こんにちは。
宮崎県で、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate(ちいさなて)」を経営しているyoshikiです。
この記事に辿り着いたあなたは、「バードフレンドリー」って何だろう?どういう意味?と思っていることでしょう。
あるいは、環境保護活動の参加に興味があるけど、どうしたらいいか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
この記事は、そんなあなたのために書きました。
記事を読めば、バードフレンドリーの意味やあなたが飲むその1杯のコーヒーが鳥や環境を救う活動につながることが分かるはずです。
環境保護活動は、現地に行ってしか出来ないものではありません。
あなたが選ぶそのコーヒーが、森林保護活動として重要な意味を持つのです。
それでは早速、今日のお話を進めていきましょう。
コーヒー栽培が森林破壊を招く
バードフレンドリーのお話の前にまず知っておく必要があるのが、コーヒーがどのような場所で作られるかということ。
コーヒーの木は元々、高い樹木に覆われた森林の中にあります。
そして、この生い茂った森林には、毎年多くの渡り鳥たちが越冬で体を休めるためにやってきます。
鳥は過ごすのに適した環境を覚えていて、毎年同じ場所に戻ってくるとか。
体を休めるための森林環境には鳥の他、カエルや蝶、哺乳類や蘭など多くの動植物が生息していて一つの生態系が成り立っています。
このように昔から行われている伝統的なコーヒー栽培は、シェードグロウン(木陰栽培)と呼ばれています。
コーヒーの木が、高い樹木の木陰になって栽培されることがイメージできますよね。
ところが、近年に見られる多くのコーヒー園では、コーヒー木の周りにある高い木を切り倒し、辺り一面、低いコーヒーの木だけにしています。
なぜこのようなことをするのでしょうか?
それは、管理や収穫の効率化を図るために、コーヒー園の中に機械を入れるようになったからです。
周辺の高木がなくなり、太陽の光が当たるようになったコーヒーを「サン・コーヒー(Sun Coffee)」と呼びます。
既にコーヒーの産地である南米の約半数が、シェードグロウン(木陰栽培)からサン・コーヒーに切り替わったと言われています。
森林がなくなるにつれて、多くの渡り鳥たちは良好な生息環境を見つけることが難しくなります。
人間が効率よくコーヒー作りをしようと森林伐採したことが、渡り鳥の大切な生息地を奪い、その結果渡り鳥が減少していったのです。
バードフレンドリー認証制度とは?
バードフレンドリー認証マーク
この状況を何とかしようと、スミソニアン渡り鳥センターは「バードフレンドリー認証」制度を開始します。
認証基準を設定し、認証を受けた農園のコーヒー豆をプレミアム価格で買い取ることで、生産農家を支援しながら渡り鳥を守るプログラムです。
農園が認証を受けるには、以下のような基準を満たさなければなりません。
・有機栽培であること
・自然林に近い環境を保てるシェードグロウンであること
・シェードツリーが農園の40%を覆うこと
・11種類以上の樹種で構成されること
そして、一度認証を取得したら終わりではなく、3年に1度、審査を受けて認証を継続する必要があります。
私達がこのコーヒーを買うことで、収益の一部は世界中の渡り鳥の保護活動や生態系保護活動のために使用されます。
私達が選ぶコーヒーが、渡り鳥の生息地を奪うかもしれないし、逆に救うかもしれません。
こう考えると、日頃何気に買っているコーヒー豆を選ぶ重要性に気付かされますね。
理解ある企業のコーヒーを選ぼう
日本ではどのような珈琲会社が、バードフレンドリーコーヒーを取り扱っているのでしょうか。
日本の珈琲メーカーでバードフレンドリーコーヒーを販売しているのは、小川珈琲(株)とKALDIの2社です。
バードフレンドリーについて知識があれば、企業としてこのような珈琲豆を取り扱っているのは好感が持てますよね。
特に小川珈琲では日本で初めてバードフレンドリー認証珈琲を2005年から取り扱っている会社です。
私のお店「やさいの庭 Chiisanate」も小川珈琲(株)さんの珈琲豆を使用しています。
日本にはたった2社しかありませんが、是非、試して見て下さい。
バードフレンドリーコーヒーの豆知識
最後に、バードフレンドリーコーヒーの役立つ豆知識をお伝えします。
先程、「バードフレンドリー認証制度の役割」でお伝えしましたが、認証条件に「有機栽培であること」があります。
実は、高木の木陰で育つバードフレンドリー珈琲は、周辺の高木が落とす葉などによる腐食で土の栄養価が高く化学肥料などが少なくて済みます。
また、渡り鳥が害虫を食してくれるため、農薬の使用量も少なくなります。
そう、バードフレンドリーコーヒーは有機栽培に非常の適しているのです。
珈琲豆は世界で3番目に散布される農薬が多い作物です。
どのような農薬が使われているかは把握していませんが、日本では禁止になった毒性の強いものを使用している可能性も否定できません。
フレンドリーコーヒーは渡り鳥や森林環境にいいだけではなく、生産者や私達消費者の身体にもいい珈琲なのです。
まとめ
今日のおさらいです。
まとめると以下のようになります。
バードフレンドリーコーヒーとは、
森林を伐採して珈琲を作ることが渡り鳥の生息地を奪っている
森林伐採をやめ、渡り鳥に配慮した自然の中にある珈琲豆を作るためにできた認証制度が、バードフレンドリー制度
認証を受けるには有機栽培であることや、自然に近い環境を維持することなど厳しい条件がクリアする必要がある
珈琲は世界3大農薬漬けの作物の一つだが、認証を受けた過剰な農薬を回避できるなど、珈琲は渡り鳥や環境を保護するだけではなく、生産者や私達消費者の身体にもいい
あなたが飲むその一杯の珈琲が、自身の健康だけではなく、渡り鳥や森林保護活動にもつながります。
自宅や職場から世界のことを考えてみませんか?
最後までお読みいただきりがとうございました。