば学習指導要領に記載されている5年生の正多角形の作図場面で、実際に自分が作ったプログラム通りに教室を歩くことは、理解を深める一助になります。

しかしそれだけで完結してはいけません。「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」では、「コンピューターに意図した処理を行うよう指示する」という一文が書かれています。アンプラグドだけでは、コンピューターに意図した処理を行うように指示することはできません。

ここで問題なのは、コンピューターを使ったとしても「プログラミング的思考」という言葉に捉われるがあまり、プログラミングが本来もつ創造性(クリエイティビティ)の視点を失ってしまうことがあるということです。たとえば「みらいの学びコンソーシアム」では家庭科の授業として、炊飯器シミュレーター使った実践例が掲載されています。

この授業では物事を順序立てて考える力は育めるかもしれませんが、創造的な活動はどこにもありません。これはプログラミング教育というよりは、ICTを活用した家庭科の授業と呼ぶべきでしょう。

創造性の視点をもとう

画像: 創造性の視点をもとう

今のプログラミング教育に欠けているのは、創造性の視点です。創造性を育むための授業には意図的な「余白」が必要です。プログラミングの授業は図工の授業と同じように、自分たちで手を動かしてモノを作る活動が必要不可欠と言えるでしょう。

小学校で行われる授業の多くは、学習指導案という授業計画書(言うなれば、授業の流れをプログラミングしたもの)に基づいて行われます。指導案にはどのタイミングでどのような発問をするかなどまで書かれているため、指導案通りの授業をしようとすると、どうしても教師が導きたいゴールに向けて行く以外のことができなくなってしまいます。

しかし、創造性とは常に計画の外で生まれる営みです。教師がコントロールする時間ではなく、子どもたち自身がコントロールする時間を少しでも授業に取り入れること。それが私の主張する「余白」です。なお、授業の「余白」をデザインするときには、本連載でも紹介した、Scratch の開発者であるミッチェル・レズニック氏の提唱する創造的な学びが参考になるでしょう。

プログラミング教育を学校教育で実施する最大のポイントは、この国のほとんどすべての子どもたちがプログラミングを体験できるという点にあります。子どもたちとプログラミングが幸せな出会い方ができるように、創造性を育むための「余白」をもった授業をしていく必要があるのではないでしょうか。

パズルゲーム的な活動ではなく、創造性を育む活動のあるプログラミング教育が望まれます。

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私は世界中20カ国50校以上の学校を訪れてきましたが、「環境教育」という観点で振り返ったとき、ダントツでいちばん優れていると感じた学校は、アメリカでもヨーロッパでもオセアニアでもなく、東南アジアにありました。
  • インドネシアのバリ島にある「グリーンスクール」は環境に優しい学校
  • ミッションは持続的な世界をつくる学習者のコミュニティーをつくること
  • 建築士と一緒に自分たちで橋をつくった
  • ニュージーランド、南アフリカでも開校予定

これまでの【世界を旅しながらその土地の教室に飛び込んでみた】はこちら

インドネシアのバリ島にある「グリーンスクール」

テレビやインターネットなど、なにかとメディアに出てくることが多い学校なので聞いたことがある人もいるかもしれません。私がはじめてグリーンスクールを知ったのは、5年前にとあるブログを読んだことがきっかけでした。いてもたってもいられなくなって、その日にバリ島行きのチケットを購入、その翌週に実際にグリーンスクールを訪れていました。

当時の経験に最新の情報も加えて、世界一エコな学校と言われるグリーンスクールのレポートをお届けします。

持続的な世界をつくる学習者のコミュニティーをつくること

グリーンスクールの公式ホームページに掲載されているミッションは以下のとおりです。

* “A community of learners making our world sustainable”
(持続的な世界をつくる学習者のコミュニティー)

グリーンスクールの歴史は、宝石商のビジネスで大成功したジョン・ハーディ氏が、「不都合な真実」という環境問題に密着したドキュメンタリー映画を観たことからはじまりました。このまま問題が進行すれば、子どもたちは自分が送ったような素晴らしい生活を送ることはできない。そんな問題意識から、持続可能な世界をつくるリーダーたちを育てる学校、グリーンスクールを立ち上げたのです。

彼の思いは、TEDでも紹介されているので、彼の生の声も聞いてみてください。

画像1: ジョン・ハーディ:私の夢、「緑の学校」 www.ted.com

ジョン・ハーディ:私の夢、「緑の学校」

www.ted.com

コンクリートで囲まれた校舎で環境について学んでどうする

画像: 教室の中もほとんどが竹や木などでつくるこだわりよう

教室の中もほとんどが竹や木などでつくるこだわりよう

ジョン・ハーディ氏は、理念を実行に移すこだわりを徹底しています。既存の学校のすべての常識を無視した「理念から逆算した学校設計」が特徴。そのこだわりは、まず校舎づくりからはじまります。

「コンクリートで囲まれた校舎で、環境について学んでどうするんだ!」

そんな彼の思いから、校舎は極限まで鉄やコンクリートを使わず、ほとんどが竹や木などでつくられています。傘立てまで竹製という徹底したこだわりっぷりでした。校内には畑があり、自分たちがつくった野菜がカフェテリアで出されたりするとのこと。

年中を通して最低気温が25度程度と、温暖な気候のバリ島。しかし教室にはエアコンはありません。扇風機もない。そもそも教室に壁がありません。雨はしっかりとしのぎつつも、風をきちんと通せるよう、計算され尽くしたデザインになっています。

コースは幼稚園から高校まであり、現地の生徒だけでなく世界中のさまざまな国から子どもたちが学びにきています。

建築士と一緒に自分たちで橋をつくる

画像: 生徒が建築士と一緒につくった橋

生徒が建築士と一緒につくった橋

実際にグリーンスクールに通う日本人の生徒に質問しました。日本に比べると、授業は座学の時間が少なく、自然の中での実践的な授業が多いそうです。しかし、座学や理論を軽視しているわけではなく。カーンアカデミーというオンラインでの授業受講ができる無料サービスをうまく使いつつ、宿題として自宅で座学を受けることもあるそうです。

たとえば中学生のカリキュラムを一部紹介すると、日本と同じように数学や科学、音楽などの授業もありますが、特徴的な科目もいくつかあり、最たるものは「Green Study」という科目。自然の中で野菜を育てたり竹細工をしたり、さまざまな取り組みをします。

インタビュー中でもっとも驚いた取り組みは、「建築士と一緒に自分たちで橋をつくる」という授業でした。授業で学んだ数学や物理の考えを使いつつ、木や竹でつくられた橋が上の写真。実際に使われていたことに驚きでした。グリーンスクールの公式ホームページで一般公開されているので、興味のある人は見てみてください。(*英語のみ)

https://www.greenschool.org/wp-content/uploads/2019/10/Green-School-Middle-School-Curriculum-Overview-2019-2020.pdf

ニュージーランド、南アフリカでも開校予定

画像: ニュージーランド、南アフリカでも開校予定

2008年にバリ島で開校したグリーンスクール。4年前に訪れたころから他国展開を検討しているという話は聞いていましたが、ついにバリ島の他の学校も開校が決まりつつあります。現状の予定では2020年にニュージーランド、2021年には南アフリカでも開校するとのこと。

南アフリカのキャンパスは、ケープタウン付近のPaarl-Franschhoek Valleyの近くに位置します。やはり選定基準は美しい自然に囲まれた場所。どんどんと世界中に広がるグリーンスクールの今後の展開から目が離せません。開校したらまた行ってレポートしますので楽しみにしていてください。

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実は親日家が多いマレーシアに、親子二代で移住している赤沼さん一家。今では子どものほうが順応しているそう。ではなぜ赤沼さん一家はマレーシアに移住を決めたのでしょうか。そこには「子どもの教育」ということが関係しているようです。

これまでの【海外×教育移住】はこちら

まずはチャレンジ!あまり力まず海外移住にトライ

画像: まずはチャレンジ!あまり力まず海外移住にトライ

行政書士・経営コンサルタント(アクティス株式会社・行政書士赤沼法務事務所)の赤沼慎太郎さんは、現在マレーシアと日本を行き来する生活をしています。2人のお子さんは現地の日本人学校とローカル保育園に通学中。住まいはマレーシアの日本人学校のほど近く、スバンジャヤエリアにあります。

両親も赤沼さんが移住する数年前からマレーシアに移住して生活を楽しんでいて、ときどきお互いの家を訪ね合うこともあるそう。今回は妻の赤沼さやかさんとともに話をうかがいました。

──赤沼さんは日本国内で行政書士と経営コンサルタントとして活躍する傍ら、日本企業のマレーシア進出支援やマレーシア移住や留学を考えている人の支援もしているということですが、現在どのような生活スタイルなんですか?

赤沼慎太郎さん(以下、慎) 今の仕事の中心は日本ですが、月の十日から二週間弱はマレーシアに滞在しています。今はインターネットなどの通信環境も充実しているので、マレーシアにいても日本の顧客とのやり取りに大きな不便はありません。マレーシア進出支援の事業は1年半ほど前から取り組んでいますが、多くの日本企業がマレーシアに興味をもっており、これからが楽しみな事業です。

妻と子どもたちはマレーシアで生活しており、私が日本にいる間はほぼ母子家庭のような感じで生活しています。両親はマレーシアに住んでいますが、それぞれ独立して生活していて、頻繁に会うわけにもいきません。なので、できるだけ妻の育児の負担も減らしたいという理由もあり、息子の通う日本人学校から近いスバンジャヤというクアラルンプール近郊のエリアに居をかまえ、現地での暮らしを楽しんでもらっています。2018年6月からマレーシアに住みはじめました。

──完全に日本の生活をたたんでマレーシアに移住したわけではなくて、2拠点の生活ということになのですね。

 そうです。よく海外移住というと、思い切って決断したねとかすごいねといわれることも多いのですが、我が家の場合はそれほどカチッとした感じではなく、まずはチャレンジしてみようとあまり力まずに海外移住にトライしてみた感じです。なので、完全に日本の生活を引き払って拠点を変えているわけではないです。

先のこともおおよそはイメージしていますが、まず1年やってみたらいい感じにいったので、さらに3年やってみようといった感じですね。息子が中学生になることを見据えたタイミングが次の節目になるかなと思っていますが、子どもの成長は未知数なので、先を決め打ちしてはいません。

──そうはいってもなかなか思い切ったご決断だと思うのですが、何かきっかけはあったのですか?

 マレーシアに興味をもったのは、私のビジネス的な興味もあるのですが、妻が海外生活に強い関心をもっていたことが大きいです。また私の両親が先にビザを取得してマレーシアに移住していて、マレーシアへの移住が比較的身近であったことも大きいですね。海外移住はいろいろ考えると、心配事などもありなかなか決断できないと思いますが、なんといっても勢いも大切だと思います。我が家の合言葉は「まずはチャレンジ」です。

──ご両親が先に海外移住をされているのですね。リタイア後ということでしょうか?

 父は仕事を退職した後に、しばらくしてからマレーシアに移住しました。父はサラリーマン時代にドイツに赴任していたことなどもあり、インターナショナルな現場で仕事をしてきたという経歴もあります。そうしたこともあり、海外生活に慣れており、第二の人生を楽しんで、エネルギッシュに毎日過ごすためにマレーシアを選んだようです。

そういうシニアの人はマレーシアに多くいます。両親はスポーツ吹き矢や太極拳、アマチュア無線など多趣味なので、のんびり南国暮らしというよりも、趣味が充実していてとても忙しそうです。日本人にとってマレーシアがとても暮らしやすいことは両親を通じて知っていたので、最初から好印象でした。

子どものほうが順応性が高い

画像: 子どものほうが順応性が高い

──移住に際し、奥様は不安はなかったですか?

赤沼さやかさん(以下、さ) 私も夫の両親の様子を見ていたので、印象がよかったですし、なにより海外生活への憧れのほうが優先していました。もともと英語教育には興味があったので、息子も娘もインターナショナルな保育園に通わせていて、そこでの生活が子どもにあっている様子だったので、海外で生活しても楽しくやってくれそうだな、と。

現在娘は、マレーシアのローカル保育園に通っていますが、現地の友達と楽しく過ごしています。2020年は、インターナショナルスクールに進学します。

──2020年からインターナショナルスクールに進学するんですね。

 インター校への入学は何歳から入れるといいか、英語教育に触れさせるのは早いほうがとか、日本語が定着した高学年からのほうがいいとか、いろいろな説があるので迷ってしまうことが多いと思います。我が家の場合は、娘がローカルの保育園でも楽しくやっていたのを見て、この機会にインター校への入学を決めました。

──お住まいのマレーシア・スバンジャヤエリアはどのような居住区ですか?

 クアラルンプール(以下、KL)近郊のエリアで、日本人街といわれているモントキアラからもKL中心地からも車で30分くらい。日本人学校があるので、日本人も比較的多く住むエリアです。

買い物など普段の生活は、近所にスーパーや商業エリアがあるので便利な地域です。とくに「クランバレー」と呼ばれるKLとその近郊エリアにあるスーパーでは、日本食材が普通に売られており、買い物に困ることはほとんどありません。

マレーシアのスーパーの特色は、イスラム文化圏のため、イスラム教で禁じられている豚肉やお酒が普通の売り場ではなく、ノンハラルコーナーという別の売り場でしか売っていないという点です。お酒は日本で買うよりも高い。

スバンジャヤエリアは郊外なので、車中心の街づくりとなっていて、どこへ行くにも車が必要です。歩道の整備はあまりよくありません。車がないと不便ではありますが、マレーシアはGrabという配車サービスがあり、自分で車の運転ができなくても比較的便利に生活ができます。ただ、時間帯によっては渋滞がひどく、移動に倍くらいかかってしまいます。電車の便はよく、30分程度でKL中心地にいくこともできます。

KL中心地に比べると住宅の家賃も安めで、150平米くらいのファミリー向けのコンドミニアムが10~15万円くらいで借りれます。食費は日本の食材が日本で買うより割高ですが、ローカルの八百屋さんや商店を上手に利用してバランスよくやり繰りすれば、日本より生活費を抑えることができます。ただ、TV番組などでは日本の3分の1のコストで暮らせると紹介されていることが多いですが、実際はそこまでではないですね。

──とても暮らしやすそうですね。お子さんと地域の暮らしや人々とのの関わりはありますか?

 子どもたちはすっかりマレーシアでの暮らしに慣れてくれていて、適応能力の高さにこちらも驚くほど。同じコンドミニアムに住む子どもたちと息子が放課後プールで一緒に泳いだり、サッカーをしたり、ベイブレード(駒のオモチャ)やスケートボードで遊んだり。身体を使った遊びでキチンとコミュニケーションしているんですよ。

一般的に日本人の子ども同士、ローカルの子ども同士で固まって遊ぶことが多く、あまり日本人とローカルの子どもたちが交わらない傾向にあるようなのですが、うちの息子がローカルの友達と遊んでいるのを見て周りの親は驚いたようで。うちの息子は友達をつくるのが上手なタイプなので、そういった面は親としてとても嬉しいですし、これからも大事にしてもらいたいと思っています。

実際、休日などに家族で街を歩いていたときにローカルの友達が息子に元気に声をかけてくれることも多く、仲がいいんだなってことがわかって嬉しくなりましたね。

──ローカルの子と遊べるなんて本当にたくましいですね。マレーシア人は親日といわれていますが印象はどうですか?

 本当に彼らはフレンドリーだし、大人たちも「子どもは宝」という考え方も浸透しているので、すぐ笑顔で話しかけたり、飲食店の店員さんが子どもの頭を撫でてくれたり、よくかまってくれるんですよね。子育てにおいて常に明るい気持ちでいられる環境だと思います。タクシーに乗っていても、私が日本人だとわかるとテンションが高くなり、日本についての質問や自分の知っている日本のアニメや歌手などの話をしてくれたりします。

情報収集は現地でしたほうがいい

画像: 情報収集は現地でしたほうがいい

──お子さんたちを進学させるにあたって、事前情報の収集はどうされましたか?

 事前に現地を見にきて情報収集をしました。ほかにもインターネットで調べたりもしましたが、ネットでの情報では限界があります。基本的に子どもたちにはそれぞれ、日本で受けてきた教育と地続きの形で、上の子には日本人学校、下の子にはローカル保育園を選びましたが、下の子の保育園探しは日本人向けの情報が少なく、選択に苦労しました。

結果的にチルドレンズハウス(The Children's House )という保育園を選びましたが、とてもいい保育園で満足しています。

──マレーシアの保育園はどんな感じなのでしょうか?

 基本的に、保育園での友達や先生との会話は英語なのですが、マレー語やマンダリン(中国語)の授業も少しあります。娘の保育園には日本人が数名しかいなくて、同い年の日本人もいないので、クラスでは唯一です。そのため、保育園での会話は100%英語。そんな環境なので、マレーシアに来て1年くらいで娘は英語でコミュニケーションが取れるようになってました。子どもの対応力はすごい。

また、こっちに来て驚いたことの一つにお誕生日会があります。日本では、普通はお誕生日の子が友達からプレゼントをもらいますが、こっちでは、逆に誕生日の子がお友達にお菓子や文房具などのプレゼントを振る舞うんです。娘が毎月ちょっとオシャレなステーショナリーなどをもらって帰ってくるので、これはどうしたことかしらと話を聞いて、ようやくその風習を知ったのですが、カルチャーショックでした。そんなことひとつひとつも愛おしいというか、異文化に触れているなという実感があって楽しいですね。

──息子さんが通われている、マレーシアの日本人学校はいかがですか?

 日本人学校は基本的に日本の学校と同じカリキュラムでやっているので、勉強はそれほど違わないと思います。ただ、日本人学校に通っていると、普段の会話は日本にいるのと同じようにほぼ日本語だけなので、英語の習得は進みにくいと思います。

ただ、息子の場合は先述の通りローカルの友達と遊んでいる中で、簡単な会話はできるようになっていますし、友達と会話するために英語に対するモチベーションが高く保たれている感じです。また、家でも英語の勉強には力を入れています。目標があったほうがいいので、英検の合格を目標として、マレーシア人の家庭教師をつけて勉強しています。お陰様で、マレーシアに来て1年くらいで3級に合格し、今、準2級の合格を目標に頑張っています。

息子も日本でインターナショナル保育園に通っていたので、小さいころから英語に触れていたこともあり、リスニングは得意でしたが、マレーシアに来てからさらに飛躍的に伸び、文法の勉強もすることで英語学力はマレーシアに来た当時よりも格段によくなっています。

──それは海外移住をした甲斐がありましたね。お子さんの成長がなにより励みだと思いますが、海外での子育てで不安は何かありますか?

 やはり主人が不在のときに、私一人で具合が悪くなったらどうしようという不安はあります。我が家は義理の両親が近くにいるので、いざというとき連絡を取り合えるので、精神的な支えにはなっているものの、普段は近所のママ友の助けがとても大きいです。

自宅の近くには日本語の話せるスタッフがいるクリニックもあり、子どもが風邪をひいたときなども安心です。そういった点を考えても大きな不安は少ないですね。

マレーシアは観光も充実 インスタ映えも

画像: マレーシアは観光も充実 インスタ映えも

赤沼さんの住むコンドミニアムのすぐそばには、サウジャナゴルフ&カントリークラブという名門のゴルフコースがあり、トッププロのトーナメントも開催され、プロゴルファーの松山英樹選手や石川遼選手も来たことがあるようです。

KLとその近郊には多くのゴルフコースがあり、マレーシアはゴルフ天国とも言われ、ゴルフ好きも多く移住されてます。また最近は、インスタスポットとして注目されている”マレーシアのウユニ湖”と誉れ高い「スカイミラー」がKL中心地から車で1時間30分ほどの距離にあるなど、観光も充実しています。

教育移住を考えているご家族はぜひ一度、マレーシアを訪れてほしいです。筆者も赤沼さんご家族に導かれ、マレーシアに行ってみたくなりました。

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「タイムチケット」というサービスはご存知ですか?登録者数は17万人を越えた、今話題のシェアリングエコノミーです(※2019年12月現在)。この記事では、タイムチケットの恋愛婚活カテゴリーで20ヶ月1位、そして結婚相談所ツヴァイ・セミナー講師のゆいかさんに「タイムチケットで稼ぐため秘訣」についてインタビューしました。

タイムチケット とは

タイムチケットとは、自分の得意なことや、好きなことを提供して稼げるサイトです。タイムチケットのキャッチコピーである『わたしの30分、売りはじめます。』という文言からもわかるように、30分単位で自分のスキルを売り買いできます。

そんなタイムチケットで、恋愛婚活カテゴリ20ヶ月1位を獲得している、ゆいかさん(※2019年12月現在)。普段は会社員としてお勤めしながら副業として取り組んでいます。さらにシステムエンジニアとして、社内でも凄く忙しい部署で働いているとのこと。「スーパー忙しいんです」とゆいかさんは、満面の笑みを浮かべていました。

そんな忙しい中でも、朝の時間や、お昼休憩、勤務後の時間などのスキマ時間を利用して、時間を工面しながら活動されているようです。本業があっても、片手間ではじめられるのがいいですね。

タイムチケットをはじめるキッカケとなった出来事

画像: タイムチケットをはじめるキッカケとなった出来事

──なぜ、タイムチケットをはじめようと思われたのですか?

ゆいか 友人がタイムチケットをやっていて、そこで興味をもったのがきっかけです。当時は、カウンセラーの資格も持っていませんでしたし、恋愛カウンセリングなんてやったことがない状態でした。

ですが、もともと友人から恋愛相談をされることが多く、1ヶ月に20人くらいの相談にのっていました(無料で)。悩んでいる人をみると、どうしても相談にのってしまう性分なもので。

すると、次第に周りから「もう、お金をもらってやればいいのに」と言われるように……。

そのタイミングで、たまたま友人がタイムチケットをやっていて、それがタイムチケットを知るキッカケとなりました。

よく調べてみると「恋愛カテゴリー」があることを発見。他にやっている人たちを見てみると、みんな意外と普通の人たちで、「これなら私もやれそう」と思って、まずは小さく恋愛カウンセリングをやりはじめました。

ですので、最初は本当に軽い気持ちでしたね。この気軽さがタイムチケットの魅力だと思います。

どんなチケットが売れるのか?タイムチケットで売れるカテゴリー

見た目の女性らしい姿からは想像できませんが、月に100万円を稼いでいるゆいかさん。ここからは、タイムチケットで稼ぐためのコツについてインタビューしていきます。まずはゆいかさんに、タイムチケットでよく売れるカテゴリーについて聞いてみました。

──タイムチケット にはさまざまなカテゴリーが存在していますが、「売れるカテゴリー」は、どんなジャンルがありますか?

ゆいか 売れるカテゴリー(よく購入されるカテゴリ)は、以下の4つ。

  1. お金/副業系
  2. 写真撮影/カメラ系
  3. 恋愛婚活系
  4. ビジネスコンサルティング系

恋愛相談、コンサルは気軽にはじめられて、さらにリピートができれば稼ぎやすいジャンルになります。

──ゆいかさんが思う、タイムチケットの魅力について教えていただけますか?

ゆいか 私が思うタイムチケットの魅力は以下の4つです。

【魅力1】副業でも月100万円の収入が得られる

最大の魅力は、キチンとやればまったく未経験からスタートしても、サラリーマン以上の収入源が得られるということです。実際に私は、まったくスキルのない状態から恋愛カウンセラーとして活動しはじめ、今では月100万円以上の収入源を「タイムチケット」から得られるます。

タイムチケットの手数料が税込25%+税5%ですが、定期的に10%キャンペーンをやっているので、そういうキャンペーンを利用すれば、がっつり稼ぐこともできます。

【魅力2】ハードルが低いので、気軽にはじめられる

タイムチケット では、30分2500円から販売できるので、気軽にスキルをシェアできます。なにかすごいスキルや資格、経験がないとできない、と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

タイムチケットでは、会社で「ちょっと詳しい先輩に教えてもらうレベル」のスキルで十分お金になります。そのくらいの気軽さで挑戦できるのが、タイムチケットの魅力です。また1時間5000円のタイムチケットを2枚売れば、ランキングに反映されることもあります。

【魅力3】オンラインで完結できる

タイムチケットでは、電話相談、ZOOM、Skype、メール、LINEでのやりとりなど、オンライン上でのスキルシェアが可能です。もちろん、実際に会ってスキルを教えることもできますが、すべてオンライン上で完結できることもできます。場所を選ばず、気軽に在宅ワークで副業ができるのが、魅力です。

【魅力4】人脈が増える

タイムチケットでは、月に1回ほど、定期的にイベントが開催されています。そこに参加すると、同じタイムチケットを販売している人とつながるため、お互いにスキルを購入しあったり、仲間として意識を高め合ったりできます。

あとは、ビジネスパートナーが見つかるという点もオススメです。私の場合だと「かわいい彼女を「100%」作る方法」というものを提供していますが、見た目を向上させるためのパーソナルトレーナーや、プロフィールを撮影するためのカメラマン、お見合いのコンサルタントの人など、すべてタイムチケット内のつながりでカバーできました。

また、まったく無名で実績もない状態からはじめた私ですが、タイムチケットの実績のおかげで、人気アプリ「Pairsエンゲージ公認コンサルタント」として活動できるようになりました。

タイムチケットが売れない理由:稼ぐための3つのコツ

──ゆいかさんは、タイムチケット 恋愛婚活カテゴリ20ヶ月1位を獲得されたということで、「タイムチケットを上手に売るためのポイント」を教えていただけますか?

ゆいか タイムチケットで稼ぐには3つのコツがあると思っています。

【コツ1】実際に自分もチケットを買ってみる

なぜ、タイムチケットが売れないのか?その最大の原因の多くは、「ユーザーの気持ち」を理解していないことにあります。実際に自分でチケット を買って、ユーザー目線になることで、どういったサービスが好まれるのか?どういうサービスを提供してもらうとリピートしたくなるのか?これをまずは認識する必要があります。こうすることで、よりよいサービスを提供でき、それがリピートにつながっていきます。

【コツ2】横のつながりを利用する

タイムチケットでは月に1回、定期的にオフラインのイベントが開催されます。そして、そこに来る人とうのは、だいたい固定化されるので何度も参加すると、仲よくなってきます。またこのイベントに参加する人たちというのは、自分のスキルや経験、情報を惜しみなく提供してくれます。そこで興味をもったスキルを購入したり、お互いにチケットを買い合うことで、ランキングが上位になります。実際にイベントに参加している人は、ランキング上位の人が多いので、横のつながりも大事にして売り上げアップにつなぎましょう。

【コツ3】レビューや購入数を増やす

タイムチケットが売れない原因を最大の原因は、レビューがないことにあります。とくに現代社会では、口コミやレビューをみて購入を決めるユーザーが多いです。レビューが低かったり、誰からも購入されていないアカウントからは購入しづらいですよね?ですので、レビューを増やすことは、とても重要なことです。まずは、自分の周りの友達、知り合いに頼んで激安でチケットを提供し、最低でも3つレビューをつけて、実績を積み上げましょう。

ちょっと詳しい先輩に教えてもらうレベルでいい

画像: ちょっと詳しい先輩に教えてもらうレベルでいい

タイムチケットの最大の魅力は、スキルがそこまで求められなくても気軽にはじめられるということ。そんなにすごいノウハウや知識経験がなかったとしても、「会社で先輩に教えてもらえるレベル」のスキルでもかまいません。

ゆいかさんも、一番はじめはまったく未経験からスタート。恋愛カウンセリングなんてやったことがない状態からスタートし、今では月100万円稼ぐまで人気のチケットに。今では恋愛カウンセラータイムチケット 恋愛婚活カテゴリ20ヶ月1位に。しかも現在、結婚相談所ツヴァイ・セミナー講師、人気アプリPairsエンゲージ公認コンサルタントなど、こんなに活動ができるなんて当初はまったく想像しなかったそうです。

では、どうやって未経験から、タイムチケットで稼いでいったのか。次回からは、より具体的な内容として、実際に「チケットを販売する手順」「売れるコンセプトの作り方」「キャッチコピーの作り方」「ずっとランキングに、入り続ける秘訣」などをお伝えします。実際に月収100万円稼いだ具体的なノウハウが理解できるので、ぜひ次も楽しみにしてください。

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